リスティング広告では、キーワードを登録する際に、マッチタイプ(検索方式)を選択することが出来、運用コストと手間を削減することが出来ます。
アクセスを集める為のキーワード選定は非常に重要なことですがユーザーニーズを理解し、キーワード選定補助ツールを使用すれば、そんなに難しい作業ではないのではないでしょうか。
但し、数あるマッチタイプの正しい定義や、活用方法が分からないといった方も少なくないと思います。
そこで今回は、マッチタイプの中でも特に運用コストに影響を及ぼす部分一致のメリット・デメリットについてご説明いたします。
目次
1.マッチタイプとは
マッチタイプとは、下記の4種類の検索方法のことを指します。
- 完全一致
- 部分一致
- フレーズ一致
- 絞込部分一致
では、それぞれの表示される条件とアカウントへの設定方法を詳しく説明いたします。
(1)完全一致
【表示条件】
ユーザーが、検索窓に入力をしたキーワード(検索クエリ)と語順・スペースが完全に一致した場合のみ表示されます。
【設定方法】
入札キーワード:「中古車 買い取り」の場合
[中古車 買い取り]
入札キーワードを[ ]で囲います。
【具体例】
この場合、「中古車 買い取り」で検索された場合のみ、広告が表示されます。
(2)部分一致
【表示条件】
ユーザーが、検索窓に入力をしたキーワード(検索クエリ)の関連性のあるキーワードや類義語など、幅広いキーワードで広告が表示されます。
【設定方法】
入札キーワード:「中古車 買い取り」の場合
中古車 買い取り
入札キーワードをそのまま登録します。
【具体例】
この場合、「中古車 買い取り」に関連する全てのキーワードが検索された際に、広告が表示されます。
(3)フレーズ一致
【表示条件】
ユーザーが、検索窓に入力をしたキーワード(検索クエリ)の中に、入札キーワードが語順通り含まれる際に表示されます。
【アカウント設置方法】
入札キーワード:「中古車 買い取り」の場合
“中古車 買い取り”
入札キーワードを“ ”で囲います。
【具体例】
この場合、「中古車 買い取り」に関連する全てのキーワードが検索された際に、広告が表示されます。
(4)絞込部分一致
【表示条件】
ユーザーが、検索窓に入力をしたキーワード(検索クエリ)の中に、入札キーワードが語順通り含まれる際に表示されます。
【アカウント設置方法】
入札キーワード:「中古車 買い取り」の場合
+中古車 買い取り
入札キーワードの一部の前に半角の「+」を付けます。
【具体例】
この場合、「中古車」とそのキーワードのブレ(タイプミスや送り仮名の間違い)と、「買い取り」に関連する全てのキーワードが検索された際に、広告が表示されます。
マッチタイプ毎のキーワード拡張イメージを下記に図説致します。
2.部分一致って必要あるの?
前途説明にあります各マッチタイプの中でも、「部分一致」に関しては入札キーワードからの拡張幅が大きく、意図するキーワードと関連性が低く、かけ離れたキーワードが検索をされた時にも表示される可能性があります。
一見、絞込部分一致での配信の方が効果的に見えてしまう方も少なくないのではないでしょうか
(※部分一致と絞込部分一致の違いについては、後程詳しく説明いたします)。
そこで、部分一致のメリットとデメリットを正しく理解し、最適なマッチタイプの選択をすることは非常に重要なことになりますので、確認していきましょう。
2-1.部分一致のメリットとデメリット
メリット①~潜在層への訴求が可能になる~
幅広いキーワードで、広告が表示されることにより、表示回数も増加されます。
それにより、顕在層だけではなく、潜在層を含めたより多くのユーザーに対して訴求をすることが出来ます。
メリット②~多方面のユーザーニーズをキャッチし、新たな訴求が可能になる~
広告主が想定出来ないような検索語句までも広告表示をすることが出来ます。
キーワードの拡張幅が広い為、多方面のユーザーニーズに対して、幅広く訴求することが出来、検索クエリにて、広告主が想定出来ないような、ユーザーニーズを確認することが出来ます。
その為、新たな訴求軸の発見が出来、商品の売り出し方やキャッチコピーなどの活用することが出来ます。
デメリット①~関係のないユーザーまで配信される~
