リスティング広告を運用開始当初は、どの程度の費用を使えば良いのか、どの程度のクリック単価にしてよいのか等分からない事や、どの様に改善して行けば良いのか分からない事もあると思います。
そんな時、あまり費用を使いたくないという考えから相場よりも低く単価を設定する事や、改善では思いつく限りの施策を実行してしまう方もいらっしゃると思います。
その設定・改善は正しいのでしょうか?
実例を交えて、この点をご紹介しようと思います。
1.インプレッションシェア率が低くなる
クリック単価を単純に低く設定してしまうと、広告の掲載順位だけでなく、広告自体の表示回数にも影響を及ぼします。
下記の図をご覧下さい。
運用開始当初は単価が206円となっています。その場合のインプレッションシェア率は43.50%となっています。
その後、上限クリック単価を上昇させて行きました。その結果として月末までに、クリック単価は335円となり、インプレッションシェア率は62.86%まで上昇しております。
クリック単価を低くしたいという一心で単価を安く入札した場合、ユーザーへのリーチが減少して、結果として機会損失を生んでしまいます。
使う広告費用を下げる場合は、除外キーワードや品質スコアにこだわり、使う費用を下げるチューニングを行う様に心がけましょう。
2.コンバージョン率が低くなる
広告が表示されていない、広告自体がクリックされない、クリックされても成果にならなければ、検索広告の出稿にあまり意味はありません。
検索をするユーザーの中には沢山サイトを見て検討して決める方、最初に見たサイトで決めてしまう方など、いろんな考えをもった方がいらっしゃいます。
そんな中で、コンバージョンを獲得して行く為には、まずサイトにしっかり誘導して頂く必要があります。
前述した様に、上限クリック単価を相場より低くしてしまった為、広告が表示されないや、広告が出ていてもユーザーの目に止まりにくい位置に出ているでは、コンバージョンし辛い事も多々あります。
下記の図をご覧下さい。
前述した、項目の続きの図となります。上位をキープする事で、クリックが増え、コンバージョンも格段に増えているのが分かると思います。
ただし、単純に上位であればコンバージョンが増加すると言うわけではありません。
サービス・商品・業態などによっても反応は違いますので、【上部vsその他】や【テスト】を実行して指数を見て、判断して行きましょう。
3.検証は一つずつ試して行く
販促の成果が悪いや、もっと獲得を増やしたいなどビジネスをしている方であれば、リスティング広告だけでなく、どんな施策に対してでも改善をしたいと考えると思います。
その中でもリスティング広告は、すぐに着手出来てすぐに反映する利点がある為、思いつくがまま変更・追加をしている事があります。
しかしこの場合では、結果が改善されても実際に何をして結果に繋がったのかが分かりづらい事が多く、本当はまだ無駄が出ている事が多々あります。
例えば、掲載順位が低く、クリック率が低く、コンバージョン率も低い場合に上限単価を上げて、広告文を変えて、お問い合わせフォームの改善を同時に行った時に、以前よりコンバージョン率が上昇した結果になった場合に改善はされたと言えますが、実は広告文を変化させただけでコンバージョン率が変わっていた可能性があったりします。
この場合では、無駄に上限クリック単価を払う事になったり、フォームの変更を外注している場合は変更での費用がかかったりと、広告文だけでテストをした場合とではCPAが変わってくる事となり、無駄が出てしまいます。
その後も、その事に気付かず払わなくても良いクリック単価を払い続けてしまう事があります。
この様に、今回の例の様に極端な事はまれですが、改善を焦るあまり、同時進行で沢山の事をしてしまった為に検証が出来なくなります。
リスティング広告では、何をするかよりは、何を検証するのかといった考え方で施策や変更・追加を行って行く事で、改善を的確に行う事が出来ます。
まとめ
リスティング広告で効果を上げる為には実は難しい事をしないと行けないというわけではなく、今回の事例の様に簡単な調整をしただけで、成果が改善される事があります。
また、難しくしているのは自分自身で行った施策・変更という場合もあります。
リスティング広告は、施策変更後の各種数値も直に確認出来るすばらしい広告配信手法となりますので、シンプルに施策を実行して最適化を行って行きましょう。