【編集プロダクションで働きたい】こんな人は向いている5選
フリーライターや編集者、作家として活躍している人の中には、編集プロダクション出身の方が意外といます。
出版社に就職するよりもハードルは低く、出版業界で働いてみたいという方のキャリアの第一歩として、注目されています。
自分がイチから関わった作品が形になることは滅多に味わうことができない貴重な経験です。
企画力と編集のスキルがあれば、出版業界で生き残っていけますし、紙媒体やweb媒体の両方にも対応できます。文章が好き、文字が好きという方にもおすすめしたい職業です。
この記事では編集プロダクションで働くことに興味がある方に、仕事の内容から向いている特性、メリット・デメリットなどをお伝えします。
目次
編集プロダクションは本や雑誌を作っている
編集プロダクションは、本や雑誌、webメディアを作っていますが、出版社や版元の下請業務を行っています。
出版社から制作のお願いをされるケースだけではなく、自分たちが企画を立てて出版社に提案することも多いです。
編集プロダクションの仕事の内容
企画構成から取材・執筆・編集・校正などを行い、印刷所に入稿し、出版社に納品となります。
取材だけ、執筆だけ、編集だけという形で一部だけをお願いされることもあります。
出版社と編集プロダクションの仕事は変わらない
出版社は本や雑誌などに、出版権や版権という、複製することや販売する権利を持ちます。
編集プロダクションはあくまで下請業務になりますので、このような権利を持ちませんが、仕事には全く変わりはありません。
企画や編集を出版社に代わって行うため、自分で組み立てなければならない分、やりがいは大きいです。
市場環境はあまりよくない
テレビや映画では華やかに描かれることもある出版業界ですが、市場環境はあまりいいとはいえません。
電子コミックの市場規模は伸びていますが、年々、書籍・雑誌の市場規模は落ちています。
本や雑誌が売れなくなったといわれていますが、全てなくなるということはありません。
買う動機となる企画力が肝になりますので、出版社に代わって企画を行う編集プロダクションは重要になってきます。
2019年出版市場規模(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所 2020年発表)
編集プロダクションの仕事に向いている人5選
編集プロダクションに入ってやりがいを感じられる人は、この仕事に向いていると思うはずです。
ここではそんな、やりがいを感じられる人の特徴を5つご紹介しています。
ご自分の行動や性格と比較し、ぜひ選ぶうえでの参考にしてみてください。
1. 企画力がある人
編集者は企画の立案をまずは行わなければなりません。
テーマに合わせた企画を立案し、通れば取材に進むことができます。
企画力は何かをするとスキルが上がってくるわけではなく、今売れている商品を自分なりに分析し、次に何が来るかを予測しなければなりません。
「流行っているものに敏感・興味がある」人が企画を提案できている傾向があります。
休日を使って情報収集をする人もいます。
自分の企画が通らなくても、他の人の企画を担当するということもあります。
2. コミュニケーション能力が高い人
編集という仕事柄、業務も多岐に渡り、いろいろな人と接点が出てきます。
取材では、はじめての人とうまくコミュニケーションを取り、必要なことを聞き出さないといけません。
緊張している相手、気難しい人、見守っているマネージャーやスタッフがいる張り詰めた中で、話ができる空間を作っていくのも編集の役割です。
撮影の時も、モデル、カメラマン、照明、ヘアメイク、スタイリスト、スタッフという人たちをスケジュール通りにうまく動いてもらえるのも、編集のコミュニケーション能力が重要になります。
3. マルチタスクやスケジュール管理が得意な人
編集プロダクションの仕事の内容は、企画構成→取材→執筆→編集→校正→入稿という説明をしましたが、順番に行うわけではありません。
次の号の分やその次の号の分の雑誌の企画が同時に進んでいますし、1号で1つの企画を受け持つというわけではなく、複数の企画を受け持つことが多いです。
何号のどの企画が終わっているか、どの企画が進んでいないか、この企画で調整しなければならないことはなにか、など常に把握していなければなりません。
マルチタスクでも進行状態を把握できるような管理能力やスケジュール管理が必要になってきます。
このような管理能力は実務経験を積むことで自然と身に付くことでもあります。
4. 文章や文字が好きな人
