入社した時には能力に大差なく同じような業務をしていたのに、なぜか数年後には大きな差が生まれている…ビジネスの世界ではよくある話です。
もちろん人によって素質は違いますし、1人ひとり出会う人や環境が違うことも成長スピードには影響します。
しかしビジネスの世界で早く成長している人は、「インプット」と「アウトプット」の量と質が他の人と違うことが多いです。
今回は、社会人としてスキルアップするために重要な「インプット」「アウトプット」について、意味から効果的な方法まで解説します。
目次
インプットとは情報や知識を新たに吸収する
「インプット」は「入力」という意味です。つまり情報や知識を新たに吸収することです。
学生時代の勉強で言うと、授業を受けたり教科書や参考書を読んだりして自分の中に知識を入れるのがインプットでした。
社会人になってからも、研修を受けて仕事について学んだり、業務の知識を身につけるために関連する書籍を読んだりする行動がインプットにあたります。
またそのような座学だけでなく、仕事の現場でする「新しい経験」もインプットです。顧客と接し、商品やサービスを営業・販売し、学生時代には接することがなかったような幅広い人との関わるなど、新たな経験を通して多くのことを学び吸収できます。
特に読書は、自分より優れた人や困難を乗り越えた人の思考・行動を追体験でき、非常に価値のあるインプットだと言えます。
アウトプットは知識や情報を外に出すこと
「アウトプット」は「出力」という意味です。これは知識や情報を外に出すことです。
学生時代の勉強で言うと、学んだことを活かして試験を解く・レポートを作成するなどがアウトプットにあたります。また、自分が学んだことを友人に教えてあげることもアウトプットです。
ビジネスの世界では、自分が理解しているだけでは価値を生むことが出来ず、評価を得られません。
学んだこと、経験、身につけたスキルを使って、売上や仕組みづくり、人材育成などビジネスの結果を出す必要があります。
仕事に慣れるとインプットの機会は減っていく
社会人になると、最初は仕事のために学ぶことが多くインプットに忙しくなります。
しかし実は、ある程度仕事ができるようになるとインプットの機会は減っていきます。
それは自分の持っているスキルや経験で業務が回せてしまうからです。
この時、インプットの機会が減ってきていることに気づいて自分から行動しないと、新しい情報を持たない、ビジネスマンとしてバージョンアップできない古い人間になってしまいます。
日本は海外諸国と比較して一度就職してから学校に戻って学びなおすことが少ない国です。
下手をすると、大学を出てから40年以上の人生を、それまでの知識をアップデートしないまま過ごすことすら出来てしまいます。
現代の市場や世界の変化スピードはどんどん速くなっていますから、今後はこのような姿勢でビジネスやキャリアにおける成功を得ることは不可能です。
社会人になったら積極的に自分から情報を求め、時には人と会ったりイベントに行ったりなど良質なインプットの機会を自ら作り出すことが必要なのです。
アウトプットの重要性は高まっている
一方、学生時代と比較してアウトプットの重要性は増します。
学生時代はインプットを頑張り、それを試験などで個人の力としてアウトプットすれば評価されました。
しかし、ビジネスでは自分1人の力で動かせることは限られており、自分が動くとともに、多くの人に考えを伝え、正しく理解してもらい動いてもらう必要があります。
アウトプットの機会も増えます。営業に行き提案をしたり、プレゼンテーションをしたりするのもアウトプットですし、そのための資料作成もアウトプットです。
また日々の業務の中で、社内の人とやり取りするメッセージの1つをとってもアウトプットなのです。ブログやオウンドメディアを運営する場合は、業務に関する情報を記事として作成する必要も出てきます。
このように、現代はビジネスの成果や評価に直結するものとして、アウトプットの機会も重要性も大きくなっています。
質の高いインプット・アウトプットとは
ではそんな時代にどんなインプット・アウトプットを行うのが効果的なのでしょうか。
どんな経験からも学ぶ姿勢を持つ
