転職失敗事例から理由を学ぶ。失敗をキャリアの成功に変える方法も公開
転職活動を経て、晴れて新しい仕事を始める。希望に満ちた瞬間ではありますが、実際に働いてみると「失敗したかも」「転職しなきゃ良かった・・・」と思ってしまう人も多いようです。
そこで、この記事では多くの人が「転職に失敗した!」と思った瞬間を紹介すると共に、
・失敗しないためにどうするべきだったのか
・転職に失敗したらどうしたらいいのか
について解説していきます。
転職の先輩が「失敗した!」と思った事例
業務の内容が想像と違った
・以前からあこがれていた仕事だったが、実際に転職してみたら思っていたのと違った。
・デザイナーとして就職したのに、若いからという理由でごみ捨て、トイレ掃除など雑務の多くを担当させられ、本来のデザインの業務が少なかった。
・コツコツ作業系の仕事が好きで転職したのに、入社してみたら人と話す機会が多かった。本当に苦手なので毎日が苦痛。
・転職後すぐに、採用職種以外の業務を兼任することになってしまい断れなかった。
給与が下がってしまった・増えなかった
・頑張って年収アップしようと、評価が給与に反映されやすい別業界に転職したが、成果が上げられず給与がダウンしてしまった。
・やりがいを優先して転職したものの、収入が大きく下がりモチベーションまで大きく下がってしまった。
・なかなか転職先が決まらなかったので、内定をくれたところに飛びついてしまった。年収ダウンも仕方ないと諦めたけど、仕事もハードで働くうちに納得できなくなってきた。
自分の能力以上のところに入ってしまった
・入社してから頑張ろうと思って、現状の自分の能力以上の仕事に転職した。結果、仕事や周りの能力についていけず会社にいるのがつらくなってしまった。
・自分の能力を過信していた。自分はどこでも通用すると思っていたが、レベルの高い同僚に囲まれて自信を失ってしまった。
転職先の業績が悪化した
・転職してやりたい仕事についたものの、会社の経営状態が悪化。他の企業に吸収され業務内容も変更、給与も少なくなった。でも転職したばかりで辞められない。
・高い給与や安定をイメージして転職した業界だったが、転職した後に中高年のリストラが始まり安定を期待できなくなった。
考えていたより残業が多かった
・面接で聞いていたより明らかに残業が多い。会社に記録されている情報以外に、タイムカードを押した後などのサービス残業が多かったことに気づけなかった。
・定時が終わると社員がダラダラしだす。どうせサービス残業だからとお酒を飲み始める人までいた。無駄な残業による終電帰りが続き、意味がわからなくて2ヶ月で退職した。
社内の雰囲気が合わなかった
・成長している会社だったが、社風が合わなかった。ノルマ成績が壁に貼り出されていたり、朝礼で大声を出したりという体育会系のノリについていけなかった。
・転職したが、悪口陰口、派閥や足の引っ張り合いがある職場だとわかってきた。もっと前向きな職場で働きたかったと思う。
業務内容に興味・やりがいが感じられなかった
・転職活動が長引いて、手当たり次第に応募して内定が出た会社なので、正直業務自体に興味もやりがいも感じない。ただ転職の大変さを知っているから辞めるに辞められない状態になっている。
・働くうちに、この仕事を何十年も続けるのかと思うとつまらない人生に思えてきた。
前職の方がよかったと思ってしまう
・前職に嫌気がさして転職したものの、転職先でも不満を感じ「こんなことなら以前の職場の方が良かった」と後悔している。
・転職により年収はアップしたものの、業務時間が増えて時給に換算したら前職以下になっている。これなら、休みのことも考えて前職の方がバランスが良かったと思う。
キャリアップにつながらない
・前職がハードで、もっとゆっくり働きたいと転職した。給与ダウンながら落ち着いて働いているものの、新しい学びや成長はない職場で周りの人もそんな感じ。尊敬できる先輩もおらず、前職に残っている友人と比べると、自分のキャリアはこれでよかったのかと思う。
職場の人間関係が良くなかった
・女性も管理職で活躍している会社で、長く勤められそうと思い転職しました。しかしその人は完全にお局で、嫌がらせや陰口が多く、社歴が長いため社長すら口出しできない存在でした。私とはそりが合わず大変な目にあいました。
・友人に誘われ転職したものの、その友人の評判が悪く「あいつが連れてきた」という点で人間関係がマイナススタートになってしまいました。
オフィスの環境が悪かった
・10年以上前の話ですが営業事務として転職したオフィスが、タバコ吸い放題でした。長く勤めるおじさんしかいない職場で、文句も言えず煙くて本当に苦しかったです。
「オフィスでタバコを吸わない」というのは常識だと思っていたので、事前に確認もしませんでした。
労働条件が違った
・前職を退職後に転職活動をしたので焦っていました。ようやく1社内定が出て前職と月給などの待遇が変わらなかったので入社したのですが、繁忙期は月に2回の土曜出社、ボーナスも入社した年からカットになり、結果的にかなり条件が悪くなってしまいました。
・入社後に確認したら、給与額がそれまでの情報と数万円違っていました。想定していた額と違うのは生活に影響するので辛いです。
・一定期間後に正社員登用の話があったので契約社員で入社したが、実際の手続きを聞くと思ったより時間がかかりそうで、入社してしまったことを後悔した。
軽率に動くと条件はさらに悪くなる
このように、転職に失敗したと感じる要素はたくさんあります。
しかし安易に転職を重ねないためにも、一度冷静になって頭を整理しましょう。
「すぐに転職!」となると同じ間違いを繰り返す可能性があります。
よほど市場価値の高い人材でもない限り、転職回数が多くなるほど次の転職が難しくなります。