キーワードの拡張にともなった、表示回数の増加により、関係のないユーザーにまで訴求してしまい無駄な広告費用が増えてしまいます。
デメリット②~除外キーワードの設定に手間がかかる~
流入キーワードが増加する為、検索クエリの確認頻度と除外キーワード登録頻度が増えて手間がかってしまい、放置期間が長くなることにより、無駄な広告費用が発生する恐れがあります。
それでは、メリットとデメリットをふまえた上で、効果的な部分一致の使い方についてもご紹介させて頂きます。
下記のような目的を達成する場合には、部分一致の効果も飛躍すると思われますので、是非参考にしていただければ幸いです。
2-2.部分一致の効果的な使い方
(1)配信キーワードの設定を短縮したい場合
商品やサービスのユーザーニーズを網羅した配信キーワードの設定を行うには、どうしても時間や労力が必要になってしまいます。
部分一致を選択することで、システムの自動認識により設定したキーワードに関連するキーワードに自動的に広告を配信してくれる為、大幅な時間短縮に繋がります。
Googleでは、1日の検索の中で20%の検索語句がそれ以前の90日間では検索が行われていない、というデータがある為、実際にひとつひとつのキーワード考えて完全一致で設定するよりも効率的であるといえます。
(2)効果の高いキーワードに費用を寄せたい場合
ほとんどの広告主の方が、無駄な広告予算は使いたくないはずです。
言い換えると、効果的なキーワードに対してはより多くの費用をかけたい、と考えている方も少なくないはずです。
部分一致でキーワード設定をした場合ですと、クリック数やクリック率が悪いキーワードの場合、そのキーワードの関連性のあるキーワードや類義語に対しての広告配信が停止します。
その為、無駄な広告予算を抑え、より効果的なキーワードに予算を寄せることが出来ます。
上記のように、正しい「部分一致」の性質を理解することにより、時間や労力だけではなく、無駄な広告費用さえ削減することが出来ます。
但し、以下に該当される方は、「部分一致」よりも「絞込部分一致」を使用された方が、より効果的な場合があります。
その理由について、詳しく説明させて頂きますので、アカウントの最適化にお役立てください。
2-2.部分一致のままだと要注意!?こんな方は「絞込部分一致」へ
(注意①)部分一致にて設定しているが、「品質スコア」が中々上がらない
部分一致では、関連性の無いキーワードにも配信されてしまいます。
その為、除外キーワードの設定がこまめに行われておらず、あまりに多くの無関連なキーワードに配信されることにより、品質スコアが下がる恐れがあります。
(注意②)部分一致でキーワードの拡張をしているが、除外キーワードの設定に時間がかかりすぎている
除外キーワードの設定に時間がかかりすぎており、それだけで時間と労力がかかってしまっていると、(1)と一部重複しますが、品質スコアが上がらず、人件費や無駄な広告費用も発生する恐れがあります。
そんな方へおすすめしているのが、「絞込部分一致」です。
2011年から本格的に普及しましたが、まだまだ浸透はしていない印象を受けます。
絞込部分一致は分かりやすく説明すると、「フレーズ一致と部分一致の間のマッチタイプ」なので、関連度の高いキーワードを程よく拡張することが出来ます。
その為、部分一致と比較すると精度の高いユーザーに対し配信を行うことが可能で、除外キーワードの設定も少なくて済みます。
絞込部分一致を活用することで、部分一致で問題視されることはほとんど解決するといっても過言ではありません。
もし皆さまが、部分一致の設定でお悩みの場合は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
3.まとめ
部分一致は、入札キーワードの登録においては、最も短時間でユーザーニーズを考え込んでキーワードを絞り出す必要性はありません。
但し、除外キーワードの登録頻度を高め、継続して行うことを前提です。
また、部分一致よりもより細かい設定をされたい方は、絞込部分一致にて登録をされることをおすすめします。
上記を徹底することにより、ユーザーニーズを網羅した広告運用に近づいたアカウントになる可能性が高くなりますので、リスティング運用の効果改善に繋げていただければと思います。