リスティング広告に興味を持って初めて運用しようと考えている皆様は、色々と情報収集しているのではないでしょうか。
その情報を集める中で、いろいろな運用方法・改善案・最適化方法というのが様々な記事に書かれていると思います。
しかし、それを初心者の方が鵜呑みにしすぎて失敗してしまうケースもしばしば拝見します。
今回は、リスティング広告を始めたい初心者に向けて構築手順と陥りやすい間違えをピックアップしてお伝えしようと思います。
目次
①リスティング広告の掲載箇所と検索需要
1.リスティング広告とは
GoogleやYahoo! JAPAN検索エンジンを使って検索すると、検索結果の上部(下部)に表示される広告のことです。
2.検索需要
広告を検討している方であれば、サイトの関連キーワードに対して必ず競合サイトが存在することをご存知かと思います。
キーワードを検索して出てきたリスティング広告の数などで、競合率の高さや検索重要などが図ることが出来ます。
次は実際にリスティング広告を運用する中で、注意すべきポイントについて見てみましょう。
②ポイント1.アカウント構築
初めてリスティング広告を作成する場合は、広告媒体(GoogleやYahoo)に登録して、実際の広告アカウントを取得します。
メールアドレスや必要情報を記載してアカウント開設します。
アカウントが開設出来たら、次の工程はアカウントからキャンペーンの構築に入ります。
まず、始めにアカウントから『キャンペーン』を作り、1日の予算設定や配信時間の設定をすることになります。
キャンペーン構築の際は「キャンペーンは細かく分けて作成した方が良い」と一般的には言われています。
もちろん、私もキャンペーンを作成する際は、キーワード・リンク先URL・商品のカテゴリーなどのいろいろバランスを考えて設定しています。
しかし、ただ闇雲にキャンペーンを細かく分ければ良いのかと言うとそうではありません。
実は、以下のような理由でキャンペーンを細かく分けるほど成果が下がる場合もあります。
1.広告予算の設定による機会損失が生まれる
広告予算として1日に使って良い予算が決まっている場合、ただ細かく分けるだけでキャンペーンを作成してしまうと、下記の図の様に1つ1つのキャンペーンへの予算の設定が分散して表示率の低下を招いてしまう事があります。
例えば、図のように1日使える予算があまり多くない場合はキャンペーンを細かく分ける事がデメリットになってしまう事があります。
また、いざ広告がクリックされても数回クリックされてしまうと、1日の配信が終了してしまうのであまり意味のない広告配信になってしまいます。
2.クリック単価の調整が難しくなる
リスティング広告では出稿するキーワードによってキーワードのクリック単価が違います。
入札したいキーワードに競合他社がいることで、入札単価がオークション形式になり金額に影響するからです。
もちろん、人気のあるキーワードほどクリック単価は高くなります(上限クリック単価の設定は任意で1円~9,999円で設定可能)。
例えば、1日予算500円のキャンペーンだったとした場合、早速推定クリック単価にあわせて上限クリック単価を調整しようとするとある問題が発生します。
上記の図の様に、キャンペーンの予算以上の上限クリック単価の設定が出来なくなり、結果として500円以上のクリック単価の設定は出来なくなります。
1日使っても良い予算・キーワードの推定クリック単価・キーワードの検索需要など考慮してキャンペーン構築を行わないとクリック単価の調整すら難しくなってしまいます。すると、データもたまらず改善も出来ない状態に陥ってしまいます。
今回は極端な例でしたが、ただ単純にキャンペーンを分ければ良いという発想でアカウントを構築してしまうのはとても危険です。
③ポイント2.CPAのみに注目してしまっている
リスティング広告を運用する上で、CPA(獲得コスト)を出来るだけ低く抑えることはとても大切です。
しかし、そのことが実はCPA(獲得コスト)を悪化させてしまうということもあります。
CPAを低下させようとして以下の停止措置は注意が必要です。
このような措置に対し注意が必要な理由は、数字を改善する為に必要な『データの蓄積』がなくなるからです。
リスティング広告では表示回数・クリック数・コンバージョン数など全てを数値として出す事が出来ます。
