HSPはフリーランス向き?メリット・デメリットや他の選択肢もまとめて解説

人よりも繊細な感性や感覚を持つと言われる「HSP」という特性をご存知でしょうか?
このような性質がある人の場合、毎日多くの情報や刺激にさらされ、それぞれに柔軟な対応が求められる会社員として働くのは一苦労です。

そんな会社員と違い、フリーランスなら自分のペースで働けるというメリットがあります。
しかし、そのような働き方を希望しながらも「自分にもできるの?」と不安な人は多いはず。

そこで今回は、HSPがフリーランスとして働くメリット・デメリットや、相性の良い職業、フリーランス志望のHSPがやるべきことなどをまとめてみました。

記事を読み進めることで、

といったメリットがあります。

実践的なアドバイスも多数盛り込んでいるので、ぜひ最後までご覧になってください。

目次

HSPは繊細すぎるがゆえに会社員が辛い

HSPは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、物事に対して非常に敏感な人を意味します。多くの人にとっては何ともないことでも、HSPからすると強いストレスがかかることがあります。

繊細すぎるがゆえに、毎日多くの情報や刺激に対し柔軟な対応が必要な会社員という働き方が辛いと感じるHSPもいます。

そして、会社員以外の働き方として、HSPから注目されているのがフリーランスです。次章以降では、HSPがフリーランスとして働くメリット・デメリットを紹介していきます。

HSPがフリーランスになる5つのメリット

HSPがフリーランスになるメリットは、以下の5つです。

それぞれ、詳しく解説します。

煩わしい人間関係が無くなる

フリーランスになることで、煩わしい人間関係は無くなります。クライアントとのやり取りも、基本的には依頼された業務に関する内容だけで完結するからです。

会社員の場合、取引先との接待や、社内の飲み会など、内心行きたくないと思っていても参加しなくてはいけないことがあります。そのような煩わしい人間関係を持たずに済むのは、HSPにとっては大きなメリットです。

働く場所を選べる

フリーランスは、働く場所を自由に選べます。自宅で仕事をしても良いですし、カフェやコワーキングスペースなども利用できます。

自分にとって落ち着いた環境で作業ができるため、ストレスも軽減されます。ただし、場所によっては情報漏洩のリスクがあるため、事前に対策をしておく必要があります。

フリーランスのセキュリティ対策については、こちらの記事もおすすめです。

フリーランスが今日からできるセキュリティ対策15選

満員電車に乗らずに済む

満員電車に乗らずに済むことも、フリーランスのメリットです。会社員のように決まった時間に出社する必要がないため、混雑時の電車利用を避けられます。

心理学者のDavid Lewis氏が行った調査*によれば、満員電車に乗るサラリーマンは臨戦態勢の戦闘機のパイロットよりもストレスがかかることが分かっています。

ストレスを感じやすいHSPにとって、満員電車に乗らずに済むことは、大きなメリットと言えます。

参考:通勤ラッシュによるストレスは戦場以上–調査報告|CNET JAPAN

自分のペースで働ける

HSPにとっては、自分のペースで働けることも大きなメリットです。なぜなら、HSPは急かされると人一倍ストレスを感じてしまい、仕事でパフォーマンスが発揮しづらくなるからです。

フリーランスの場合、決められた納期さえ守れば、必要以上に急かされる心配もありません。落ち着いて仕事をしたいHSPにとっては、自分のペースで働けるかどうかは死活問題とも言えます。

自分で仕事を選べる

フリーランスの場合、自分で仕事を選べます。言い換えれば、過度にストレスがかかるような仕事は、予め断れます。

例えば、「3日以内の納期ではお引き受けできません」と事前に伝えておくことで、後々のトラブルを回避できます。

会社員の場合、上司から言われた仕事はなかなか断りにくいため、仕事を選べるのはフリーランスの大きなメリットです。

HSPがフリーランスになる6つのデメリット

HSPがフリーランスになるにあたって、良いことばかりではありません。この章では、以下6つのデメリットについて解説します。

営業ができないと苦労する

HSPがフリーランスになる場合、営業ができないと苦しむことになります。というのも、会社員時代と違って、自ら顧客を獲得しなくてはいけないからです。

例えば、ホームページ制作会社でエンジニアとして勤めていれば、黙っていても仕事は降ってきます。一方、フリーランスのエンジニアになれば、そもそも仕事を取ることから始めなくてはいけません。