多くの採用担当者が、20代30代で4回以上の転職回数がある人を「長く続かない人」と認識しているのが実態なので、貴重な回数を使って失敗するのはせいぜい1回にしておきましょう。
そのためにも、「どうして今回の転職が上手くいかなかったのか」について原因を分析して教訓にする必要があります。
また今の仕事もすぐにやめることはお勧めしません。
そこで吸収できること・次回以降の転職に役立つスキルや経験がないか、考えて次回以降の転職のために、その場でできることに取り組むことが重要です。
先輩たちの失敗の理由と対応方法
転職に失敗した理由の中には、入社してからでないとわからないこともあります。全ての理由に対して完ぺきに事前対応することは難しいでしょう。
しかしその中でも、次回の転職時に同じミスをしないよう事前対応できる方法を紹介します。
転職エージェントを使う
労働条件の事前確認については、個人では交渉が難しいこともあり、思っていたものと違ってもそのまま受け入れてしまうケースが多いでしょう。
しかしそれまでの条件と明らかに違いうとなると納得はできないですよね。
この点、間に転職エージェントのような第三者が入っていることで納得がいかないことについても相談が可能です。エージェントが入ることで事前に正確な条件を知れたり、先方と交渉してくれる場合もあります。
1人で労働条件について交渉・確認が難しい人は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
SNSやクチコミサイトなどで社風や雰囲気を調べる
社内の雰囲気や人間関係こそ、実際に入社してみないとわかりません。
しかし、今は転職に関するクチコミサイトもありますし、SNSで勤務先を公開している人もいます。そのような人の情報を追うことで、会社の雰囲気がつかめます。
また同じ会社でなくても、同業他社は似たような年齢層・社内の雰囲気を持っていることが多いです。他の会社の情報でもヒントになるでしょう。
目先の転職だけでなくキャリアプランを持つ
日本では転職すると、その先の会社に入社することになります。
大きい会社はジョブローテーションがあるかもしれませんし、小さい会社なら他の人の退社で違う業務を引きうけることもあります。
いずれの場合にもずっと希望の業務を行えるかどうかわかりません。会社によってそのあたりの考え方は違うので、入社後のキャリアプランも考える必要があります。
また転職先の会社のことだけを考えていると、業界自体が斜陽になって賃金が下がるなどの将来の可能性を考えられなくなります。ボーナスの支給実績などはあくまでもこれまでの参考であって、これからもずっと出続けるという訳ではありません。
提示されている給与が今より高いから、というだけでなく、どちらの業界が今後発展しそうかという視点でも考える必要があるでしょう。
転職に失敗した時に取りうる手段とは
すぐに再度転職する
これは、お勧めしません。
転職回数が多い、勤続期間が短いことは一般的に次回以降の転職の条件を悪くするため、安易に転職をくりかえすべきではありません。
職場の状況が悪すぎる、このままでは心身に影響が出るというようなよっぽどの場合のみに取る手段と考えてください。
転職エージェントに相談する
転職エージェントを通して転職したなら、今自分の思っていることを相談してみましょう。
自分にとっての転職は1回や2回ですが、多くの転職事例を扱ってきたエージェントなら、再び転職すべきなのか、今の職場で頑張るべきかなど客観的なアドバイスが得られるでしょう
転職エージェントを使わない転職だったとしても、次回の転職のためも含めて相談をしてみるといいでしょう。
ただ相手もビジネスですので、相手やケースによっては企業側やエージェントの利益になるよう誘導される可能性もあります。参考意見の1つとして受け止めましょう。
社内で配置換えを希望する
業務内容や人間関係がよほど問題だった場合には、配置換えを希望するという手段もあります。
違う場所であれば頑張れる可能性があるなら、転職するより異動する方が安全です。
ただし異動を希望するにも、相応の理由や今のポジションでの頑張りが求められる場合があります。客観的に見て自分の異動希望理由が正当なものか、再度確認してください。
次回の転職前提にスキルや経験の習得に努力する
将来的にキャリアアップしたいという考えがあるなら、この方法が一番安全でお勧めです。
すぐに転職するのではなく、将来もっと良い条件で転職するために、今の職場で働きながらスキルや経験を積むのです。
実際、入社後の辛さには新しい環境に対する違和感、新しく人間関係を構築する負担、たくさんのことを覚えるストレスなどのさまざまな要因があります。
これらは時間が経ったり、ちょっとしたきっかけで軽くなる可能性があるので、すぐに「失敗した」と決めつけてしまわない方がいいのです。
時間が経つと事態が好転することもありますし、しばらく続けることで、給与や待遇面が改善されることもあります。
そのように頑張りながらも、スキルや経験については「転職前提」「市場価値がが上がるか」という視点を持って働いていけば、転職に限らずキャリアアップしていけます。
同じ失敗を繰りかえさないことが大事
初めての転職の場合、どれだけ気を付けても上手くいかない事もあります。
大切なのは同じ失敗を繰りかえさないことと、失敗を失敗のままにしておかないことです。
今失敗だと思った転職が、今後の自分のキャリアにとって大事なことを気づかせてくれるきっかけになるかもしれません。
それに、とりあえず1回転職したことで、次回以降の展望もよりはっきり描けるようになるはずです。
100%理想通りの転職が出来る人などほとんどいません。
転職した先で自分の求めるキャリア実現のために行動することで、2回目3回目と望むキャリアに近づいていけるものなのです。