SNSとは?Webマーケティングに欠かせないSNSの種類と特徴を解説

FacebookやインスタグラムなどのSNSは、人と人のつながりを作りコミュニケーションをする上で、今やなくてはならないものになりました。

また、それだけ一般ユーザーの生活に深く浸透したということは、Webマーケティングの観点からも非常に効果が高い媒体だということです。

この記事では、SNSがWebマーケティングに欠かせない現状と理由、また日本で主に使われているSNSの種類と特徴・活用方法について解説します。

購買活動においてSNSの存在感は大きくなっている

SNSとはFacebookやTwitterなど、Web上で社会的ネットワークを構築し人と人の交流やつながりを提供するサービスを指します。

数年前まで、Web広告の世界ではGoogleやYahoo!が提供する検索連動型広告が中心でした。

しかし2015年のFacebook広告のリリース以来、SNSを使った広告がさまざまに公開され、今ではSNSもWeb広告の主戦場の1つとなっています。

検索連動型広告も変わらず高い頻度で使用されています。
しかしその「最終的な検索行動」に至るまでにはSNSの影響も強く、実際の影響力は数字以上のインパクトがあると考えられます。

SNSを起点とした新しいユーザーの行動モデルとは

SNSがユーザーの購買行動に大きく影響していることを盛り込み、ユーザーの行動パターンとしても新しい「ULSSAS」という行動パターンが考えられました。

U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
L:Like(いいね・興味を持つ)
S:Search1(SNSで検索する)
S:Search2(GoogleやYahoo!で検索する)
A:Action(購買行動をとる)
S:Spread(情報を拡散する)

ULSSASではSNSの投稿を見て、いいねをして、SNS上の情報を調べてから、自分でも商品を買うために価格や店による内容の違いをGoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って検索すると考えます。

そして購入が終わったら、その商品やサービスの感想をSNSの投稿するのです。
それを見てまた違うユーザーがいいねを押して…と、SNSを起点とした行動サイクルになっているのです。

ユーザーはSNSをより信用している

どうしてSNSの情報がユーザーの購買活動に大きく影響を与えているかというと、ユーザーがSNSの情報をその他の情報より信頼しているからです。

Web上には近年、検索結果に表示される広告や、商品にとって都合のよいクチコミサイト、ランキング情報などが多くなりました。

消費者センターに注意を受けるような情報も多くなり、Webサイトに掲載されている情報の信用性が損なわれてしまったのです。

そこでユーザーは、常日頃から情報を発信している人のSNSの言葉であれば信じられるし、真実に違いないと考えるようになりました。

信用や信頼は1日では築けないので、急遽作成したアカウントでヤラセのレビューやクチコミをしても、普段の投稿を見たらそれが信用に足るかどうかは判断できます。

SNSの人気は、このような経緯で「本当のことが知りたい」「ダマされたくない」と思う人が流れ込んだ結果とも言えます。

一方多くの人が信用するとなれば、そこに自分に有利な情報を掲載したい、情報を拡散したいと思う人や企業もいます。

いわゆるステルスマーケティングと呼ばれるものですが、最近ではPRであることを伏せてSNSで映画のプロモーションを行ったケースが強く非難されました。

企業はこのような行いが今後、ユーザーの信頼を大きく損なう可能性があると理解しておく必要があります。

主なSNSの特徴

日本で主に利用されているSNSは数種類ありますが、それぞれユーザー層や使われ方に特徴があります。

普段自分が使う分には意識しませんが、SNSをWebマーケティングで活用するためにも、SNSそれぞれの特徴を理解しておきましょう。

実名登録が基本でビジネス向きのFacebook

SNSの代表格とも言えるFacebookですが、国内の利用者数は2,600万人ほどで最近ユーザー数が伸びていません。
若年層では利用者が少なくなっており、比較的年齢層の高い20~40代にビジネス目的で利用されることが多いです。

