フリーランスの手取り額公開!年収ごとのシミュレーションや手取りを増やす対策を紹介

フリーランスになった途端、自分の手取りがいくらか分からなくて不安ということはないでしょうか。
どのくらいのお金が手に入るかが分からなければ、心配で仕事どころではありませんよね。

そこで今回は、フリーランスの手取りに影響をもたらす要素の解説や、年収ごとのシミュレーションなどを通して不安を解消していきます。

さらに、手取りを増やすための対策や、そもそもどのくらいの手取りを目指すべきかなど、一歩踏み込んだ内容もお届けします。

記事を読み終わる頃には、自分が稼ぐべき年収の目安が分かり、思い切り仕事に向き合えるようになりますよ。

フリーランスの手取りは4要素で決まる

フリーランスの手取り金額は、以下4つの要素で決まります。

手取り=収入ー経費ー控除ー税金

それぞれの要素について、簡単に説明していきます。

①収入

フリーランスとして、1年間に稼いだお金(年収)です。本業の事業で稼いだものもあれば、不動産や株などから得た収入も含まれます。

②経費

本業の事業をするうえでかかった費用のことです。確定申告をすることで日々の活動費を経費にでき、最終的に払う税金を安く抑えられます。

例えば、喫茶店での打ち合わせ代や、業務で使用するソフト代など、事業に関する費用であれば経費になります。お金に強いフリーランスは、上手に経費を活用しています。

③控除

控除とは、国が定めた各項目について、該当する金額を所得から差し引いて良いとされているものです。生命保険料控除や医療費控除など、全部で14種類の控除が存在します。詳細については、後ほど紹介します。

④税金

上記①~③の数字をもとにして、税金が計算されます。年齢や年収、働き方などによってかかる税金は異なります。具体的にどんな税金がかかるかについては、次章で説明していきます。

フリーランスの手取りに影響する7つの税金・社会保険料

この章では、フリーランスの手取りに影響を及ぼす7つの税金・社会保険料について解説していきます。人によってかかる税金は異なるため、まずは自分に当てはまるものを把握する意識でご覧ください。

①所得税

所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に稼いだ所得に対してかかる税金です。所得金額によって税率が変わる累進課税方式となっており、5~45%で段階的に引き上がっていきます。

確定申告の際に自分で金額を計算して、翌年の3月15日までに納付します。なお、収入から経費や控除を差し引いた金額がマイナスの場合、所得税は発生しません。

②住民税

住民税は、居住地の都道府県、市区町村に支払う税金です。所得税とは違って、一律10%で課税されます。また、所得がマイナスだとしても、住民税は一部発生します。

確定申告の情報をもとに各自治体で計算が行われ、6月に納付書が送られてきます。支払い方法としては、一括か4回(6月・8月・10月・翌年1月)を選べます。

③国民健康保険料

国民健康保険は、フリーランスが病気やケガをしたときに、助けてくれる制度です。医療費の3割負担をはじめ、高額な医療費を補てんしてくれる高額療養費制度などがあります。保険料は、前年度の所得に応じて決まります。

翌年6月に1年分の保険料が通知され、6月から翌々年3月までの10回(自治体によっては7月から翌々年3月までの9回)に分けて支払います。なお、一括納付も可能です。

④国民年金保険料

国民年金は、将来の自分を守ってくれる制度で、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金などがあります。保険料は毎年見直されますが、金額は全員一律です。

4月に通知が届き、4月〜翌年3月まで毎月一定額を納付します。なお、2年分を一括で支払う「2年前納」制度を利用すると、割引を受けられます。

⑤介護保険料

介護保険は、介護が必要になった場合に備える制度で、40歳になると支払いが始まります。

40歳から65歳未満の方は第二号被保険者と呼ばれ、健康保険の一部として介護保険を支払うことになります。一方、65歳以上の方は第一号被保険者とされ、介護保険料の納付は一生涯続きます。

フリーランスの場合は国民健康保険に上乗せされます。65歳以上になると、年金受給額が年18万円以上の方は年金から天引きされます。

⑥個人事業税

個人事業税は、事業に対してかかる税金です。業種によって0~5%と税率が異なります。また、所得が290万円以下の場合は免除されます。

引用:個人事業税|東京都主税局

確定申告をもとに各自治体が計算を行い、8月に納付書が送られてきます。支払いは一括か2回(8月・11月)を選べます。

⑦消費税

消費税は、前々年の課税売上が1,000万円を超えるとかかる税金です。課税売上とは消費税がかかる売上を指すため、フリーランスで年収1,000万円を達成したら消費税がかかるくらいの認識で大丈夫です。