そのため、顧客のニーズを掴んだり、自分の良さをアピールしたりする営業力がないと苦労します。

収入にバラつきが出やすい

フリーランスとして働く場合、会社員と違って収入にバラつきが出やすいです。その月に受注できた案件が、直接収入に影響するからです。

青天井で収入を伸ばせる反面、最悪の場合、収入がゼロになる可能性もあります。

案件を獲得するプレッシャーで作業が手につかなくなっては、元も子もありません。

相手しだいではストレスがかかる

仕事相手を選べるとは言っても、中にはストレスがかかる相手もいます。仮にその案件が生活のかかった仕事だとすれば、ストレスがかかる相手でも受けざるを得ません。

そもそも、ノーストレスで仕事ができる相手を初めから想定すると苦しくなるため、理想を高く持ちすぎないこともポイントです。

自分がどこまでなら耐えられるのか、少しずつ探ってみると良いでしょう。

取引先から理解を得られにくい

HSPであることは、取引先からは理解を得られにくいこともあります。
なぜなら、取引先からすれば依頼した仕事をやってくれるかどうかが大切なのであって、HSPであるかは関係ないからです。

業務に支障が出る可能性があれば事前に伝える必要はありますが、伝えたからと言って理解されていると認識しない方が賢明です。

むしろ、取引先から信頼を勝ち取り「え?〇〇さん、HSPなんですか?」と驚かれるくらいの心持ちでいると良いでしょう。

孤独を感じやすい

フリーランスで仕事をする場合、孤独を感じやすいというデメリットもあります。会社員であれば誰かしらが周りにいる環境が普通ですが、フリーランスは基本一人で行動することが多いからです。

せっかく煩わしい人間関係のストレスから解放されても、孤独を感じることでストレスを感じていては逆効果です。適度にバランスを取るためにも、同じようにフリーランスで活動する仲間や、気軽に接することができる友人・知人は大切にしたいものです。

全て自分でやらなければいけない

フリーランスになると、集客・請求書の発行・確定申告・日々の体調管理などなど、全ての作業を自分でやらなくてはいけません。そのため、初めのうちは戸惑う可能性が高いです。

特に、これまで馴染みがなかった業務として、集客や確定申告に悩む人が多いです。より詳しく知りたい方は下記の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランスに営業は必要?案件獲得の手法や押さえるべきポイントを大公開

フリーランス1年生の確定申告の教科書「経費と控除」が最大のカギ

では、HSPがフリーランスになるメリット・デメリットが整理できたところで、どんな職業と相性が良いのかについても見ていきましょう。

HSPと相性が良い7つの職業

この章では、HSPと相性が良い7つの職業を紹介します。もちろん、これに当てはまらないから相性が悪いというわけではありませんので、一つの参考としてご覧ください。

Webデザイナー

Webデザイナーは、ホームページのデザインや、Web広告のバナー作成などを行う仕事です。パソコンさえあればどこでも出来るため、デザインを仕事にしたいHSPにとってはおすすめです。

一定レベルのデザインスキルは求められますが、最近ではWebデザインを学べるスクールなども増えてきました。udemyやデジタルハリウッドなどが有名です。

Webライター

Webライターは、Web上でアップされる様々なテキストコンテンツを作成するのが仕事です。メディアに掲載するブログ記事や、広告のキャッチコピー、商品販売ページの作成など多岐にわたります。

パソコン1つで、いつでも・どこでも出来るため、文字を書くことを仕事にしたいHSPにとってはおすすめです。

Webエンジニア

Webエンジニアは、ホームページ制作やアプリ開発、システム保守など、様々な働き方があります。パソコンと向き合うことが多い仕事のため、HSPに向いています。パソコンいじりが好きな人や、プログラミングに興味がある人にはおすすめの仕事です。