実名登録が基本という特徴があるので、比較的リアルの人間関係が反映されるSNSです。

男女や年齢、学歴や既婚未婚などの情報にも嘘や間違いが少なく、個人についてかなり正確な情報を持っています。
この詳細なデータは広告を表示する際に活かされています。

興味・関心で人とつながれるTwitter

140文字以内で、その時々思ったことや話題になっていることに対してつぶやくSNSです。
興味のあるアカウントをフォローするとタイムラインでつぶやきを見ることができ、リアルな人間関係より興味や関心でのつながりが多いです。

匿名での利用が多いですが、最近は実名や職業・勤務先を指して情報発信に使うケースも増えてきました。

自分の興味がある分野の著名人でもTwitterを使って情報を発信しているケースがあるのでチェックしておくと、他では手に入らない情報やリアルタイムの情報得られることもあります。

Twitterの特徴はその拡散性です。1つのツイートが注目を集めると、あっという間に何万、何十万のいいねやリツイートをもらえます。
この拡散に費用はまったくかからないため、企業としては上手く情報発信や認知の拡大に使いたいと思っています。

一方問題になりやすいのは、炎上です。
フォロワーの少ない人などが身内に発信するような気持でしたツイートでも、その拡散性の高さから一気に多くの人の目に触れ、思いもよらぬ非難を受けることになります。

またそれ以外のツイート内容から身元や勤務先の特定が行われるなどのトラブルもあります。
つぶやきの向こうに多くの人がいることを忘れないことが重要です。

幅広い年齢層に使われ利用者が急増したInstagram

スマホのカメラアプリで撮影した写真を、その場でアップしてシェアできるSNSです。国内の利用者は3,300万(2019年3月時点)であり、世界的にもユーザー数を伸ばしています。

話題になり始めた当初は若年層女性が利用者の中心でしたが、現在では40代までを含む幅広い年代の男女に利用が広がっています。

インスタグラムで注目されるのが、インフルエンサーと呼ばれる影響力の強い人々の存在です。
彼らが着た服や持った商品が在庫切れを起こすほど売れるなどの現象が生まれ、一般人でありながらタレントのような影響力を持っています。

若年層では投稿につけるハッシュタグで情報を検索することが多く、従来の検索エンジンを使った情報検索から行動が変わってきています。

日本一の利用者数を持つLINE

無料で通話やチャットができます。メッセージアプリとしての使われ方がメインですが、日本で一番利用者が多いSNSです。

グループ機能やタイムラインなどのSNSとしての機能もあり、企業の公式アカウントが情報発信に使うことも多くなっています。

メッセージアプリとしての機能を使って、ユーザーとの1対1でのコミュニケーションがリアルタイムできる点が、Webマーケティングの世界では注目されています。

Web業界でのSNS活用例

SNS広告で狙ったユーザーに情報を届ける

Facebookをはじめ、SNSはWeb広告の出稿先としても非常に大きな成果を出しています。

従来は情報を検索した結果から情報サイトを見に行くというのが主な行動パターンでした。
しかし今は、情報を探すより興味のある情報が集まってくるSNSを見る時間のほうがずっと長くなっています。

Facebook広告、Twitter広告、インスタグラム広告など主なSNSは、実際に成果が出やすい広告として今非常に人気です。
またプラットフォーム側もユーザーの行動がよりスムーズに起こるように、機能の改善を勧めています。

その結果、インスタグラムでインフルエンサーが身につけた商品が店舗で飛ぶように売れる、という間接的な影響ではなく、今はインスタグラムの投稿から直接商品を購入できるようになっています。

またSNSは利用者個人の情報を持っており、正確に広告の出向先をターゲティングできます。
プライバシーの観点から今後広告に使われる手法自体は変わるかもしれませんが、狙った人に正確に出せるというSNSのメリットは今後も維持されると考えられています。

「中の人」が人気、企業情報発信に利用

最近はSNSを使ったブランディングや広報活動、またキャンペーンも積極的に行われています。

SNSの特性として運用している中の人に注目が集まりますので、企業の公式アカウントより社員が個人で運用しているアカウント、もしくは企業の広報でもその中の人の人間性が伝わるようなアカウントが人気です。