例えば、2020年の年収が1,000万円を超えていると、2022年は消費税を支払う義務が生じるということです。消費税は確定申告の際に自分で計算し、翌年3月31日までに納付する必要があります。

年収別フリーランスの手取り額シミュレーション

ここまでの内容を受けて、「結局、自分の手取りはどのくらいになるの?」と疑問を感じている方もいるはずです。そこで、ここからは年収別に大まかな手取り額を紹介していきます。

なお、実際の手取り額は、収入の得方や経費・控除の利用度合いなど様々な条件に応じて変わるため、あくまでも目安として参考にしてください。

今回は計算をシンプルにするために、以下のような条件でシミュレーションをしています。(弥生株式会社が提供する「個人事業主のかんたん税金計算」を使用)

・一人暮らし(配偶者なし)
・職業:エンジニア(個人事業税は0%)
・年齢:27歳(介護保険料の支払いなし)
・毎年の年収は変動なし
・経費は年収の10%
・青色申告を適用
・使用する控除は、「基礎控除」「青色申告特別控除」「社会保険料控除」のみ
・国民年金保険料は年20万円(令和3年4月~令和4年3月の月額保険料16,610円をもとに概算で算出)※参照:国民年金保険料の変遷|日本年金機構
・消費税:10%

年収200万円のケース

収入:2,200,000円(税込)
経費:220,000円(税込)
所得税:33,000円
住民税:75,000円
国民健康保険料:132,000円
国民年金保険料:200,000円

手取り:1,540,000円

年収400万円のケース

収入:4,400,000円(税込)
経費:440,000円(税込)
所得税:169,000円
住民税:273,000円
国民健康保険料:316,000円
国民年金保険料:200,000円

手取り:3,002,000円

年収600万円のケース

収入:6,600,000円(税込)
経費:660,000円(税込)
所得税:505,000円
住民税:471,000円
国民健康保険料:500,000円
国民年金保険料:200,000円

手取り:4,264,000円

年収800万円のケース

収入:8,800,000円(税込)
経費:880,000円(税込)
所得税:909,000円
住民税:669,000円
国民健康保険料:684,000円
国民年金保険料:200,000円

手取り:5,458,000円

年収1,000万円のケース

収入:11,000,000円(税込)
経費:1,100,000円(税込)
所得税:1,363,000円
住民税:867,000円
国民健康保険料:820,000円
国民年金保険料:200,000円
消費税:900,000円

手取り:5,750,000円

なお、フリーランスは毎月の収入に波があり、多いときもあれば少ないときもあります。上手くいっているときほど気が緩んで無駄遣いをしてしまいがちですが、後から税金や社会保険料の支払いに困ることが無いように注意が必要です。

そのためにも、ザックリとでもいいので、どのくらいの税金や社会保険料が発生するかは把握しておくと良いでしょう。

フリーランスが手取りを増やすための対策3選

大まかにでも手取り額が分かってくると、どうしたらもっと手取りを増やせるかが気になるかと思います。

この章では、フリーランスが手取りを増やすための3つの対策を紹介します。

経費を漏れなく計上する

手取りを増やすうえで最も簡単にできるのは、経費を漏れなく計上することです。業務をするうえで生じた経費を計上することで節税になります。

例えば、得意先との接待で使用したカフェ代や、業務で使用するコミュニケーションツールの費用などが経費にできます。

また、フリーランスの場合は「家事按分」という制度を上手に活用すると良いでしょう。家事按分は、プライベートと仕事にまたがる費用を使用状況によって按分し、仕事に関する部分は、経費にできる仕組みです。

例えば、以下のようなものが、家事按分として認められます。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費

ただし、最終的な手取りを増やしたければ支出は少ないにこしたことはありません。つまり、節税目的で余分なものまで購入するとそれだけ手取り額が減ってしまいます。あくまでも、必要なものを買った際の費用は忘れずに経費に計上するという意識が大切です。

控除をフル活用する

控除の活用も手取り額を増やすうえでは重要です。

全14種類の控除がありますが、全てを覚える必要はなく、自分が該当するものだけ把握しておけば十分です。(2022年2月時点)

名前 主な条件 控除額
基礎控除 全員に適用 所得に応じて0~48万円
扶養控除 年間所得が48万円以下で16歳以上の扶養家族がいる場合(配偶者以外) 38~63万円(扶養親族の年齢などによる)
配偶者控除 年間所得が48万円以下の配偶者がいる場合 13~38万円(控除を受ける本人の所得による)

