転職時の志望動機の書き方とは? 広告の手法を使ってあなたの魅力を100%伝える方法
転職の際に履歴書に記載して提出する「志望理由」。その会社で働きたいのは本当なのに、何を書いていいかわからない、上手く書けないと困ってしまうことってありますよね。
ほとんどの場合転職活動は書類で始まります。(Webのエントリーシートを含む)
選考先の企業に初めてあなたの情報が届くタイミングですから、そこに記載する志望理由は非常に大切です。
しかし、実はほとんどの人が志望理由に書くべきことを間違えて、選考で損しています。あなたが転職活動の書類選考に落ち続けるのは、実は職歴や能力が理由ではないかもしれません。
この記事では、志望理由の効果的な下記方を通してあなたの魅力を100%、希望の会社に伝える方法を公開します。
目次
面接官は志望動機で何が知りたいのか
どこの会社でも転職面接の際には志望理由を聞きます。
採用する側も限られた時間でできるだけの人の情報を検討し面接を行い、良い人に入社してもらいたいと思っています。無駄な質問をしているわけではなく、この質問をすることで得たいことがあるはずです。
「志望理由を聞かれたのだから、正直に答えればいい」ではなく、まず相手の意図を理解しましょう。
1. 本当に働きたいと思っているか
採用活動には企業も大きなエネルギーをかけるため、採用を決めた候補者にすぐにやめられたり他の企業に行かれてしまうと、それまでにかけた時間や労力が無駄になってしまいます。
そのため、「本当にうちで働きたいんだな」と感じられるかどうかが重要ですし、逆に言うと心からそう思っていてもそれが伝わらない志望動機では書類ではじかれてしまいます。
2. 自社の考え方や雰囲気に合うか
会社によっては成果主義の競争が激しいところもあれば、チームワークや仲間を大事にして成長していきたいという会社もあるでしょう。
それぞれに適した人材がいると思いますが、それが間違って逆に入社してしまったら会社も求職者もお互いに不幸です。
このような間違いがないように、採用担当者は応募者が自社で働いて成果を出せる人材か志望動機から確認しているのです。
このように志望動機については、ただ正直に答えるのではなく、相手の意図を理解した上で自分の求める結果を得るための作戦を練ることが大事です。
落ちる志望理由の共通点
志望動機は相手の意図を理解したうえで作成することが大事だと書きました。
ここでは、それを前提に面接官に良い印象を与えない志望理由を紹介しましょう。実はこれらの志望動機には共通点があります。それが何か考えてみてください。
- たくさん勉強できると聞いて・・・
- 御社の商品のファンなので・・・
- 環境を変えたくて・・・
- 給料が良かったので・・・
- 有休取得率が高かったので・・・
- 残業が少ないと聞いたので・・・
- 福利厚生が充実しているので・・・
明らかに良くないとわかるものも、なんでこれがだめなのか?という物もあったかもしれませんが、これらの志望動機には共通点があります。
それは「自分視点」だということです。
例えるなら商品を売ろうとする時に、「この商品は~」と商品を主語にして情報を伝えている状態です。
つまり「私はこうです」「私はこう思います」と、一方的なメッセージになっているのです。これが選考に通りにくい志望理由に共通する問題点です。
相手目線を加えるとメッセージが届く
では志望動機ではどのようにメッセージを変更したらいいのでしょうか。
それは相手目線のメッセージに変更することです。
相手目線のメッセージにすることで、自分ごととして受け取ってもらうことができるのです。
そもそも人は自分の聞きたいことや、自分に得になる話しか関心を持って聞きません。
たとえば、
「このノートパソコンは重量700gの世界最軽量モデルです」
というのはこちら目線の情報です。売り手が「ね、すごいでしょ?」といったとしても、相手に取っては「だからそれがなんなの、自分には関係ない」と思われたら興味を持ってもらえません。
しかし、
