リスティング広告初心者がデータを見る時に気を付けたい2つのこと

リスティング広告,データ

運用を始めたばかりの人やWEB担当者になって、アカウントの管理画面を見られるけど、どこをどう見れば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、リスティング広告初心者がデータを見る際に注意すべき点をご紹介します。

リスティング バナー

1.検索広告とディスプレイ広告の違いがデータにも表れる

まず、リスティング広告は主に「検索広告」「ディスプレイ広告」に分類されます。

ご自身のアカウントで、「検索広告」と「ディスプレイ広告」どちらも配信している場合、データを同じように比較して、成果の良し悪しを判断してはいけません

何故なら、検索広告とディスプレイ広告は、広告の表示場所や掲載フォーマットはもちろんのこと、広告を見るユーザーの意識の違いが、クリック率やコンバージョン率等の成果の違いとしてデータに現れるからです。

実際に弊社で過去に運用していたアカウントの例を見てみましょう。

アカウントの例

ほぼ同じ広告費を使用していますが、表示回数・クリック数・コンバージョン数(CV数)が大きな差があります。

これは広告の表示形式による違いもありますが、検索広告とディスプレイ広告の違いによるものが大きいです。

検索広告とディスプレイ広告の違い

【検索広告】

  1. 特定の情報を検索しているユーザーに対して広告を配信
    ⇒ 自社商品に興味関心の高いユーザーに配信出来る
    クリック率やCV率がディスプレイ広告に比べて高くなる傾向にある
  2. クリック単価はキーワードによって様々だが、ディスプレイ広告に比べて高い

【ディスプレイ広告】

  1. 自社サイト以外のウェブサイトや動画を視聴しているユーザーに配信
    ⇒ 検索広告に比べて、興味関心が低い
    クリック率やCV率が検索広告に比べて低くなる傾向にある
  2. クリック単価は検索広告より安いことが多い

上記の通り、データを見る際は、それぞれの特徴を理解した上で、成果の判断をする必要があります。

また、GooglAdWordsでは、「検索広告」と「ディスプレイ広告」の両方配信出来るキャンペーンを作成することが出来ますが、「データの見やすさ」という観点からは、検索広告とディスプレイ広告のキャンペーンは分けて作成することをお勧めします。

2.成果改善目的でデータを見る時は要素を分解しよう

リスティング広告の改善をするには、まず要素ごとに「この数値は何で求められている数値なのか?」を分解して考えることが重要です。

例えば、コンバージョン率(CV率)は「コンバージョン数÷クリック数」で求められます。

コンバージョン率=コンバージョン数÷クリック数

CV数が減少すると、当然CV率も減少します。

CV率は変わらずとも、クリック数が減ればCV数は減少します。

つまり、1つの要素だけを見て良し悪しを判断し施策を打つと、その要素を構成している関連するその他の数値も悪化する可能性があるということです。

3.実際に改善施策の考え方

リスティング運用においてよくあるのが「CPA(獲得単価)を出来るだけ安くしたい」というケースだと思います。その際の改善策の考え方を例にご紹介します。

①まずはCPAの構成要素を考える

CPA=費用÷CV数

CPA=費用÷CV数

②さらに費用とCV数も分解する

費用=クリック数×クリック単価
CV数=クリック数×CVR

費用=クリック数×クリック単価 CV数=クリック数×CVR

③主な改善案

ここでようやく、改善案を出してみます。

費用に着目して考えてみる

⇒クリック単価(入札単価)を下げる
⇒デバイス別や曜日・時間帯等で、単価調整をする
⇒クリック数を減らす

「CV数」に着目して考えてみる

⇒クリック数を増やす

  • 掲載順位を上げる
  • 表示回数を増やす
  • 広告文やバナー等の変更でクリック率を上げる

⇒CV率を上げる

  • 広告文やバナーの変更
  • リンク先の変更

⇒CVが見込めるキーワード(または配信先)の追加

  • キーワードのマッチタイプの見直し
  • クエリを見て、キーワードを追加

④施策実行後の他への影響を考える

③で改善案を出しましたが、その施策を実施することで他に影響がないか?また、どのような影響でどの程度の影響なのかも考えます。

これらを考慮した上で、ベストだと思われる施策を実施していきます。

4.まとめ

やみくもに「クリック単価が高いから入札単価下げよう」なんて、運用してしまうと、表示の機会が失われ、クリック数も減少し、結果CV数が減ってしまった…というようなことが起こりかねません。

リスティング広告は、それぞれの要素が関連している為、トータルで考えて改善策を考える必要があります。

「自分が思ったように改善されない」という時は、今一度、要素を分解して考えてみてください。