数字が出そろう前にCPA(獲得コスト)が悪いからと感覚で停止をしてしまうと、一時的にCPA(獲得コスト)は改善されても、徐々にまたCPA(獲得コスト)が悪化してしまい、コンバージョン数も頭打ちになる事が多いです。
それでは、一つずつ詳しくご説明します。
1.CPA(獲得コスト)が悪いキーワードの停止をした場合
この場合は、そのまま運用を継続していた場合にコンバージョンを獲得出来た可能性があるので、注意が必要です。
また、検索クエリのデータも多く蓄積するので、その後の運用改善に役立てる事が出来ます。
2.CPA(獲得コスト)が悪いからデバイス(スマホなど)の停止をした場合
この場合は、例えばスマートフォンからコンバージョンが取れていないので単純に停止をしてしまうと、PCでのコンバージョンが下がってしまう事があるので注意が必要です。
何故かというと、サイトへのファーストコンタクトはスマートフォンの可能性がある為です。
通勤時間などで御社を知り、家に帰ってからPCでコンバージョンするという事が考えられます。
3.CPA(獲得コスト)が悪いからスケジュール(日時)の停止をした場合
この場合でも、曜日や時間によってコンバージョンが取れていない日時を止める事で、総体的にコンバージョン数が下がる事があります。
何故かと言うと、コンバージョンが取れていない時間帯にサイトにアクセスしている可能性が考えられるからです。
この様に、CPA(獲得コスト)が悪いという理由だけで配信を止めてしまいますと、総体的にはコンバージョン数を下げる事に繋がっている事があるので注意が必要となります。
ある広告キャンペーンを止めるか止めないかを判断する時は、蓄積したデータを科学的に分析して数字に基づいて判断すると良いでしょう。
また、折角データを溜めたのであれば、停止をした後と停止をする前のデータをしっかりと確認して、停止前と停止後どの様にコンバージョンなどが変わったかを確認してアカウントの最適化を行っていきましょう。
④ポイント3.リスティング広告の運用だけに集中している
リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに合わせて広告を配信出来る為、WEB上で顧客を獲得するためにはとても優秀な手法の1つです。
しかし、リスティング広告のアカウント改善だけに捕われすぎてしまうと、コンバージョンが思う様に獲得出来なくなってくる事があります。
何故なら、コンバージョンを獲得していく為には『サイトの改善』も必要不可欠だからです。
あなたのサイトは以下の要件を満たしているでしょうか?
1.競合他社との差別化は出来ているか
インターネットでユーザーが商品やサービスを探す時に検索をしますが、検索結果にはその検索キーワードに合わせて沢山のサイトが表示されます。
その中から、検索ユーザーは幾つかのサイトを訪問して比較・検討をして、最終的にコンバージョンをします。
どこでも取り扱っている様な商品を販売している場合は、競合他社との差別化をはからなければ、なかなかコンバージョンをしてくれない可能性が出てきます。
等々、競合他社と比較をして差別化をはかれそうな部分は差別化をはかり、御社サイトで買う理由をつける様にしましょう。
2.お問い合わせ(申し込み)フォームが適切になっているか
お問い合わせ(申し込み)フォームまで行き、コンバージョンをしないユーザーというのは実は沢山存在しています。
せっかく競合他社との比較・検討に勝ち、申し込み寸前まで来ているのに非常にもったいないことが起きてしまいます。
お問い合わせ(申し込み)フォームを改善するだけでも、多くのコンバージョンを獲得出来る可能性があります。
上記に書いた様な事で、実際にコンバージョンしてくれないユーザーが存在します。
この様に小さな事かもしれないのですが、改善を専門に取り扱う業者もいるくらいのフェーズになります。
前述した様に、リスティング広告は非常に優秀な広告サービスです。
しかし、アクセスばかり気にしてサイトの改善が出来ていないのであれば、穴の空いたバケツに水を入れる様なものです。
インターネット上で商売を行う際はサイトに呼び込む事も、もちろん大切ですが、その部分だけにとらわれず呼び込んだ先の事も考えましょう。
まとめ
リスティング広告で成果を上げる為に取り組んでいる事が実は裏目になる事もあります。
なかなか成果が上がらない時は各数値を見てみたり、アカウント以外の部分も見てみたりしましょう。