同じ経験をした、同じ状況に置かれた新卒社員に数年で大きな差が出る理由は、同じ状況にいるように見えてもそこから学んでいる量が違うからです。
例えば営業として難しい顧客を担当した時、1人は相手を怒らせないように顧客の言いなりになり、その場その場をやり過ごしました。
その担当が終わった時はほっとして、また新しい顧客を担当するだけでした。
しかし別の1人は、どうしてそんな要望をされるのか、相手が何を考えているのか、どうしたら困難な状況を打開できるのかを考え、周りの人に相談しアドバイスを実行して、何とか価値を提供しようと考えました。
力が及ばず担当を外れることになっても、その顧客から学んだことを次の顧客の対応に活かし、どんどん営業マンとしての経験やスキルを上げていきました。
このように一見同じ状況でも、実際にその人が学べることには大きな差が出ます。
どんなことからも何かを得ようとする気持ちを持つだけで、日々の業務から大きなインプットが得られるのです。
自分がするなら・もう一度やるならと考える
成功した経験だけでなく、上手くいかなかったことも大きなインプットになります。
上手くいかなかった理由、もう一度やるとしたらどこを変えれば成功できるかと考えれば良いのです。
自分が経験したことは、思考だけでなく行動ベースで想像しやすく印象にも残りやすいものです。
失敗だとしても、アウトプットにつながりやすい良質なインプットをするチャンスだと言えるのです。
信頼できる情報をインプットする
インプットをするといっても、どんな情報でもいいわけではありません。
今はインターネット上にさまざまな情報があふれているので、その情報自体の信頼性や自分や業務に役立つ情報かどうか判別が必要です。
情報の見つけ方としては、自分の尊敬する人や目標とする人の勧める書籍や情報をインプットするのが1つの判断材料になります。
特に同じ業界でトップに立つような人が読んでいる本は、その人の思考を表すものとして自分に足りないもの、成功者との違いをわからせてくれます。
学んだことをすぐにアウトプットする
人は何かを学んだ時、
20分で42%
1時間で52%
24時間で67%
というスピードで内容を忘れてしまいます。
しかしインプットした知識をすぐにアウトプットすることで、知識を大幅に定着させることは可能なのです。
またすぐにアウトプットすることで、スムーズにアウトプットが出来ない、理解が足りない点にも気づけます。そんな時はもう一度学び直しましょう。
お勧めのアウトプット方法は、TwitterやFacebookなどのSNSなどで自分の考えをまとめて投稿することです。
気づいたことを少しのテキストにまとめて投稿するだけですので、作業負荷も少なくてすみます。
また、新入社員の時期は業務に関して学んだことは、マニュアルのようにまとめておくと翌年の新入社員に同じことを教える時に役立ちます。
フィードバックを素直に受け取る
アウトプットをすることで得られるメリットは、知識の定着や自分の考えがまとまるだけではありません。
アウトプットをすることで自分の知識や考え方を人に見てもらえるので、他人からフィードバックを得られるのです。
作成した資料や提案書に上司から指摘があったり、SNSにコメントをもらったりすることで間違いや理解の浅さにも気づけます。
もしかしたら、苦いフィードバックもあるかもしれませんが、感情ではなく言われている内容については素直に受けとめて改善を心掛けることで、さらにアウトプットの価値を上げることができるのです。
日々のインプット・アウトプットが成長に直結
インプットとアウトプットという言葉自体は知っていても、インプットは読書、アウトプットッはプレゼンテーションなど、限定されたイメージを持っている人も多いです。
しかし実際には、インプットもアウトプットも日々の業務の中で量や質を上げて行うことができます。
成功者の生き方・考え方を見ると、どんな環境からも吸収してすぐに実行する力が大きいです。そうしている内にどんどん知識が関連していき、ビジネスに対する視点も大きくなっていきます。
20代の早いうちから成長をしたいのであれば、インプットもアウトプットも自分から質と量を上げる工夫をして、日々の業務に取り組んでみましょう。