「このノートパソコンは700gで世界最軽量なので、1日持ち運んでも疲れません」
だったら印象が変わります。
自分使うシーンをイメージしやすいですし、PCが重いことで日常的に困っている人なら購入してくれるかもしれません。それが自分の抱えている問題を解決してくれるからです。
実は転職の際の志望動機も、自分という商品を「採用してください!」と売り込んでいるのと同じなのです。
だから相手目線で、この人を採用する価値がある、少なくとも選考を進める価値があると相手の時間や労力で自分を買ってもらう必要があるのです。
「広告の手法」を使えば受かる志望理由になる
この考え方や手法は、「セールスコピーライティング」と呼ばれます。
アメリカでは通信販売の歴史とともに発展し、Webでのショッピングが一般的になった今も活用されている手法で、「人を動かす文章術」とも言われます。
広告は、単に情報を伝える事が目的ではありません。広告を見た人を動かして、商品を購入するという最終的な成果を生む必要があります。そのため人の心の反応を利用したり、心理的な仕掛けをたくさん使います。
転職の志望理由を作成する時には、そのなかでも最も基本的ポイントを押さえることが重要です。それはつまり、「自分にできる事と相手が欲しがっていることを洗い出し、重なる点について書く」という事です。
実際の手順を見ていきましょう。
1. まず自分(商品)の特徴を知る
まず、商品の特徴を洗い出していきます。
先ほどのノートパソコンの場合なら、「世界最軽量の700g」という点が特徴の1つです。
他に、
- 100回落としても壊れないくらい頑丈
- 1回フル充電したら12時間利用できる
なども特徴としてあるかもしれません。
志望時の場合は、同じようにあなたのこれまでの経験や実績、特徴を洗い出します。
これまでの業務の経験や資格
得意なこと、好きなこと
描いているキャリアプラン(こうなっていきたい
- 実績(売上、企画、仕組みづくり
- 性格(前向き、計画的、努力型など
たとえば、
- 販売員を3年間正社員でやってきた
- 接客に使うために英語と中国語の資格を取得
- 個人よりチームが好き
- 店の売上を上げる企画を立案し達成に導く
- 計画を立てて努力できる性格
- お店のFacebook広告を管理
- 将来は独立して自分で店を持ちたい
これらをリストアップしていきます。
2. 相手(ターゲット)を知る
次に応募先企業が求めている人材について調べていきます。
求人情報の内容が基本になりますが、企業の規模や事業内容、市場状況から導き出される課題もあるでしょう。
ノートパソコンの場合なら、
- 出張が多いので持ち歩く時に辛い
- バッテリーが持たないので困る
- 見た目がかっこよくない
ターゲットがこのように考えていたと、さまざまな情報からリサーチできたとします。
これを企業の条件に当てはめると、
- 運用型広告に携わった経験
- インターネット、広告、マーケティングに関わる経験
- 個人でなくチームで成果を上げる事を重視
- 売上にコミットできる、数字を追った経験がある
- 業界が人不足なので長く働いてくれる人がいい
このようなことが考えられます。
3. 重複する所をしっかりと書く
最後に大事なのは、「何を書いて何を書かないのか」を決めることです。
先ほど洗い出した2種類の要素を並べて、重なるところ・結び付けられそうな所を探します。
例えば、パソコンの場合は、
パソコンのスペック | お客様が求めること・解決したい問題 |
・100回落としても壊れないくらい頑丈 ・1回フル充電したら12時間利用できる ・世界最軽量の700g |
・出張が多いので持ち歩く時に重くて辛い ・バッテリーが持たないので困る ・見た目がかっこよくない |
この部分が重なりそうです。
逆に「パソコンが頑丈である事」はこのお客様にとっては重要でないため、アピールする必要がありません。
例えそれが商品の一番の売りだとしても、お客様の関心がない要素なら不要なのです。
志望動機の場合も同様に考えます。