Webマーケティング会社の中には社員に会社名を入れたアカウントでのツイートを奨励している会社もあります。

単なる企業の情報発信だけでなく、個人の考え方や行動を発信することになるので炎上のリスクもあります。

しかし運営している人の人間性を感じることで、よりユーザーに親しみや発言の真実性が感じられます。
上手に運用ができれば企業の認知度やイメージアップに大きく貢献します。

採用したい人を一本釣りできるリクルート活動

従来の就職・転職活動といえば、企業の募集情報を求職者が見つけて応募するものが中心でした。

しかしSNSの発達によって個人の情報発信が簡単になり、Twitterで自分のスキルや経験について情報発信をする人が増えています。
そして企業の方もそのような情報を見て、これはという人に誘いの声を掛けるケースが増えているのです。

SNSでの投稿を通じて考え方や人格、スキルのレベルまであらかじめ確認できるので、企業としても履歴書やエントリーシート、面接という限られたシーンの情報で判断するより確実に相手を知ることができると考えられます。

また就職・転職希望者や、仕事を求めるフリーランスの人にとってはSNSで情報発信をすることで、より自分の求める仕事を得やすい環境が整ってきています。

SNSでトラブルを招かないための注意点

SNSはこのように企業にとって情報発信、集客、採用と重要な局面で役立つツールになりました。

しかしリスクとして存在するのは、企業イメージを損なう内容が拡散されることや非難が殺到する炎上です。炎上が起こると、企業のイメージを一瞬で大きく損なう可能性があります。

このような自体を防ぐためには、会社に関連するアカウントにある程度のルールを決めておくことが必要です。

ターゲットと内容を決めておく

会社か関与して行うSNSの投稿は、内容の方向性を一貫させるためにある程度投稿内容のルールを決めておくことが必要です。

例えば文体(丁寧語でツイートするなど)、反応があった時の対応(積極的にリプライするのか、いいね程度の反応にとどめるか)、冗談でも否定的な言葉・乱暴な言葉を使わないなどです。

このような具体的なルールを定めることで、SNSの運用を個人に任せることになっても最低限のトラブルは回避できます。

誤解を招く言葉遣いを避ける

多くの人がいるSNSで誤解を招くような発言をすると、自分の意図とは違った受け取られ方をしかねません。

自分としては愛があるからこそ少しけなすような言い方をしたつもりでも、人によっては言葉通りに「バカにされた」と受け取ってしまう場合もあるのです。

個人の場合なら「そのような受け取り方をするなんて読解力がない」という反論もできそうですが、会社が関わってくる場合にはそれではすみません。

さまざまな立場・考え方をする人がいることを前提に、誤解される余地のない言葉遣いをするのが賢明です。

問題があった時の対処方法を決めておく

SNSの場合、炎上となったら情報の拡散は早いです。場合によっては、営業自体にも影響が出る可能性もあります。

こうなってから対処方法を考えていては後手に回ってしまうので、あらかじめ炎上や問題が起きた場合の対処方法を考えておきましょう。

これまで企業の炎上案件で、最初の対応が悪かったばっかりに炎上が長引き企業イメージへの悪影響が大きくなったケースもあります。

基本的にはツイートを削除したりごまかしたりせずに、きちんと問題点とそれに対する反省を明らかにする方が傷も浅く済む傾向にあります。

ただしそれも内容によって変わってくるので、いくつかの選択肢を用意し、いざという時の意思決定のルールも策定しておくと安心です。

SNSの特徴と危険性を理解して活用しよう

SNSは情報発信という点でも情報収集という点でも、一般の生活に深く浸透しています。
企業としても広告を出して直接商品を販売することもできるし、認知度アップのための情報発信から採用活動まで活用でき有用性には疑う所がありません。

今の社会ではSNSをうまく使いこなせればそれだけ、優れた情報や成果を手に入れられるといえるでしょう。炎上リスクなどの悪い面もありますが、正しい方法で利用すれば個人でも企業でも大きな成果につながります。

SNSそれぞれの特徴・傾向や気をつけるべきポイントを覚えて活用してください。