※配偶者が70歳以上であれば、16~48万円

配偶者特別控除 年間所得が48万円超~133万円以下の配偶者がいる場合 1~38万円(控除を受ける本人および配偶者の所得による)
障害者控除 本人、配偶者、扶養親族が障害を持つ場合 27~75万円(障害の程度による)
勤労学生控除 本人が特定の学校に通っており、勤労による所得がある場合 27万円
寡婦(夫)、ひとり親控除 配偶者との離婚後に婚姻していない場合 寡婦(夫):27万円

ひとり親:35万円

社会保険料控除 社会保険料を支払った場合 その年に支払った全額
生命保険料控除 生命保険料を支払った場合 上限12万円
地震保険料控除 地震保険料を支払った場合 上限5万円
医療費控除 医療費を支払った場合(家族分も含む) 特定の算式で計算し、一定額を超えた額
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済などの掛金などを支払った場合 その年に支払った全額
寄付金控除 特定の寄付や、ふるさと納税をした場合 算出した金額から2,000円を超えた額
雑損控除 災害や盗難による損害を受けた場合 損害金額による

※これらの情報は変わることがあるので、必ず最新情報を確認してください

稼ぎ次第では法人化も検討する

所得が一定レベルを超えてきた場合、法人化を検討してみても良いでしょう。個人事業主として支払う税金よりも、法人として支払う税金の方が手残りが多くなる可能性があるからです。

最終的な手取りは様々な条件が絡み合って決まりますが、所得が1,000万円を超えたあたりから税理士に相談する人が多いようです。

いくら必要?フリーランスに必要な手取り額とは?

より高い年収を目指して自己研鑽に励むことも重要ですが、一方で自分にはどのくらいの収入があれば良いかを知ることも大切です。

そこで最後に、フリーランスとして必要な手取り額を、一緒に算出していきましょう。

収入目標は生活費の把握が基本

初めに、月々の生活費がいくらかかっているかを把握します。これが分からなければ、収入の目安を立てられません。

家計簿をつけるのが苦手という方は、家計簿アプリを使って自動的に生活費を把握する方法もあります。Money Forward MEMoneytreeなどのアプリがおすすめです。

仮に月15万円の生活費がかかっていれば、年間で180万円の手取りが必要になります。

将来も見据えて準備しておきたいお金を計算

次に、少し視点を変えて将来必要なお金について考えていきます。このとき重要なのは、①いつまで働くか、②何歳まで生きるか、という視点です。

例えば、今27歳の方が70歳まで働くとします。そして、人生100年時代とも言われているため、100歳まで生きるとしましょう。この場合、70歳から100歳までの間は収入が途絶えることになります。

つまり、この収入が途絶える30年間が訪れる前に、いくら用意しておく必要があるかを計算しなくてはいけません。

仮に、月々の生活費は今と変わらず15万円かかるとします。そして、これまで払ってきた国民年金を受給して月に5万円は補てんされるとすれば、月10万円、年間120万円、30年で3,600万円のお金が必要になります。

言い換えれば、27歳から70歳までの約43年間で3,600万円のお金を作らなくてはいけないということです。

どう備えるかを決めて目標収入に落とし込む

最後に、将来に必要なお金も見据えて、目標とする収入を把握していきます。先ほどの例でいくと、70歳までの約43年間でどのように3,600万円を準備するかで必要な収入は変わってきます。

例えば、3,600万円を全額貯金で用意した場合、月々に必要な貯金額は約7万円になります。(3,600万円÷30年間÷12か月)

仮に貯金で用意する場合、月々に必要な手取りは22万円(15万円+7万円)、年間で264万円となります。「年収別フリーランスの手取り額シミュレーション」で紹介した年収400万円の人の手取りは約300万円ですので、この金額は十分に賄えます。

ちなみに、将来のお金の準備の仕方に関しては、貯金以外にも様々な方法があります。どの選択肢を選ぶかによって必要な金額も変わるため、FPなどの専門家に相談するのもおすすめです。

お金に強いフリーランスは得をする

フリーランスとして活動する以上、お金の話は切っても切り離せません。ましてや、手取りがいくらになるかは死活問題です。

手取りの金額は、以下の4つの要素で決まります。

手取り=収入ー経費ー控除ー税金

また、手取りを増やすうえでは、収入を上げる以外にも、下記のような対策が有効です。

  • 経費を漏れなく計上する
  • 控除をフル活用する
  • 稼ぎ次第では法人化も検討する

そして、そもそも自分にとっていくらの手取りが必要かが分かれば、目指すべきゴールが明確になり仕事にも精が出ます。

ぜひこの機会に、自分に必要なお金の金額を把握してみてくださいね。