類似ユーザーリマーケティングの概要と効果的な使い方

リスティング広告,グーグルアドワーズ,類似ユーザーリマーケティング

リスティング広告を使用して1年以上してくると、かなりデータも貯まり、成果の出ている案件ではCV数やCPAも安定してくる事が多いと思います。

その場合、上司やクライアントから言われるのが、「安定するのは良いが、もっとCV数を獲得出来る所はないのか?」という拡大路線の要望が出てきます。

しかし、CV数を伸ばそうとして今まで成約していないキーワードや他の配信面に出すと、CVを獲得する可能性はありますが、ほぼ比例してCPA悪くなります。

この「CPAを維持しつつ、CV数を伸ばしてくれ!」というわがままな上司やクライアントの望みを叶え、広告運用担当者の工数をさほど割く事なく対応出来る救世主が、この「類似ユーザー」を使ったリマーケティングになります。

1.類似ユーザーとは?

「既存のリマーケティング リスト上のユーザーの動向を加味し、ウェブ利用状況が似た他のユーザーに、広告を配信する機能」を言います。

リマーケティングリストと類似ユーザーリストのイメージ

現存のリマーケティングリストの情報をAdWords側が読み取って、その動向に近い他のユーザーをリスト化する事で、今まで未接触だった属性の近いユーザーにアプローチする事が可能になります。

2.類似ユーザー機能が今有効な理由

通常の「サイト内に訪れたユーザー」のリマーケティングリストは、元より「CVタグ」を利用してリマーケティングリストで作成しておけば、「CVしたユーザーの類似」というリストが自動作成され、今までの未接触のCVする可能性の高い類似ユーザーにアプローチする事が可能です。

通常の「サイトに訪問しただけのユーザー」より「CVしたユーザー」の類似の為、CPAをさほど悪化させずに、新たにCVを生み出す可能性が高いのですね。

3.類似ユーザー機能のメリットとデメリット

【メリット】

未接触のユーザーをセグメントしてリーチ出来る!

メリットは通常のリマーケティングとは異なり、「未接触のユーザー」をセグメントしてリーチ出来る事です。

通常のリマーケティングは、一旦サイトに訪問してもらってCookieを付与しなければ再リーチ出来ませんが、類似ユーザーの場合は、元々のリマーケティングリストを使って新たにリストを抽出してくれますので、今まで未接触の属性の近いユーザーを新規開拓してくれるのがメリットです。

【デメリット】

元々のりマーケティングリストが少なすぎると使えない

デメリットはさほど無いのですが、しいて言えば「元々のリマーケティングリストが少なすぎると使えない」という点です。

リマーケティングリストさえ作れば必ず類似ユーザーが使えるという訳ではなく、AdWords側で属性が近いユーザーを判断する材料が必要になる為、ある程度のリスト数は必要です。

その為、「CVしたユーザーの類似」を作成したいと思っても、月に1CVしかない場合はサンプルが少ない為、類似ユーザーが自動作成されません。

その場合は代替案として、「CVページにより近い場所」をリスト化して活用する事も出来ます。

例えばECサイトであれば、「カートページ」を指定してリマーケティングリストを作成しておき、「カートに入れたユーザー」の類似ユーザーが作成されるのを待つ、という方法もあります。
※この場合でもリスト数が少ないと類似ユーザーリストが自動作成されない事があります

4.類似ユーザー機能を導入した企業は購入数が増えた

販売する商品にもよりますが、リマーケティングで獲得出来ていた獲得単価とほとんど変わらずに獲得することも可能です。

下記は、実際に弊社で「CVしたユーザーの類似」に広告を配信したものです。

いかがでしょうか。

もし、「CVしたユーザーの類似」に配信を行っていないのであれば配信しましょう。

もしかしたら、CV数が増える可能性がありますよ。

5.類似ユーザー機能の発行方法

AdWordsの左メニューの「共有ライブラリ」→「ユーザーリスト」から「リマーケティングリスト」を作成していれば、そのリスト数が一定数値溜まった後に自動で「Similar to ●●」という類似ユーザーのリストが自動で発行されます。

その為、CVしたユーザーの類似を作成したい場合は、一度リマーケティングのユーザーリスト内にて「CVユーザー」というのを作成しておき、後に類似ユーザーが発行されるのを待つ必要が必要があります。

6.類似ユーザー機能の設定方法

類似ユーザーリストが発行された後は、通常のリマーケティングと同様に、各広告グループのターゲットリストでその類似ユーザーリストを選択すれば、その類似ユーザーに対して広告配信していく、という設定になります。

①ディスプレイネットワークキャンペーン内の広告グループを一つ選び、「インタレストとリマーケティング」から「ターゲット方法」を選択します。

②そこで、「リマーケティングリストと類似」を選択します。

③すでに類似ユーザーリストが発行されていれば「●●の類似」というリストが選択出来ますので、活用したい類似ユーザーリストを選択して右枠の「選択済み」の中に設定して保存すれば完了です。


7.まとめ

このように、さほど工数や手間を割くことなく「CVする可能性の高いユーザー」だけに新規アプローチする事が出来るのが「類似ユーザー」になります。

冒頭でお伝えしたような「CPAを上げずにCV増加を目指す」というわがままな願いを叶えてくれる可能性が高い為、もしCVした増加施策に煮詰まっている方は是非一度少額の予算から試してみてください。

今回は、GoogleAdWordsの類似ユーザーの説明をしましたが、実はYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)にも類似ユーザーの機能はあります。

ただ、現時点ではAdWordsの類似ユーザーの方が精度が高い為、ひとまずAdWordsで使用してみて、効果があったらYDNでも小さく運用してみる事をおすすめします。