フリーランスに営業は必要?案件獲得の手法や押さえるべきポイントを大公開

多くのフリーランスは、内心「営業したくない…」と思いながらも、生きていくために仕方なくやっているというのが本音ではないでしょうか。

しかし、実は営業に対する考え方を少し変えるだけで、他のフリーランスに比べて圧倒的に有利な立場を築けることを知っていましたか?

今回は、フリーランスの営業について、知っておくべき考え方や、おすすめのやり方などをまとめてみました。

記事を読み終えるころには、「営業がんばろう!」と前向きな頭に切り替わっているはずですよ。

営業ができるフリーランスは「鬼に金棒」

営業ができるフリーランスは「鬼に金棒」です。なぜなら、多くのフリーランスは営業をしたくないと思っているため、少し営業スキルがあるだけで差をつけられるからです。

依頼する側からすると、フリーランスのスキルの差を正確に読み取るのは難しいです。そのため、よほどのスキル差が無ければ、積極的に声をかけてくれる方を選びたくなるものです。

活躍するフリーランスが持ち合わせている2つのスキル

活躍しているフリーランスは、「専門スキル」と「営業スキル」の2つのスキルを持ち合わせています。

専門スキル

フリーランスとして活動する以上、最も重要なのは自身の専門スキルです。依頼側としては、自分たちでは真似できない仕事だからこそ、お金を払ってまで依頼しようと思うからです。

例えば、デザイナーのデザインスキルや、エンジニアのコーディングスキル、ライターのライティングスキルなどが挙げられます。需要が多く、できる人が少ないスキルであればあるほど、報酬は高くなります。

営業スキル

営業スキルはフリーランスの活動を加速させてくれます。自身が持っている価値あるスキルを多くの人に発信できれば、それだけ多くの契約を結べるからです。

営業と一言で言っても、対面営業が得意な方もいれば、SNSを中心とするWeb営業が得意な方もいます。自分自身のスタイルにあった営業手法を確立できれば、大きな実りをもたらしてくれます。

営業スキルは、フリーランスとして活躍するには必要不可欠です。実際、結果を出しているフリーランスは、ほぼ間違いなく営業スキルを持ち合わせています。

営業は正しい定義を知れば楽しくなる

営業と聞くと悪いイメージを持たれる方が一定数います。「営業=モノを売りつけること」という印象を持っているからです。そのため、営業は嫌なものとして認識してしまっています。

しかし、営業は正しい定義を知ることで楽しくなります。というのも、そもそも営業はお客様の問題を解決する行為であり、決して不要なモノを売りつけることではないからです。

例えば、世界中で流行っている病気に対するワクチンを作ったとして、誰も営業をしなかったらどうなるでしょうか?せっかく人類を救う発明をしても、営業をしなかったばかりに多くの尊い命を犠牲にすることになってしまいます。

上記は極端な例ですが、お客様のお悩みを解決する商品・サービスを届けるために営業は不可欠です。あなたが持っているスキルでお客様のお悩みを解決して喜ばれるとすれば、むしろ営業をしない方が相手にとっては損失です。

フリーランスが絶対に押さえておくべき営業手法

そうは言っても、いざ営業をやろうとすると何から手をつければ良いのか分からない、という方もいるかと思います。そこで、ここからはおすすめ順に、フリーランスの営業手法を紹介していきます。

今すぐやるべき営業手法(効果:大・負担:小)

まずは、大きな効果が見込めて負担が小さい、今すぐやるべき営業手法を紹介します。

知り合いに声をかける

最もおすすめなのは、知り合いに声をかけることです。既にあなたのことを知ってくれているため、知らない人に声をかけるより成約確率が高まるからです。例えば、学生時代の友人や、家族・親族などが代表的です。

ただし、知り合いとはいえ仕事を請ける以上は責任が発生します。親しき中にも礼儀ありの精神で、キチンと要望に応える姿勢が求められます。

フリーランス専門の求人媒体に登録する

フリーランス専門の求人媒体に登録することもおすすめです。自分でお客様を探さなくても、媒体運営会社が依頼者と引き合わせてくれるからです。

有名どころとしては、レバテックフリーランスやクラウドテック、ITプロパートナーズなどがあります。それぞれに特色があるため、自身の職種や価値観に合わせて、登録する媒体を選ぶと良いでしょう。

ここまではやっておきたい営業手法(効果:中・負担:中)

