マルウェアとは?感染の脅威と身を守るための対策を徹底解説

仕事に没頭していると、ついつい忘れてしまいがちなセキュリティ対策。

日頃使っているパソコンやスマートフォンは、キチンとメンテナンス出来ていますか?

せっかく苦労して獲得した仕事なのに、自分が意図していないところで被害を受け、クライアントからの信用を失っては元も子もありません。

今回は、私たちの日常に潜むマルウェアの脅威と、具体的な対策についてまとめてみました。

最低限、これだけは押さえてほしいという内容に絞っていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

マルウェアは悪意あるソフトウェアの総称

マルウェアとは、Malicious Softwareの略語であり、悪意のあるソフトウェアの総称です。

コンピューターやスマートフォンなどのデバイスが感染すると、情報の盗難、ファイルやシステムの破壊、個人情報の漏洩といった様々な攻撃手法を用いて被害を引き起こします。

そのため、デジタルデバイスを扱う際には、最低限のセキュリティ知識を持ち合わせ、被害を未然に防ぐ危機意識が必要となります。

ウイルスやランサムウェアとの違い

マルウェアとよく比較される言葉として、「ウイルス」「ランサムウェア」があります。

これらはいずれもマルウェアの一種で、ウイルスは自己複製で感染を広げファイルを破壊したり個人情報を盗んだりするマルウェアで、ランサムウェアはファイルを暗号化し身代金を要求するマルウェアです。

いずれにしても対策が必要となりますが、実はマルウェアにはよりたくさんの種類があります。次章では、主要なマルウェアを11個紹介していきます。

主要なマルウェア11選

ここでは、主要なマルウェアを11個紹介していきます。

ウイルス

他のプログラムに感染させることで拡散し、コンピューターを破壊する悪意のあるプログラムです。定期的にウイルス対策ソフトウェアを更新し、セキュリティパッチを適用することで、ウイルス感染を防止できます。

ランサムウェア

コンピューターに侵入してファイルを暗号化し、復号鍵を要求してくるマルウェアです。バックアップを定期的に作成しておくことで、いざという時にファイルを復元できます。また、セキュリティソフトウェアを使用して、侵入を防止できます。

スケアウェア

架空のセキュリティ警告を表示し、コンピューターを偽のセキュリティソフトウェアで購入させてきます。信頼できるセキュリティソフトウェアを使用して、コンピューターを定期的にスキャンし、スケアウェアの侵入を防止できます。

ワーム

ネットワーク上で自己複製し、コンピューターに侵入し、破壊行為をするマルウェアです。ネットワーク上のセキュリティを強化することで、ワームの侵入を防止できます。また、セキュリティパッチを適用することで、脆弱性を補えます。

トロイの木馬

有益なプログラムに見せかけてコンピューターに侵入し、不正行為をします。信頼できるソースからのみソフトウェアをダウンロードし、セキュリティソフトウェアの使用を徹底することで、トロイの木馬の侵入を防止できます。

バックドア

コンピューターに不正にアクセスするための隠し通路を作成し、情報を盗むマルウェアです。信頼できるソースからのみソフトウェアをダウンロードし、セキュリティソフトウェアを使用して、バックドアの侵入を防止できます。

スパイウェア

スパイウェアは、不正にコンピューターに侵入し、ユーザーの個人情報を収集し外部に送信するマルウェアです。対策としては、信頼できるセキュリティソフトを使用し、定期的にスキャンして不正なソフトウェアを検出することが重要です。

アドウェア

アドウェアは、広告を表示するためにインストールされますが、個人情報の漏洩やコンピューターの速度低下などの問題を引き起こすことがあります。対策としては、不要な広告をブロックするアドブロッカーなどのツールを使用することが効果的です。

ボット

ボットは、複数のコンピューターを制御し、悪意のある攻撃を実行してきます。対策としては、常に最新のセキュリティアップデートをインストールし、信頼できるセキュリティソフトを使用することが重要です。

キーロガー

キーロガーは、キー入力を記録し、ユーザーの個人情報やパスワードなどを盗み出します。対策としては、信頼できるセキュリティソフトを使用し、パスワード管理ソフトなどのツールを使用してパスワードを安全に管理すると良いでしょう。