編集の仕事として、原稿を書くことも多いです。
文章を読んだり書いたりすることが好きな人、文字に接していることが多い人の方が、うまく書いている場合もあります。
普段からこの表現を素敵だなとか、いい文章だなと、自然に感じていたりしますので、読者としてのいい文章のイメージができていることが強いです。
5. 好奇心旺盛な人
企画を立てるのも編集者ですので、常に情報をチェックし、おもしろそうなことをインプットしていく必要があります。
業務中は時間に追われることも多く、プライベートな時間を使って情報収集している人も多いです。
「プライベートで出かけたところ」「友人と話している」「本屋に寄ってみる」など1つ1つの行動が情報収集に繋がっていますので、いろいろなところに出かけて、ネタを拾ってくるフットワークの軽さとアンテナの敏感さも必要になってきます。
編集プロダクションに入るには経験は必要ない
経験は強みになりますが編集者には必要な資格やスキルはありません。
上で紹介した5選の他、パソコンを使う時間も多いので、パソコンのある程度の基本知識があるといいと思います。
編集プロダクションは、アルバイトをそのまま正社員に採用することもありますし、自分の頑張り次第で力を付けることができる環境です。
ある会社では、未経験でアルバイトからの入社で10年後にその会社の役員になったという方もいました。
平均給与は月給15~18万円
編集プロダクションの平均給料は月給15万円~18万円程度と言われていて、出版社と比べると低いです。
また、労働時間も長く、全て残業代が支払われるわけではなく、休日出勤も多いです。
勤務条件が悪く給料も安く、福利厚生も安定していない実情がいわれます。
編集プロダクションで働くメリット、デメリット
編集プロダクションで働くには、やりがいというメリットと、体力面でのデメリットがあります。
入ってから後悔しないためにも、ここでしっかりと把握しておきましょう。
裁量を持って仕事ができる.
大きなメリットとしては、自分が考えた企画が形になって、いろいろな人に見てもらえるという点が大きいです。
名前が知られている出版社で社員として働くのは狭き門になりますが、編集プロダクションで働くことで出版業界のキャリアを築くことができます。
企画によって多岐なジャンルに関わることができて、普段会うことができない業種の方と接することができます。
ライティング能力も身に付きます。
比較的、新人でも裁量を持って仕事を任せられますので、早いうちに編集スキルを身に付けることができます。
デメリットは仕事量が多いこと
1人あたりの仕事量も多く、残業も多いので、プライベートが重要だと考える方にはおすすめしません。
昼夜逆転するようなこともあるので寝不足になってしまうこともあります。
若いうちは体力でカバーできますが、年齢を重ねてくるときつくなるかもしれません。
その後のキャリアのために文章力を高めましょう
編集プロダクションでの仕事は、転職の際には意外とつぶしが利きません。
出版界で転職したり、フリーライターやフリーの編集になったり、自分で編集プロダクションを作って独立する人も多いです。
レアケースとして、一般企業に転職して広報誌を作ったり、作家になったり、出版社で働く人もいます。
文章力は経験を積むことで身に付きますので、その後のキャリアのために文章力を高めていきましょう。
編集プロダクションの求人の選び方
正社員募集がほとんどですが、契約社員で募集の場合もあります。
編集者か編集アシスタントの職種があります。
アシスタントから編集者になる場合もありますが、アシスタントは雑用ばかりになります。
会社の業態は、株式会社や有限会社、合同会社などがありますが、どっちが上ということはありません。
ハードワークで、寝るために家に帰り、次の日も早いということもありますので、家からは近い方がいいです。
まとめ
このように見ていくと、編集プロダクションの勤務条件や給料はあまり恵まれているとは言えないようです。
しかし、自分が作った書籍がお店に並んだり、制作した記事を人に読んでもらえるのは、非常にかけがえのないことで、やりがいを感じられる仕事でしょう。
また、文章を書く力を身に付けることで、出版界での転職、フリーライターやフリーの編集者などのキャリアを築けたり、最終的には自分で編集プロダクションを作って独立することも可能です。
文章が好き・文字好きな方は、長期的なキャリアを考えた上で、好きを仕事にできる編集プロダクションへの就職を考えてみるのもいいと思います。
好きが大きな武器になるお仕事です。ぜひ挑戦してみてくださいね。