次に、最低限ここまではやっておきたい営業手法を紹介します。

Web上での情報発信

Web上での情報発信は、現代のフリーランスにとって非常に重要です。低コストで始められるうえに、世界中の人に情報を届けられるからです。

中でも、SNSとブログはおすすめです。

・SNS
SNSは情報を拡散することに優れたメディアです。運用の手間もさほどかからないため、フリーランスにとっては非常に強力なツールです。扱う商材や対象とする顧客層によって最適な媒体は異なりますが、Facebook・Twitter・Instagramなどが主流です。

また、SNSというとフォロワー数を増やさなければいけないと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

依頼主が仕事を依頼しようと思ったとき、名前で検索をかけてSNSを探す可能性があります。その際に、SNSでレベルの高い情報を発信していたり、人柄や言葉遣いがわかる投稿があるだけで依頼主は安心します。その結果、案件獲得につながる可能性があるのです。

・ブログ
ブログはまとまった情報を届けることに優れたメディアです。SNSに比べれば手間はかかりますが、その分、多くの情報量を盛り込めます。
また、SEOを意識した記事作成をすることで、GoogleやYahoo!の検索エンジンで検索される可能性もあります。

クラウドソーシングサイトへの登録

クラウドソーシングサイトとは、Web上で依頼者とフリーランスをつなぎ合わせるプラットフォームのことです。代表的なサービスとして、クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどが挙げられます。

一度登録をして依頼を待つタイプもあれば、自ら案件に応募するタイプのサービスもあります。各サイト毎に特色があるため、自分のニーズに合ったサイト選びがカギとなります。

ライバルに差をつける営業手法(効果:小~大・負担:大)

さらに一歩踏み込んでライバルに差をつけたい場合は、以下の営業手法もおすすめです。

企業へ直接アプローチする

企業への直接アプローチも1つの手段です。例えば、メール、FAX、電話、飛び込み営業などの方法があります。

企業側も、あまりに仕事が忙しくて募集すらかけられないことがあります。そのようなタイミングで直接アプローチをすれば、担当者の目を引く可能性もあります。

営業代行を依頼する

営業代行を依頼して、代わりに自分の商品・サービスを売ってもらうのも手です。営業が得意な人と分業できるため、効率的に営業ができます。

ただし、営業代行は他にも多くの商材を扱っており、本音を言えばインセンティブが高いモノを売りたいという心理があります。そのため、他者より高いインセンティブを払えない場合は、積極的に売ってもらえない可能性もあります。

広告を出稿する

Webを中心として、広告を出稿することもできます。例えば、Google・Yahoo!・Facebook・Instagramなど、対象顧客に馴染みがある媒体で広告が出せます。

当然、出稿した分だけ広告費はかかりますので、はじめに予算を決めておくことが重要です。また、出稿にあたってバナー画像などが必要なケースもあるため、他の施策に比べると難易度は高めです。

色々なコミュニティに参加する

余裕があれば、色々なコミュニティに参加してみるのも良いでしょう。思いがけない出会いに恵まれる可能性もあるからです。

フリーランスが集まるイベント、異業種交流会、趣味のサークルなど、どこにビジネスの種が落ちているかは誰にも分かりません。余裕があるうちに、未来への種まきと思って人脈を広げておく工夫が必要です。

フリーランスの営業を成功させる3つの心得

営業活動を始めると、心が折れそうになる場面もあるかと思います。そんなときは、以下で紹介する3つの心得を思い出してください。

①営業は価値提供

営業はあくまでも価値提供が目的です。逆に言えば、自分の都合で無理やり売りつけないように注意が必要です。特に、売れない日が続いて手元のお金が枯渇してくると正常な判断ができないこともあります。

中長期的に見れば、無理やり売りつけたお客様との関係は長く続きませんし、下手したら悪評が立ってしまうこともあります。お客様への価値提供ができないと感じたら、自分から身を引くことも時には必要です。

②断られるのは当たり前

営業をするうえで、断られるのは当たり前です。どんなに凄い営業マンでも、100%売れるわけではありません。なぜなら、全ての営業に応えていたら、お金がいくらあっても足りないからです。

仮に断られたとしても、キチンと理由を確認して次につなげれば、成約確率を高めることにつながります。「次の人は買ってくれるかもしれない」という心持ちで、気長に取り組んでください。

③安易な値下げは禁物

安易な値下げはしない方が賢明です。最終的にジリ貧になるのは自分だからです。売れてないうちは値下げしがちですが、一度値下げ癖がつくとその後も「値下げをすればいいか」という思考に陥りやすいです。

