恥ずかしい!社会人なら注意したい間違いやすい言葉

インターネットの発展により、一般人でもSNSやコメントで自分の意見や文章を発表することが可能になりました。

ビジネスにおいてもメールやメッセージなど文章でのコミュニケーションが増え、私たちはいまだかつてなく文章を書く必要に迫られています。

しかし書籍などと違い、誰のチェックも経ずに公開される文章の中には、言葉としての間違いも多くなっています。

自分で気づけるなら良いのですが、間違った意味のまま新しい言葉を覚えたり、自分で使ってしまう危険性も増えています。言葉の使い方によっては、相手に自分の意志を正確に伝えることができなかったり、誤解を与えてしまうこともあり得ます。

今回はWeb上でよく見かける言葉の間違いについて解説します。間違って覚えているものがあれば、この機会に正しく覚え直しましょう。

正反対の意味になってしまう言葉

力不足・役不足

本来、誰かの能力に対して役目が大きすぎる時は「力不足」を使います。
これは与えられた役に求められる能力に対して、その人の能力が足りていないという意味です。

しかし現代では、この意味で「役不足」を使う誤用が広がっています。
「役不足」は力不足の反対であり、能力に対して役目が軽すぎるという意味になります。

×私では新プロジェクトのリーダーには役不足だ。
〇私では新プロジェクトのリーダーには力不足だ。

新プロジェクトのリーダーを断りたい時に、「役不足」と言ってしまっては、「そんな軽すぎる仕事に自分はもったいない」という意味になりかねません。

議論が煮詰まる

「議論が煮詰まる」は、本来「議論が出尽くして結論の出る状態」という意味です。議論が順調に進んでもうすぐ結論が出る所まで来た、ということなのです。

しかし、若年層を中心に「議論が行き詰まって結論が出せない状態」ととらえる人が増えており、現在では広辞苑にもこちらの意味も記載されています。

青田買い・青田刈り

「青田買い」は田んぼにまだ稲穂が実っていない青い状態で、収穫量を見越して田んぼごと購入の契約をすることです。

このことから企業が新卒採用を行う際、学生に早々に内定を出して優秀な人材を確保することを示します。将来性を見込んでまだ価値がない状態のものを早めに確保すること全般を指します。

対して「青田刈り」は田んぼにまだ稲穂が実っていない青い状態をそのまま刈ってしまうことです。

元々の意味は、戦国時代などの戦術で敵の食料調達妨害のために、収穫前の田を刈り取ったことを指します。

将来性を見込んでという意味はなく、本来の意味で使うなら他の会社に取られないために人材の優劣関係なく手当たり次第に内定を出す、という意味になってしまいます。

情けは人のためならず

「情けは人のためならず」について、「情けをかけることはその人のためにならない」(人に厳しくする方がその人のためになる)という意味で使っている人も多いです。

しかし本来は「人にかける情けは、巡り巡っていつか自分を助ける」(人には優しくするべき)という真逆の意味です。

文脈で判断しやすいので意図を誤解することは少ないかもしれませんが、正しい意味を理解しておきましょう。

聞き間違いやすい言葉

おざなり・なおざり

この2つは意味の違う別々の言葉ですが、両方「物事を適当にすませる」というニュアンスで使われています。

本来の意味としては、「なおざり」は真剣でなくいい加減にして放っておくことという意味です。
対して「おざなり」はその場逃れにいい加減な言動をすることです。宴会の席(座)で見られる、芸者たちの表面を取り繕った言動から生まれました。

使われるニュアンスとしては「なおざり」が本来の意味ですが、近年は「おざなり」も同じ意味で使われています。

シミュレーション・シュミレーション

単なる間違いなのですが「シミュレーション」を「シュミレーション」と覚えている人が多いです。

英単語は音を聞いただけでは正しく文字化することが難しいので、新聞や雑誌などの正式な表記を意識して覚えるようにしましょう。また英単語の綴りをそのまま覚えると表記に迷った時の参考になります。

しかつめらしい・しかめつらしい

「しかつめらしい」を「機嫌が悪く険しい顔をしている」という意味で使う人がいますが、本来の意味はまったく違います。「しかめっつら」と音が似ていることから、混同されてしまったようです。

本来「しかつめらしい」の意味は「まじめで堅苦しい」という意味です。

言わざるを得ない・言わざる負えない

「言わざるを得ない」とは、言わないこと+できない=言うしかないという意味です。

しかし、発音では区別がつかないために「を」を「お」と思い込み、そのままPC変換してしまうと「言わざる負えない」と変換されてしまいます。

表記に自信がないからなのか「言わざる得ない」とする誤用も目につきます。

うろ覚え・うる覚え

覚えている内容が曖昧な時に「うろ覚え」と言いますが、若年層を中心に「うる覚え」と言う人が増えています。

そういう・そうゆう

「そういう」は発音する時には「そうゆう」と発音することもあるのですが、書き言葉としては「そういう」と表記します。

仲間内のSNSなどであえて口語の軽い感じを出したい場合に、「そうゆう」「そーゆー」などと使うことも可能ですが、正しい表記ではないことを理解して使う必要があります。

漢字を間違いやすい言葉

年俸・年棒

「年俸」とは1年単位で支払われる報酬、または1年間の報酬総額を指します。また、発音は「ねんぼう」ではなく正しくは「ねんぽう」と読みます。

「ぽう」の字はきへんの「棒」でなくにんべんの「俸」であることに注意が必要です。

代替(だいたい・だいがえ)

「代替」の 正しい読み方は「だいたい」であり、「だいがえ」はそもそも間違いでした。

しかし誤読ではありながら、現在は国語辞典にも両方の記載があります。
「だいたい」という本来の読み方では同音異義語「大体」との間違いが起こるために、あえて「だいがえ」と読む人が多くなったという説もあります。

時代によって意味が変わることもある

言葉は時代によって読み方や使い方が変わるものです。ここに挙げたものでも、いくつかは元々誤用だったものが、後に国語辞書に掲載されるようになっています。

しかし、ビジネスの現場では言葉の使い方により敏感になる必要があります。
意思疎通に問題が起こらないように、信頼関係に傷をつけないように、自分の使う日本語の正しさや使い方には注意が必要です。

正しい意味を理解しながら、新しい使い方にも対応していくことが、ビジネスパーソンとしては必要なのです。