金利とは?大人なら知っておくべき利子・利息・利回りの意味も解説
金利や利子、利息、利回りという言葉はビジネスの世界でも日常生活でもよく耳にします。しかしこれらの言葉の意味を理解して使い分けている人はそれほど多くないようです。
この記事では、金利について、また同様によく使われる利子・利息・利回りという言葉について解説します。
金利・利子・利息・利回りの意味
金利とは
金利とは、銀行預金や貸付に対する利子の割合を指します。
例えば銀行のカードローンのページに、「金利 年4.0%~14.5%」という表記があったとします。
これはお金を借りたら返す時には、1年に換算して4.0%~14.5%の金額を上乗せして返す契約だということです。
例えば金利12%で100万円を借りた場合、
100万円×12%=12万円
となるので1年後に一括返済するなら112万円を返すことになります。
利子とは
利子とは、貸し付けを受けた側が返済する際の金額から、借りた元金を引いた金額です。
100万円を金利12%で借りて1年後に返済する上記の例だと、
112万円-100万円(元金)=12万円
12万円が利子となります。
また借りた日から元金に対して利子が発生する契約の場合、1か月後にはすでに1万円の利子が発生します。
この場合「毎月1万円返済」ではいつまでたっても利子分の支払いにしかならず、元金が減らないため返済が終わらないことがわかります。
利息とは
利息はお金を貸した側が、返済の際に元本にプラスして受け取る金額のことをさします。
つまり上記の12万円は、返済する方からは利子と呼びますが、返済を受ける方にとっては利息となるのです。
このように「利子」と「利息」は同じものが立場によって呼び方が代わるものと覚えておくと良いでしょう。
・利子…借りた側が、返済時に元本に追加して支払うお金
・利息…貸した側が、返済時に元本に追加して受け取るお金
利回りとは
利回りとは投資額に対する利益の割合を示したものです。
投資した金額が1年でどれくらいの割合増えるか(増えたか)を示すもので、「年利」と指定、あるいは何も指定がない場合は一般的に1年単位での利回りを指します。
100万円を投資し1年後にその価値が112万円になっていた場合、利回りは12%です。
知っておくべき関連用語
政策金利
政策金利とは、景気や物価の安定など金融政策上の目的を達成するために、中央銀行(日本の場合は日本銀行)が設定する金利のことです。
政策金利は、金融機関の預金金利や貸出金利などに影響するため、一般的に以下のように設定されます。
・好景気の時
物価が上昇するのを抑えたいので、政策金利を引き上げて市場に出ているお金の量を減らして経済の過熱を抑える。
・不景気の時
物価が下がるのを支えたいので、政策金利を引き下げてお金の流通量を増やし経済を活性化させようとする。
固定金利・変動金利
固定金利・変動金利は家のローンなどを組むときに理解が必要になる言葉です。
固定金利とは、あらかじめ決められた期間において金利が固定できるローンです。
ローンを支払う期間中、景気の変動などによって金利が上昇しても返済額は当初の予定から変わりません。
金利が変わらないので、生活の計画が立てやすく安心感がありますが、もう一方の変動金利より一般的に金利は高めに設定されます。
変動金利とは、返済期間中、定期的に金利が見直されるタイプのローンです。
返済額が変わるリスクの分、一般的には金利が低く設定されます。
金利が上昇しなければずっと低金利のまま返済を続けられますし、金利が上がるとなっても繰り上げ返済などで早く返済を終えられればさらに返済額は少なくできます。
ただし、金利が上昇した場合には返済額も上昇するので、生活の計画を立て直す必要が出てくる場合があります。
利息制限法
借金の利息や遅延損害金については「利息制限法」という法律で制限されています。
利息制限法では、利息については以下の制限があります(利息制限法第1条)。
元本額が10万円未満 → 年20パーセントまで
元本額が100万円未満 → 年18パーセントまで
元本額が100万円以上 → 年15パーセントまで
つまり、これを超える利息を規定している業者は違法な業者だということです。
またこの時の「利息」については、名目を問わずに利息とされます。請求の名目が「手数料」となっていても利息制限法が適用されます。
この制限利率を超える利息や遅延損害金の契約については、その制限超過部分は無効になりますので、最終的には制限内の利息だけ支払うことになります。
すでに支払った分についても元金に充てられたものとして計算をし直し、場合によっては過払い金の返還を求めることができます。
ただし、そもそもこのようなトラブルに巻き込まれないように、やむを得ず借金をする時にはその契約内容をしっかり理解するようにしましょう。
お金を正しく管理するために言葉を理解しよう
ライフイベントの中で車や家を購入するためにローンを組んだり、投資を行ったりすることがあります。
営業マンのトークで、
「1か月に〇万円ずつ返せばいいのだから余裕ですよ」
「〇年でいくらになって返ってきます」
というような説明を受けるかもしれません。
そんな時に、これらの言葉を正しく理解しておけば自分で情報を収集したり、質問をしたりすることができます。
自分の財産を人任せにしないためにも、基礎的な用語はしっかり理解しておきましょう。