アフィリエイト広告とは?Webマーケターが知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説

Webマーケティングの手法の1つにアフィリエイト広告があります。
アフィリエイトというと誰でもすぐに始められる副業として人気ですが、広告主やマーケターとしてアフィリエイト広告を利用する側としても、ぜひ理解しておくべき広告手法の1つです。

この記事では、Webマーケティングの手法の1つであるアフィリエイトの仕組みや、効果的な使い方について解説します。

※副業としてアフィリエイト広告を始めたいという人向けの記事ではありません。ただしそのような人にもアフィリエイト広告と広告主の考え方を理解するためには役立つ記事です。

アフィリエイトとは成果報酬型広告のこと

アフィリエイト広告とは、商品が売れた時にだけ広告費が発生する「成果報酬型」のWeb広告を指します。

通常Web広告では、以下の2つの大きな課金方法が用いられます。

  • ユーザーが広告をクリックするたびに広告費が発生する「クリック課金制」
  • ユーザーに広告が一定量表示されるたびに広告費が発生する「インプレッション課金」

つまりこれらの課金方法においては、最終的に商品が売れても売れなくても広告費が発生することになります。

クリック課金
広告をクリックしたものの、商品を購入しなかった人の分も広告費が発生する

インプレッション課金
広告を見たものの、商品を購入しなかった人の分も広告費が発生する

対してアフィリエイト広告の場合は、商品が売れる、あるいはユーザーがあらかじめ設定した目的の行動を取るたびに、広告費が発生します。これはつまり「売れなければ払わなくていい」ということです。
この点からアフィリエイト広告自体は「低リスク」な広告手法と考えられています。

アフィリエイト広告の仕組み

アフィリエイト広告は、以下3つの立場から成り立っています。

広告主

商品やサービスを、アフィリエイト広告を使って宣伝したいと思っている人や企業です。
商品が売れた時に、その結果を承認して広告費を支払います。

アフィリエイター

広告主の商品やサービスを自分のブログやサイトなどで広告し、売上げることで広告費を受けとります。

ASP

ASPとは「アフィリエイトサービスプロバイダ」のことです。
商品を売りたい広告主と、商品を売ることで広告費を得たいアフィリエイターの仲介をします。

広告主がASPに登録すると、アフィリエイターがその中から自分がアフィリエイトで広告したいものを選びます。
または、商品を売る手腕がある・集客力のあるサイトを持っているなど販売成績の良いアフィリエイターには、広告主からアプローチして商品の掲載を依頼することもあります。

選ばれた商品は、各アフィリエイターによって紹介されますが、販売時にはどの経路で購入されたかがわかるようになっています。その結果、販売してくれたアフィリエイターに対して、成績に応じた広告費が払われるのです。

アフィリエイト広告のメリット

無駄な広告費がかからないので費用対効果が高い

アフィリエイト広告では、売上につながった広告にだけ費用を払えばよいため、リスティング広告やオフラインの広告に比べて広告費の無駄がありません。

限られた広告費の中で成果を出すためには、効果的な方法だと言えます。

獲得単価をあらかじめ設定できる

リスティング広告の場合、あらかじめ「1件当たりいくらで獲得したい」と思っていても、その通りに行くことは少なく細かくコントロールもできません。

アフィリエイト広告の場合は「1件販売してくれたら1万円」など、アフィリエイターに支払う金額を自分で指定することができます。

他社商品の報酬と比較されるために、いくらでも好きな価格を指定できるわけではありませんが、予定した金額と実際の金額が大きくかけ離れるということはありません。
費用と販売個数の見通しを立てて広告を運用したい時に、便利な特長です。

アフィリエイターの記事を通して商品の魅力が伝わる

商品の実態とかけ離れた広告を出さないためにも、近年媒体側の広告に対する審査基準は厳しくなっています。

誤解を与えるような表現が規制されており、商品本来の特長やメリットが広告で十分伝えられないという事態も増えてきています。

アフィリエイト広告の場合、多くのアフィリエイターが商品を売るために工夫をしてくれます、例えば、

  • 商品を使ってみた体験談
  • 商品の特長を類似商品と比較する

など、広告主ではできないような手法で商品を世の中に広めてくれるのです。

当然これらの記事に対しても、成果に結びつかない限り広告主が費用を支払う必要はありません。

しかし記事があることによって、情報を探しているユーザーに商品の認知度が上がったり、良いイメージを持ってもらえるなど、費用の掛からない効果が期待できるのです。

アフィリエイト広告のデメリット

このようにメリットしかないように思うアフィリエイト広告にも、デメリットはあります。

すぐには効果が出ない

アフィリエイト広告の多くは、メディアに広告を掲載しています。
そこで、検索結果の上位に表示してユーザーが集まるようになるには、記事の作成公開からさらに数か月の調整期間が必要と考えられます。