ファイルレスマルウェア

ファイルレスマルウェアは、ファイルを作成することなく、コンピューター内で悪意のあるコードを実行します。対策としては、ネットワークのトラフィックを監視して不審な動きを検出することが重要です。

マルウェアの感染経路は日常に潜んでいる

実は、マルウェアの感染経路は私たちの日常の至るところに潜んでいます。ここからは、マルウェアの感染経路になり得るポイントを紹介していきます。

メールなどのメッセージツール

フィッシングメールで偽の情報を装い、リンク先で感染するものや、添付ファイルに感染マルウェアが含まれるものがあります。少しでも怪しいと感じたメールやファイルに関しては、一切開かないようにしましょう。

ネットワーク経由での侵入

不正なネットワークに接続したり、ウイルス感染した別のコンピュータからの攻撃により感染することがあります。

最近では、コンビニやファミリーレストランで無料Wi-Fiを貸し出している店舗もありますが、セキュリティの観点からは、出来るだけ自分で準備したネットワークを活用した方が良いでしょう。

不正サイトへのアクセス

偽のオンラインショップや偽のログインページなどを装ったフィッシングサイトから、感染マルウェアを含むファイルをダウンロードさせられることがあります。メールと同様、少しでも怪しさを感じたサイトにはアクセスしないのが一番の解決策です。

不正ソフトウェアやアプリのインストール

ソフトウェアの配布元が不明な場合や、マルウェアに侵入されたソフトウェアをダウンロードすることで、感染することがあります。インターネット上でインストールする際には、必ず公式サイトにアクセスすることをおすすめします。

外部メモリーの使用

感染したUSBメモリを別のコンピュータに接続することで、マルウェアを拡散させることがあります。なるべく、他人が使ったUSBメモリは使わないのが鉄則です。

クラウドストレージ

感染したファイルをクラウドストレージにアップロードし、他のコンピュータに感染を広げることがあります。どうしても気づかずアップロードしてしまうことはあるかもしれませんが、アップロードする際にはリスクがあることを頭に入れて対応するだけでも違います。

感染しているスマートフォンとの接続

ウイルス感染したスマートフォンを、パソコンに接続したり、Wi-Fiを介して接続することで、マルウェアを拡散させることがあります。スマートフォンだから大丈夫と高をくくらずに、定期的にメンテナンスをしておくと安心です。

マルウェア感染が疑われる主な症状

マルウェアに感染すると、パソコンやスマートフォンの動作に様々な異常が生じることがあります。そのため、以下のような症状が発生している場合は、マルウェア感染を疑ってみた方が良いかもしれません。

パソコンの動作が重くなる

普段は快適に動いていたのに、突然動作が重くなった場合は、マルウェア感染が原因かもしれません。

ブラウザ上で不自然な挙動が起こる

ホームページや検索エンジンが勝手に変更されたり、不審な広告が表示されることもあるため、ブラウザの動作にも注意が必要です。

勝手に再起動やシャットダウンされる

パソコンやスマートフォンが勝手に再起動したり、シャットダウンした場合、マルウェアによってシステムが不安定になっている危険性があります。

ファイル/フォルダが勝手に消失または作成される

ファイルやフォルダーが消えたり、勝手に新しいファイルが生成されることがあります。これは、マルウェアによってデータが改ざんされたり、新たなファイルが生成されたりしているためです。

ウイルス対策ソフトの無効化/インターネット接続が途切れる

ウイルス対策ソフトが動作しなくなったり、インターネット接続が途切れたりすることもあります。これは、マルウェアによってセキュリティソフトが無効化されたり、ネットワーク接続が遮断されたりしているためです。

以上のような症状が発生している場合は、マルウェア感染が疑われます。ただちにセキュリティソフトを利用してスキャンを実行したり、専門家に相談するなどの対策を取ることが必要です。

