毎日の生活の中で「面倒くさい」という気持ちで物事を先延ばしにしてしまうことはないでしょうか。
やらないといけないとわかっていても、どうしても着手できない…でも、そんなことを繰り返していると仕事での評価や人からの信頼が得られなくなります。
何より自分がずっと「しなければいけないことを放置している」ことにプレッシャーを感じ続けなければいけません。
そこでここでは「面倒くさい」という気持ちを乗り越えて、仕事や用事に早く着手できるコツを5つ紹介します。
どっちにしろやらないといけないのなら、早く完了してスッキリした気分になりたいですよね。ぜひ積極的に試してみてください。
体が心に与える作用を利用する
私たちは心の状態が体に出ると考えがちですが、実はその作用は心から体への一方通行ではありません。
つまり心と体はつながっており「体の動きが心に作用する」こともあるのです。
よく知られるのは、笑いの表情を作ることで、実際に楽しい気持ちが呼び起こされるということです。
口元を笑いの形にしたり、声を出して笑ったりすることで、脳が「今楽しいと感じている」と判断して、実際に楽しい時と同じように反応するのです。
そのため元気になりたい時には、楽しいことがなくても笑うことが効果的だとされます。
また重要なプレゼンテーションの前など、自信を持ちたい時には、両手でピースをして大きく上に上げる事で、自分に自信を与えるという方法もあります。
このように心の動きを体の動きで導くことが可能なので、面倒だなと思った時は、
- 姿勢を正す
- 軽くストレッチをする
など、まずは体で「やる気があるっぽい状態」を作りましょう。
逆に、面倒くさいと思いながらずっと寝転がっていては、いつまでたってもやる気にはなれません。
まず5分だけやると決める
物事を「面倒」と感じる時は、やることの量を大きく考えすぎていることがあります。
例えば、いきなり「今日は6時間勉強しよう!」と思っても量が多すぎて始めるのが嫌になってしまうのです。
こんな時は「まず最初の5分だけやろう。そこでやめてもいい」という考えで作業を始めるのが有効です。
最初の5分は「まずこの問題をやる」「この作業をする」「この情報を確認する」という具体的な内容も決めて着手します。
物事を完成させるのに一番難しいのは着手することです。
始めてしまえば、そのまま作業を続けられることも多くあります。
もし5分経っても全然やる気にならないのであれば、いったんそこで止めても構わないという気持ちで始めましょう。
外部からの強制力を利用する
面倒くささを克服しようとした時、多くの人が「頑張ろう」「気合で」と気持ちや意志の力を使おうとします。
それでできる人なら良いのですが、多くの人にとって気合や意志の力で自分の行動をコントロールするのはとても難しいことです。
それでも多くの人が何とか面倒なことをやり遂げながら生きていられるのは、多くの場合外部からの強制力が働くからです。
学校に行くのは面倒だけど、行かないと親や先生に怒られたり無理やり行かされます。
こう書くとネガティブに感じますが、たとえ強制的であっても「実際に物事が進んでいる」という点ではポジティブな結果を得ています。
また最初は面倒だったけど、やってみたら大したことはなかった、むしろ楽しかったと言うこともあります。
このように、人は外部の強制力によって行動し結果を得ることが可能なのです。
例えば、ダイエットをしたいのであれば、意志の力で乗り越えようとするのではなく、お金を払って自分を管理してくれる人をつけたり、仕事で成長したいなら、メンターを見つけたりするのです。
日常の用事でも、家族に「何時からこれをやる」と伝えておいて時間になったら行動を促してもらうなど、人を巻き込んでやらざるを得ない状況を作ることも効果的です。
面倒を避けて起こる、不快について考える
ここまでは面倒なことを「何とかできるようにするには」という考えで話してきましたが、逆に「面倒なことは何もやらなくてもいい」と言われたらどうでしょう。
そうは言ってもいつかはやらなければいけない、自分がやらないと他の人に迷惑がかかるじゃないかと思うかもしれません。
しかし実際、すべてのことは面倒ならやらなくてもいいとも考えられます。
例えば仕事でどうしてもすべきことがあるとします。
期日が迫っているのに、どうしてもやる気になりません。
このままでは、クオリティが低いものを提出するか、謝って納期を伸ばしてもらうしかなさそうです。人にも迷惑を掛けます。
しかし、そんな時でも自分が嫌なら別にやらなくてもいいのです。
ただしその代償は自分が払うことになります。
これによって仕事で評価を得られない、職場での信用を失う、給料が下がり今の生活が守れなくなる…そのような不都合が考えられます。
このようにどんなことも、掘り下げていくと自分自身の得や損をしないための行動であるとわかってくるのです。
また一度そこまで深く考えることで、しなかった時の不快な感情を実感できます。人間にとって不快を回避したい気持ちは得したい気持ちより大きく感じられるので、より行動にも向かいやすくなります。
人間は合理的に考えているようで、実は感情で物事を判断することが多いです。
やらないことの不快を自覚することで、面倒なことでも行動を起こしやすくなるのです。
常日頃から行動を変え続ける
「面倒」という気持ちは実は人間の生存に関わっています。
私たちは生命を維持することを最優先に考えていて「今生きていられるなら、ずっと同じようにしているのが一番安全だ」と無意識に考え、行動しない方がリスクがないと考えてしまうのです。
これは脳の反応なので、誰にも起こることであり、排除する方法はありません。
しかし、そのような反応のままに生きていると、年を重ねるごとに考えが凝り固まってしまいます。
人が年齢を重ねて頑固になったり新しいことを受け入れにくくなったりするのは、長く生きた成功体験を通じて、自分自身のやり方について自信を持ち「変えたくない」という気持ちが大きくなるからなのです。
そうならないためには、生活の中に常に小さな変化を起こし続けることが必要です。
これは重大な決意をするようなことではなく、
- 帰宅時にいつもと違う道を通る
- いつもと違うコンビニエンスストアに行く
- いつもと同じ行動も他にもっと良い方法がないか考えて試す
- 無意識にやっていた行動についてこれまでと違う選択をする
というような少しの変化で構わないのです。
仕組みや習慣を利用すると楽になる
面倒という気持ちは、人間が今まで通りのままでいたいという気持ちが生むものです。
今に満足できていることは素晴らしいのですが、変化の速い現代では「面倒くさい」を繰り返しているうちに自分の知識や考え、行動が一気に古くなる危険性があります。
また「面倒くさい」に慣れて物事に対する好奇心が失われると視野もせまくなり、人生で楽しめることも少なくなるでしょう。
面倒くさいという気持ちをコントロールできるようになると、仕事でも日常生活でも新たな刺激が生まれて人生がより豊かになります。
そのためにも「気持ち」「気合」ではなく、記事にあるような心と体の仕組みや習慣の力を積極的に利用してください。