仕事に役立つWebマーケティングの心理学7選!望み通りの結果に導く方法とは

Webマーケティングや広告の世界では、実は多くの心理学に基づいた仕掛けが使われています。
その中には知っていると、広告以外にも応用でき仕事に役立つ心理学もたくさんあります。

そこで今回はWebマーケティングや広告でよく使われる心理学の中から、特に仕事で役立つ7つの考えを紹介します。実際にあなたの仕事でどう使えるか考え、ぜひ取り入れてください。

心理学とは

心理学にはさまざまな分野(行動心理学とか教育心理学など)がありますが、基本的な内容・言葉の意味としては文字通り「心」の「理」を解き明かす学問です。

ある現象に対して、人間の心がどのように反応し、どのような行動に結びつくのかなどを科学的な手法で研究する学問であり、これまで研究によって人の心情と行動・身体のメカニズムを解明してきました。

行動や感情の変化をもたらすため心理学を使う

広告はその広告を見た人の心の中に何らかの変化を起こし、最終的な購買行動に導くものです。

普段意識している人は少ないですが、そのために広告には多くの心理学の要素が詰め込まれているのです。

そしてこれらの心理学は、人に自分が望む行動をとってもらうための手段として、広告以外の分野でもとて便利です。

例えば、
・頑張って作った提案がなかなか通らない時
・関わる人が多く、社内の連絡が上手くいかない時
・自分の仕事に協力してくれる人を増やしたい時
・社外の人と付き合って交友を広げたい時
などにも心理学が役立ちます。

今日から仕事で使える心理学7選

①呼びかけで相手の意識を向けさせる(カクテルパーティー効果)

カクテルパーティーのように大勢の人がいる場合でも、「〇〇さん」と自分の名前を呼ばれると、人はすぐに反応します。

このように普通、人は「自分に話しかけられている!」と思うと、そちらに注意を向けます。どんなに情報があふれていたとしても、自分に関係のある情報は他の情報と分別しキャッチようとするのです。

この心理効果は、広告でよく使われ、
「2020年は絶対〇〇したいひとへ」」
「30代のお肌の悩みを解決します」(30代でお肌に悩んでいる人にメッセージしている)
などのターゲットに呼びかける形で使われることが多いです。
※広告媒体のポリシーによって使用できないもあります。

ターゲットや悩みを明記することで、「これは自分に関係した情報だ!」と感じさせ興味を惹くのです。

この効果は仕事でも使えます。
情報を伝える場合、その情報が誰に向けたものか明記することでより注意深く読んでもらうことができるのです。

②ユーザーに親近感や好意を与える(単純接触効果)

単純接触効果とは、同じ人や物に接する回数が増えるほど対象に対して好印象を抱くという効果です。

例えば最初は好きではなかったTVタレントでも、何度も番組やCMで目にするうちに嫌だったところが気にならなくなり、だんだん好きになっていったというような効果です。

広告の場合、もちろん内容にもよりますが、同じメッセージを繰り返し目にしたユーザーはその商品やサービスに対しての好感度が高くなる傾向があります。

仕事でも営業マンとして最初は何も購入してもらえなかったとしても、情報提供のメールなどで接触を続け、ときどき顔を見せるなど接触をすれば、好感度が上がる可能性があります。

③大勢の声やデータで信用性を上げる(バンドワゴン効果)

バンドワゴン効果とは、多くの人がその価値を認めていればばきっと良いものだろう、失敗しないだろうと考える心理効果です。

広告の場合この効果を上げて、商品やサービスの購入を勧めるために、
「人気雑誌の投票ランキングで1位」
「お客さんの満足度100%」
「売上個数1,000,000個!」
などの文言がよく添えられています。

これらの情報を記載することで「こんなに売れているなら良い商品に違いない」と多くの人は思い、信頼感が増します。

ビジネスの場面で応用するなら、提案の際に客観的に証明できる販売実績を伝えるなどが有効でしょう。

④権威者を使って信用性をあげる(権威への服従原理)

バンドワゴン効果のように、大勢の人が認めているとか、客観的に価値を証明できるデータが無くても、1人の人の推薦で大きな効果が見込める場合があります。

それは、その1人がその分野の権威者、ターゲットに対して権威がある人だった場合です。
人は権威ある人の発言を信じる傾向が強いのです。
例えば、弁護士や医者など専門家の意見は、それだけで正しいように聞こえます。

広告ではターゲットにとっての憧れ・カリスマとして「人気モデル◯◯も愛用するサプリ」というように名前を使う場合があります。

またサプリ系なら、医師や栄養管理士などその道のプロからの推薦の声を載せるなども商品への信頼性を上げるための行為です。

自分の業務分野に関連する権威者と普段から関係を築いておくと、仕事に関して応援してもらえるかもしれません。

⑤こちらの望むものを選んでもらう(松竹梅の法則)

これは、例えば料亭に行って、
・松コース 30,000円
・竹コース 15,000円
・梅コース 7,000円
というメニューがあった時に、多くの人が真ん中の竹コースを選ぶという法則です。

「せっかくだから良いものが欲しい」「高いものは良いに違いない」という気持ちと「無駄遣いはしたくない」「安いものは価値もそれなりのはず」という気持ちが争って、人は結果的に無難な真ん中のコースを選択しがちです。

広告やWebマーケティングでは、この松竹梅の法則を利用して本当に売りたいものを他の商品・サービスでサンドイッチにすることがあります。

例えば、エステで本当に売りたいサービスが「スタンダードエステコース10回券」(10万円)だとして、「プレミアムコース」(30万円)や「ちょいやせコース」(8万円)などを作るのです。

10万円のコースは単体で見ると高いと思われるかもしれませんが、30万円と比較すると安いと感じますし、ちょいやせコースと2万円しか変わらないならしっかりやせるためにも10万円の方にしようかな…
という風に真ん中の金額に納得しやすくなるのです。

仕事で使う時も、あえて他の選択肢作ることで本来選択して欲しいことを、選ばれやすくすることができるでしょう。

⑥単位を変えて印象を変える(シャルパンティエ効果)

伝える情報の単位が変わると、実態は変わっていなくてもより良い印象を受けるという効果です。

例えば、お菓子でよくあるのが、
「レタス10個分の食物繊維」とか「レモン50個分のビタミンC」というような言い方です。
これにより単に20ミリグラムや50ミリグラムと伝えるより「多く入っている」という印象が与えられます。

同じ内容でも人に情報を伝える時には「もっと魅力的に伝えられる方法、言い方はないか」意識してみましょう。

⑦与えられると返したくなる(返報性の原理)

人に親切にされたり、物をもらったりすると、ありがたいと思うと同時に「自分も相手にお返しをしなければ」と感じませんか。
この心理を「返報性の原理」と呼びます。

Webマーケティングや広告でこの原理を使うと、まず最初に無料プレゼントなどで価値ある商品を提供することで、その後お返しとして他の商品の購入やクチコミで外のお客さんを連れてきてくれるなどの効果が考えられます。

仕事の面でも人にしてもらうのを待つのではなく、まずは自分から人に対して貢献することを意識すれば、人々からさらに多くのものを返してもらえるのです。

相手と状況に合わせて心理学を活用しよう

このように心理学で実証されている効果は、Webマーケティングや広告で多く利用されています。

しかし、心理学をたくさん使えばよいというわけではありません。
実際に心理学を応用した広告が増えた結果、ユーザーはその広告の目的に敏感に気付くようになっていますし、行動を促されることで逆に反感を持つというケースもあります。

Webマーケティングや広告、そして仕事でも情報を受けとるターゲットの心理を理解して、最適な方法を選び取ることが必要なのです。