一般には開始から最短でも3、4か月は必要になでしょう。

他の商品より報酬が低いと売ってもらえない

アフィリエイターも自分の限られた労力で最大の結果が欲しいと思うのは当然です。
そのため、同じような商品・自分が手掛けられそうな商品の中で「最も報酬が高い商品」(売れた時の広告費が多い商品)に人気が集中する傾向があります。

つまり、自分が「この商品を1個売ってくれた人に1万円を報酬として支払う」とASPに登録しても、他に2万3万支払ってくれる商品があればそちらを選び、結果として「誰も商品を広告してくれない」という事態になるのです。

この点から

  • 商品のジャンルにおけるアフィリエイトの相場
  • 単価が安くても数が売れる成約率の良い販売ページ
  • 成果が広告費につながる承認率の高さ

などのさまざまなアフィリエイターに選ばれる要素を考えて、報酬の条件を設定することが必要になります。

一部のアフィリエイターによりブランドが傷つけられる恐れも

広告主はASPに商品を登録し、アフィリエイターはASPから扱う商品を選ぶというのが基本なので、広告主の企業がアフィリエイター全員の記事内容や表現内容を管理することは無理です。

そのため、アフィリエイターの商品の紹介方法によっては、意図せずブランドの価値が毀損される場合があります。

  • とにかく売るために誇大表現を使う
  • 他社商品を誹謗中傷する

これらの事態を防ぐためにできることとしては、あらかじめ紹介する時の表現や使ってはいけない言葉や手法について指示をしておくことが考えられます。

アフィリエイト広告で成果を出すには

ASP、代理店との連携をとる

アフィリエイトでは、力のあるアフィリエイターに商品を紹介してもらえるかどうかが一番重要です。

そのためには先ほどのような、アフィリエイターが商品を選ぶ条件についてリサーチをして、こちらも勝てる設定をしなければいけません。

今どのような商品が売れているのか、成果が出ているメディアはどこか、報酬単価の相場はどれくらいかなど、ASPの担当者やアフィリエイト広告の代理店にヒアリングしアプローチしていきましょう。

報酬単価を上げる

1件当たりの報酬単価が高い方が、アフィリエイターには選ばれやすくなります。

商品のジャンルによっては、数千円の商品を販売した際の報酬単価が数万円ということもあります。

なぜこのようなことが可能かというと、その1つの商品を売ることでその後数万円(広告費以上)の売上が立てられるからです。

このように報酬単価を上げるには、ビジネスにおいて1人の新規顧客からどれだけ売上を上げられるかが重要です。

販売後のビジネスモデルがしっかりできており、高額な広告費を払って顧客を獲得しても、そこからちゃんと売上を上げられる企業は、報酬も高く設定でき、さらに新規顧客を獲得し…と拡大路線に入れます。

逆に1人当たりの売上の少ないビジネスでは報酬を上げるといっても限界があるので、どの地点からかアフィリエイターに選ばれることなく縮小路線に入ってしまうのです。

報酬単価を上げるためにも、獲得した顧客から確実に売り上げを上げるビジネスモデルの構築が必要となります。

成約率の高いランディングページを作ること

アフィリエイターにとって報酬単価は非常に重要ですが、最終的に大きな収入を得るためには件数を稼げることも大事です。

そのため、よく売れるページに集客するアフィリエイトも人気です。
アフィリエイターはページの成約率・結果の承認率・報酬単価をトータルで考えているので、ページの成約率を上げるための内容の見直しはこまめに行いましょう。

今後もアフィリエイト広告は活用できる

広告の表現が厳しくなる中で、アフィリエイト広告についても同様に表現の規制や広告主の責任が求められるなど、以前より厳しさを増している点はあります。

しかし商品について、広告主からではない第三者からの情報としてユーザーに情報を伝えられるアフィリエイト広告は、信頼性や客観性でという点でその他の広告にはない魅力があります。

アフィリエイト広告は今後も、Webマーケティングの効果的な手法として使われて区と考えられます。

アフィリエイターに紹介したいと思われるような商品を育て、アフィリエイト広告を上手く活用していきましょう。