大人になると体感時間が短くなるのはなぜ?ジャネーの法則を解説
小学校の頃の6年は長く感じたのに、20歳を超えて社会人になってからの10年はあっという間だと思いませんか。
30歳を超えてからは「この間年が明けたと思ったのにもう6月!?」「ついこの間生まれた友人の子どもがもう中学生!」など、時間が過ぎる早さが明らかに昔とは違うように感じます。
多くの人が共通して感じているこの感覚を説明するものとして、「ジャネーの法則」があります。この記事ではジャネーの法則について解説していきます。
ジャネーの法則とは?
ジャネーの法則とは「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」という考え方で、19世紀フランスの哲学者、ポール・ジャネが発案した法則です。
つまり年を取るにつれて自分の人生における「1年」の比率が小さくなるため、体感として1年が短く、時間が早く過ぎると感じられるようになるというのです。
例えば1歳の時に感じた1年を1/1とすると、2歳の時の1年は1/2となり、1歳の時の2倍速く感じるようになります。
5歳の時は1/5で1歳の時の5倍、10歳の時は1/10と分母である年齢が大きくなるごとに、人生のうちにその1年が占めた割合が少なくなり、体感として時間が短くなったように感じるのです。
人生の半分は10歳の時?20歳の時?
ジャネーノ法則を使う時に「体感での人生の半分」を何歳の時にするかについては、10歳前後とする場合と、20歳前後とする場合があるようです。
これは生まれたばかりで記憶がない1歳2歳の頃を含めるかどうかによって違うようです。
人生を90歳としたときに、
- 1歳の頃を含めて純粋に計算すると10歳前後
- 記憶がある3歳前後から計算すると20歳前後
で「体感的な人生の半分」が訪れると考えられます。
人生の体感時間を伸ばす方法
これを読んでいる人の多くが、体感ではすでに人生の半分を終わっているのではないでしょうか。
自分の人生はあと、3分のくらい残っていると思っていたのに、実際には半分も残っていないかもしれないと思うと、少し焦る気持ちもわいてきますよね。
ここでは、人生を長く感じる方法についてご紹介します。
新しい経験をする
子どものころは、毎日学校に行き、生きているだけで新しい発見や学びがあるものですが、大人になるとすでに知っていること・ものの中で過ごす時間が増えます。
同じことを繰り返す生活に脳が慣れると、「特に新しいことがない1日だった」として記憶にも残らず、あっという間に時が過ぎたという感覚になってしまいやすいのです。
子どもの頃のようにさまざまなことに興味を持ち、新しい経験をしていれば、思い出や経験の詰まった毎日を過ごせ時間を長く感じることができるのです。
ストレスを感じるチャレンジをする
楽しい時間と辛い時間だと、同じ時間でもつらい時間の方が長く感じますよね。
「別につらい時間なら長く感じなくていい」と思うかもしれませんが、経験したことがないことに挑戦して試行錯誤する経験も時間を長く感じさせます。
例えば10年安定して勤めた会社を辞めて、チャレンジするために新しい会社に入ったという場合を考えましょう。
入社して何もわからないところから試行錯誤し、ようやく1年経った時には、前職10年分以上の密度の時間を過ごせたと感じることがあります。
このようにチャレンジによる適度のストレスも人生を長く感じさせると共に、充実させるために必要なのです。
人生の時間を無駄にしないように
ジャネーの法則は「年を取るほど体感時間が短くなる」という現象を説明するための1つの考え方です。
必ずしも全員がこの法則にのっとった時間の感じ方をしているとは限りません。
しかし実際に時間が早く過ぎると感じるようになった人は、同じことを繰り返す日常になっていないか、学ぶことを忘れていないかなど自分の時間の使い方を見直してみるといいでしょう。
新しい刺激や変化を取り入れることで、毎日をより充実したものにできるでしょう。