しだいに自分のサービスに自信が持てなくなってくるので、安易な値下げは禁物です。

フリーランスの営業に必要な3つの準備

営業への意気込みが高まってきた頃かと思いますが、実践に移るうえでいくつか準備が必要です。最低でも、以下の3つは準備を進めていきましょう。

①自分のスキルの棚卸

はじめに、自分のスキルを棚卸します。何ができるかが分からなければ、営業することもできないからです。

これまでやってきた仕事を時系列でまとめ、そこでどんなスキルを身に着けたかを整理していくのがおすすめです。その過程で、自分にどんな強みがあるかを明確にしていきます。

もし、自分の強みが分からない場合は、これまで自分を選んでくれたお客様に聞くのが最も正確で早い解決法です。

その際には、「他にも候補がいる中で、なぜ自分を選んでくれたんですか?」と聞いてみましょう。

②ライバルの動向チェック

自己分析が終わったら、ライバルの動向もチェックしておきたいです。相場観やサービス内容を知ることで、自分の立ち位置を決めやすくなるからです。

例えば、Webデザインの案件に対する募集は多いけど、コーディングまで含めた案件になると募集が少ないとします。その場合、コーディングもできるWebデザイナーとして打ち出せば、ライバルを出し抜いて選ばれる確率が高くなるでしょう。

ライバルの動きをチェックしているからこそ、どこにチャンスがあるかを掴めます。

③必須アイテムの用意

営業活動をするうえで、用意しておくと便利なアイテムを4つ紹介します。

・名刺
営業活動をするうえで基本中の基本です。フリーランスは名前を覚えてもらってなんぼですので、名刺は必ず作っておきましょう。

作成に時間がかかるため、欲しいと思ってから作っていては遅いです。せっかくのチャンスを逃さないためにも、用意しておくことをおすすめします。

・サービス紹介資料
自分がどんなサービスを提供するのか概要を記載した資料です。一度作っておくことで、様々な場所で使いまわせます。

・ポートフォリオ
これまでの作品事例集です。特に、デザイナーやエンジニアといった制作物がある職種の場合、ポートフォリオは必須です。

・料金表
サービスを提供するうえでは、必ず料金の交渉があります。料金表は事前に作っておき、こちらから提案できる体制を整えておくと交渉がスムーズに進みます。

フリーランスの営業に関するよくある悩み

最後に、フリーランスの営業に関するよくある悩みにお答えします。

Q. 会社員時代に営業を経験した方がよいですか?

経験できる機会があれば経験するにこしたことはありません。営業は経験値がものをいうため、座学では学べないからです。

ただし、営業経験がないからといって、営業ができないわけではありません。フリーランスとして活動を続けていく中で、徐々に営業スキルを高めていっても問題ありません。

Q. もし営業が上手くいかなかったらどうすればいいですか?

営業が上手くいかなかった場合、会社員に戻る、アルバイトと掛け持ちする、実家に帰るなど、いくつか選択肢があります。

大切なことは、最悪の状況になった場合にどうなるかを先に予測しておくことです。その結果、上手くいかなくても何とかなることに気づければ、思い切り挑戦できます。

Q. 業務に追われ営業ができない場合はどうすればいいですか?

日々の業務の中で、お金を生み出していない無駄な業務を洗い出し、無くすか、人にお願いするか、自動化する必要があります。

例えば会計処理に関しては、税理士に頼む方法もあれば、会計ソフトを導入して省力化する方法もあります。

フリーランスは自分ひとりで仕事を回していくため、極力主力業務だけに特化する体制を整えることをおすすめします。

お客様を選べるのはフリーランスだけの特権

フリーランスは専門スキルと営業スキルを掛け合わせることで、より多くのお客様から選ばれる可能性を上げられます。

そして、選ばれる自分になれれば、今度は逆にお客さんを選べるようになります。

そんな理想の未来を手にするためにも、「ここまではやっておきたい営業手法」までは実践してみることをおすすめします。

今すぐやるべき営業手法(効果:大・負担:小)

  • 知り合いに声をかける
  • フリーランス専門の求人媒体に登録する

ここまではやっておきたい営業手法(効果:中・負担:中)

  • Web上での情報発信
  • クラウドソーシングサイトへの登録

ライバルに差をつける営業手法(効果:小~大・負担:大)

  • 企業へ直接アプローチする
  • 営業代行を依頼する
  • 広告を出稿する
  • 色々なコミュニティに参加する

また、心が折れそうになったときは、ぜひ3つの心得も思い出してください。

  1. 営業は価値提供
  2. 断られるのは当たり前
  3. 安易な値下げは禁物