ベネフィットとは?マーケティングで重要な理由とメリットとの違いを理解しよう
ビジネスやマーケティングの現場で、「ベネフィット」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかしベネフィットの正しい意味を理解している人は少なく、「メリットとどう違うの?」と思っていたり、混同して使っていたりする人も多いのが現実です。
実はベネフィットの考え方が間違っていると、マーケティングやPRを行う時に戦略を間違えたり、ターゲットに対して商品の魅力が伝わらなかったりという問題が起きる可能性があります。
この記事では、ベネフィットという言葉の正しい意味を具体的な例からわかりやすく明らかにし、さらにメリットとの違いやベネフィットの種類についても解説します。
この記事を読めば、ベネフィットの正しい意味を理解できるだけでなく、正しく商品・サービスのベネフィットを見定められることでマーケティング・PRの施策でも成果が出せるようになるでしょう。
目次
「ベネフィット」の意味
ベネフィット(Benefit)とは、英語で「利益」「恩恵」「便益」などの意味です。
マーケティングにおいては、簡単に説明すると「顧客が商品から得られる良い効果」を指します。
有名な例では、ドリルとドリルによって空けられる穴の関係が上げられます。
ホームセンターでドリルが売れる時、人が本当に欲しいのは「ドリル」という機械自体ではなく、その機械を使って開けられる穴だということです。
このように人は、商品やサービスを購入する際、商品そのものではなく「その商品を使うことでもたらされる利益や未来」を購入しています。
ユーザーは「求める未来が得られる」と感じた時に、感情を刺激され、購買意欲を掻き立てられて行動を起こすのです。
ベネフィットの例
商品の特徴 | ベネフィット |
車内空間が広い自動車 | ・大勢でのびのび出かけられる ・家族全員の楽しい思い出が作れる |
美肌サプリメント | ・化粧ノリが良くなる ・自分に自信が持てる ・異性にモテるかもしれない |
託児サービス | ・自由時間ができる ・家族仲が良くなる |
新素材のゴルフクラブ | ・飛距離が伸びる ・ゴルフ仲間に褒められる |
高級腕時計 | ・自分に自信が持てる ・人に自慢できる |
現代はどんな商品・サービスにも類似品や競合品が数多くあります。
そんな中で他社との差別化をはかり自社製品を選んでもらうためにも、自社製品に求められているベネフィットを正しく把握し、アピールしていくことが大切なのです。
ベネフィットとメリットの違い
よくベネフィットと混同されるのが、メリットです。
この2つには以下のような違いがあるとされます。
ベネッフィット:その商品の利点によって受けられる体験
上の例でいうと、
メリット
・車内空間が広い
ベネフィット
・大勢でのびのび出かけられる
・家族全員の楽しい思い出が作れる
メリットを伝えることも重要ですが、最初に説明したように、ユーザーにとっては商品メリットそのものよりも、それを利用することでどのような良い未来を得られるのかが重要です。
メリットをそのまま伝えるのではなく、それがベネフィットを実現するためにどのように効果的なのかをしっかりと伝える必要があります。
ベネフィットには2種類ある
ベネフィットには、大きく分けて2つの種類があります。
機能的ベネフィット(フォンクショナル・ベネフィット)
その商品やサービスが持っている基本的な価値とそれに付随する機能、便利さ、効率さなどです。
上の例では、
- 大勢でのびのび出かけられる
- 化粧ノリが良くなる
- 自由時間ができる
- 飛距離が伸びる
などが機能的ベネフィットとして挙げられます。
情緒的ベネフィット(エモーショナル・ベネフィット)
その商品やサービスの機能が満たしてくれる感情(名誉、優越感、幸福感、安心感、権力など)のことです。
上の例では、
- 家族全員の楽しい思い出が作れる
- 自分に自信が持てる
- 異性にモテるかもしれない
- 家族仲が良くなる
- ゴルフ仲間に褒められる
- 人に自慢できる
などが情緒的ベネフィットと考えられます。
顧客は「自分の中にあるベネフィット」を購入しにきています。
1つの商品やサービスを販売する場合でも、顧客のベネフィットにあったアピールを行うことが売上アップにつながります。
顧客が本当に欲しがっているものを理解しよう
商品やサービスを販売しようとする方は、どうしても商品・サービスの優れた部分、力を入れて開発した部分などにこだわりをもって、アピールしがちです。
しかし、顧客が本当に欲しがっているものが商品・サービスから得られる未来・体験であることを考えると、実際に商品・サービスの優れた点は顧客にとって「最も重要なポイントではない」のです。
顧客が商品・サービスを通して何を欲しがっているのかを理解すれば、同じ商品でも打ち出し方が変わったり、商品・サービス自体の改良にもつながります。
自分目線ではなく顧客目線で、顧客が本当に求めていること=ベネフィットを考えてみましょう。