最近ではプログラミングスクールなども増えてきているため、学習のハードルはかなり低くなっています。TECHCAMPや侍エンジニアなどが有名です。

職人

陶芸や楽器などを作る職人も、HSPと相性が良いです。1つのことに没頭し、突き詰めていく働き方ができるからです。

選ぶ職業によっては修行期間が非常に長いため、心から好きなことでないと長続きはしない可能性が高いです。

作家

作家もHSPにおすすめの職業です。自分の世界に没頭し、好きなだけ作品に打ち込めるからです。

同じ文章を書く仕事でもWebライターとは違い文才が求められますが、面白い文章が書ける人にとっては天職と言えます。

講師

講師業は一見するとHSPには向いてないように思えますが、マンツーマンで教える形式であれば特性を活かせます。というのも、HSP自身が人より繊細だからこそ、生徒のちょっとした仕草や変化に気づきやすいからです。

教えることが好きならば、英語講師や料理講師など、自分が得意な領域で活躍できます。

カウンセラー

HSPには、カウンセラーも向いています。なぜなら、カウンセラーは相手の話を聞くことがメインの仕事になるため、HSPのような静かなタイプの方が相性は良いからです。

特に心理カウンセラーとの相性が良く、HSP自身が繊細で傷つきやすいがゆえに、相手に対して深く共感できます。

人の話を聞くことが好きならば、一考の価値ありです。

フリーランス志望のHSPがやるべき2つのこと

HSPがフリーランスとして一歩を踏み出したいと思ったら、これから紹介する2つのことを試してみてください。

今の職場で働きながら小さく始めてみる

1つ目は、今の職場で働きながら小さく始めてみることです。自分にフリーランスが合うかどうかを確認しておくことで、誤った選択を回避できるからです。

例えば、平日は今の職場で一生懸命働き、休日にクラウドソーシングサイトで受注した案件に取り組んでみるといったことです。

本業がおろそかにならない程度に、自分の腕試しと思ってチャレンジしてみると多くの気づきが得られます。仮にフリーランスは向いてないと分かれば、そのまま今の職場で頑張れば良いだけです。

上手くいかなかった時の逃げ道をあらかじめ用意しておく

2つ目は、上手くいかなかった時の逃げ道を予め用意しておくことです。というのも、上手くいかなくなってからあれこれ対応しようとすると、間違った選択をしがちになるからです。

具体的には、以下のような逃げ道を確保しておくと安心です。

これだけの準備をしておけば、最悪失敗しても大丈夫という安心感から、思い切ってフリーランスに挑戦できます。

HSPが知っておくべきフリーランス以外の選択肢3選

会社員が辛いと感じるHSPにとって、フリーランスという働き方はあくまでも選択肢の1つです。その他にも、HSPが知っておくべき選択肢を3つ紹介します。

今の会社や上司に相談する

まずは、今の会社や上司に相談することをおすすめします。相談して状況が改善すれば、最もリスクが低い方法だからです。上司に直接相談しにくければ、信頼できる同僚に声をかけてみても良いでしょう。

理解のある職場に転職する

今の職場に改善が見られなければ、HSPの症状を理解してくれる職場に転職することも検討してみると良いでしょう。社会的に弱い立場にある人たちを積極的に雇用している会社もあるため、諦めずに探してみることをおすすめします。

派遣社員として働く

正社員としてではなく、派遣社員として働く道もあります。正社員のプレッシャーに耐えられない場合に、検討してみることをおすすめします。正社員とフリーランスの中間的な働き方と言えます。

フリーランスが合うかどうかは人による

HSPは、繊細すぎるがゆえに、会社員という働き方が辛いと感じやすいです。

そこで会社員以外の働き方として注目を集めるフリーランスですが、メリット・デメリットを整理してみると、以下の通りです。

もし、フリーランスとしてチャレンジしてみたいと思ったら、まずは今の職場で働きながら小さく始めてみると良いでしょう。そして、いざチャレンジすると決意が固まったら、上手くいかなくなった時の逃げ道も予め用意しておくことで最悪の事態を防げます。

仮にフリーランスが向いていなかったとしても、あなたが安心して働くための選択肢は他にも存在します。

ぜひ、視野を広く持って、自分にフリーランスが合うかどうかを見極めてみてください。

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