自分の実績・経験・アピールしたいこと | 企業が求めていること |
・接客に使うために英語と中国語の資格を取得 ・販売員を3年間正社員でやってきた ・個人よりチームが好き ・店の売上を上げる企画を立案し達成に導く ・計画を立てて努力できる性格 ・お店のFacebook広告を管理 ・将来は独立して自分で店を持ちたい |
・運用型広告に携わった経験 ・インターネット、広告、マーケティングに関わる経験 ・個人でなくチームで成果を上げる事を重視 ・売上にコミットできる、数字を追った経験がある ・業界が人不足なので長く働いてくれる人がいい ・会社の成長に貢献できる人材が欲しい |
この部分が重なると考えられます。あくまで相手の欲求と重なる部分が伝えるべきことです。
このように、志望動機を書くにあたって相手の情報が必要になるので、事前のリサーチが必要です。そこを間違えたら、メッセージの内容がずれてしまいます。
採用側としても、自社の求める内容に合わせて志望動機を書いてきた応募者は、応募にあたり会社や業界の勉強をしっかりしている本気度の高い志望者だと認識してくれるでしょう。
4. 最も重要な条件は外さない
この方法なら、自分の体験やスキルを基に志望動機を作成することになるので、他の応募者とは違うオリジナルの志望動機になり、かつ企業の求めている人材としてのアピールができます。
注意するべきは、企業の人材に求める条件にも優先順位があるという事です。
企業としては「まあ、あった方がいいかな」と思って設定した条件について、全力でアピールしてもあまり効果的ではありません。
企業が最も重要視しているポイントは何かを考えて、できる限りポイントにそって自分の良さ、企業にもたらせるメリットについて書きましょう。
5. 相手にとって読みやすく書く
「コピーライティング」というと文章術のように思われがちですが、実はその文章がどのように読まれるか、読んでいる人のシチュエーションによって書き方を変えるのも、コピーライティングの一種です。
1日に何十枚もの履歴書を裁いている多忙な人事担当者ならば、端的に印象に残るように志望時を書いたほうがいいかもしれませんし、専門職の採用などで1人1人の履歴書を丹念にチェックしているなら、丁寧に自分のことを書いたほうがいいかもしれません。
これは企業規模や職種によって変わりますが、相手の目線で読んでいる状況まで考えル事が大切なのです。
志望理由で絶対にやってはいけないこと
実はコピーライティングには絶対にやってはいけないことがあります。
それは「出来ないことを書く」ということです。
商品を売るときに、本当はやせる効果なんてないのに売るために「1日で3キロやせる!」などと書いてしまったら詐欺になりますよね。
同じように、転職の際の志望理由でも出来ないことを書いたりウソの実績を書いたりしてはいけません。
ただ、実際に志望動機を作成した時に、「もっとこんなことが言えたら」と思う事があったら実現できるか考えてみましょう。
例えば、「英語が話せる」というスキルをもっとアピールしたいと思ったら、客観的な評価としてTOEICなどのスコアを取得することで信頼性が増します。
現在の業務でもっと実績を作ったほうがよさそうと思ったら、転職時期をずらしていったん実績作りに集中するなども効果的です。
相手目線になれば内容も伝え方も変わる
転職の際にコピーライティングを使うことで、魅力が100%伝わる志望動機を作成する方法をご紹介しました。
相手の立場に立って、欲しい情報を与えるのはビジネスの基本です。
しかし、転職の際には多くの人が自分のやりたいことを中心にした自分本位なメッセージを発信しがちです。
だからこそしっかりできていれば目立ちますし、ビジネスに必要なコミュニケーション能力もあると評価されます。さらには、自分の経験から作成するので、転職サイトの回答例をコピーしただけの志望動機とは差別化が可能です。
コピーライティングの力であなたの魅力が100%伝わり、あなたが働きたい会社で働ける手助けになれば嬉しいです!