フリーランスにおすすめのマルウェア対策方法

マルウェアの脅威は至るところに潜んでいますが、特にフリーランスで仕事をする場合、自分の身は自分で守らなければいけません。

自分が意図していない感染だったとしても、情報漏洩や仕事の滞りが生じることで、信用を失うことにつながってしまうからです。

以下に、フリーランスにおすすめのマルウェア対策方法を紹介します。

ウイルス対策ソフトの導入

基本中の基本ですが、フリーランスの場合、対策を怠っているケースも多いです。一度導入して終わりではなく、アップデートを継続的に行うことが大切です。

有名どころでいくと、トレンドマイクロ社が出しているウイルスバスター等があります。

ファイアウォールの設定

ファイアウォールを設定することで、不正なアクセスをブロックすることも効果的です。マルウェアの手口は日に日に巧妙になっているため、見た目だけで怪しいサイトかどうかを見分けるのは至難の業です。

例えば、シスコシステムズが提供しているCisco Secure Firewall等があります。

アカウント管理の徹底

インターネット上で使用するアカウントに関しては、強力なパスワードを設定したり、二段階認証を利用したりすることで、セキュリティを強化できます。さらに、定期的なパスワードの変更も欠かせません。

バックアップを取る

地道な作業に思えますが、バックアップを取ることも非常に重要です。特に、外部ストレージやクラウドストレージを利用する場合は必須です。バックアップさえ取っていれば、いざマルウェアに感染した場合でもすぐにデータの復旧ができます。

少しでも怪しいと感じたら開かない

メールやSNSで受け取った不審なリンクや添付ファイルは中身を確認することなく削除しましょう。最近は巧妙なフィッシング詐欺が横行しているので、油断は禁物です。

上記のような対策を継続的に行うことで、フリーランスでも安心して仕事ができます。

1つ1つの対策は地味で継続するのが億劫になるかもしれませんが、後から甚大な被害を被ってリカバリーする労力に比べれば、数十倍は楽になります。

マルウェアの感染を検出するチェック方法

マルウェア感染は深刻な被害をもたらすため、感染を早期に発見することが重要です。

感染をチェックする方法には、以下のようなものがあります。

セキュリティソフトによる検出

セキュリティソフトを導入することで、検出したマルウェアを隔離・駆除します。定期的にアップデートし、ウイルス定義ファイルを最新のものにすることが大切です。

トレンドマイクロ社が出しているウイルスバスター等が有名です。

セキュリティ監視ツールによる検出

セキュリティ監視ツールを使用することで、不正なアクセスや不審なアクティビティを検知できます。

「セキュリティ監視ツール」などで検索をしてみると、いくつか候補が出てきます。

以上のような方法で、マルウェアの感染を早期に発見できます。しかし、感染を完全に防ぐことはできません。常に注意し、最新のセキュリティ対策を講じることが大切です。

もしマルウェアに感染してしまったら

万が一、マルウェアに感染してしまった場合、まずは冷静になって次のような対策をすると良いでしょう。

  • ウイルス対策ソフトで感染が検出された場合は指示に従って駆除
  • 重要なファイルが消失した場合はバックアップを使用して復旧
  • パスワードが盗まれた場合は直ちに変更
  • 身に覚えのないメールやファイルを開いた場合は、直ちに削除しパスワードを変更

ただ、そうは言ってもなかなか冷静になることは難しいかと思います。

慌てて対策し、逆に被害を悪化させてしまうケースもあるため、無理に自分で処理しようとせず、専門家に頼ることをおすすめします。

そのためにも、いざという時に相談できる人を1人か2人くらいは見つけておいた方が良いでしょう。

近くに相談できる方がいない場合は、政府が運営している内閣サイバーセキュリティセンターに問い合わせてみても良いでしょう。

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)

後悔しないために今からマルウェア対策を

今回は、悪意のあるソフトウェアの総称であるマルウェアについて触れてきました。

何より怖いのは、マルウェアは私たちの日常に入り込んで、知らぬ間に感染被害を拡大している可能性があることです。

そのため、次のような変化を感じた際にはすぐさま対応し、必要に応じて専門家を頼ることも検討することをおすすめします。

  • パソコンの動作が重くなる
  • ブラウザ上で不自然な挙動が起こる
  • 勝手に再起動やシャットダウンされる
  • ファイル/フォルダが勝手に消失または作成される
  • ウイルス対策ソフトの無効化/インターネット接続が途切れる

日頃のセキュリティ対策は重要ですが、それでも日々進歩しているマルウェアには追いつけない可能性もあります。

ぜひ、「これだけやっているから安心」と油断することなく、あなたの貴重な情報資産を守っていってください。