リスティング広告を運用していると、キーワードの登録、広告文作成、キャンペーン分けなど未だに多くの工数がかかってしまうのは現状です。
しかし、キーワード登録をおろそかにしてしまうと、ユーザーが検索して来た時に自社の広告が掲載されず、機会損失を起こしてしまう可能性が高まる為、広告を出す側としてはどうしても行わなければならない作業になります。
最近では様々なツールが出てきた為、一昔前よりはキーワードやアカウント構築の時間は短くなりつつありますが、まだ全自動で任せるまでにはなっていません。
そこで、GoogleAdWordsの「動的検索広告」で手軽にCV増加が狙える為、本記事で解説していきます。
1.動的検索広告の概要
「動的検索広告」とは、「キーワード登録不要」で広告を出したいサイトと説明行を設定すると、AdWordsのシステムがサイト内の情報を分析し、そのサイトのコンテンツに基いて自動的に広告を表示する機能です。
例として、自社がリフォームのサイトを販促する場合は「リフォーム」などのキーワードはご自身で登録すると思いますが、「キッチン リフォーム 相場」などの自分では未登録のキーワードが検索される事もあります。
その際、AdWordsの分析で自社のサイト内にそのクエリのコンテンツがあると判断された場合、広告文の見出しが生成され、リンク先ページはそのクエリに近しいものがリンクされます。
また、「賃貸マンション」などのキーワードが検索された場合は、そのコンテンツはサイト内に無い為、こちらのクエリには反応せず、広告表示はされないという事になります。
この優れた点は「クエリとサイトを自動リンクさせる」というものだけではなく「広告主が登録していない有効なキーワードもカバーしてくれる」という点です。
AdWordsが出しているデータでは以下のような結果となっています。
- 3語以上の検索クエリの占める割合 54%
- 過去6ヶ月に検索された事のない新規検索クエリの占める割合 20%
- 検索クエリのうち完全に一致する入稿キーワードの割合 30%
このデータから解るように、我々の人的な入稿キーワードではカバー出来ていない検索クエリは非常に多い為、「それらのキーワードをユーザーが打ち込んだ場合に広告表示出来ていない」という機会損失が常に起こっています。
とは言え、3語や4語の掛けあわせキーワードを登録するとなると何パターンも考えられる為、全て設定するにはかなりの工数と時間がかかります。
それを自動カバーしてくれるのが「動的検索広告」になります。
やはりユーザーは様々な言葉を駆使して検索してくる為、広告主の想像していないキーワードの取りこぼしを防いだり、新たなキーワードの発掘として活用出来るのが大きなメリットになります。
2.成功事例
事例1
獲得が出来ている案件でしたが、サイト修正中ですので運用を停止しております。
成約率が高いサイトにすることが出来れば、更に安く獲得出来ると判断しています。
事例2
獲得がされにくい案件でしたが、実際にどのような検索語句で獲得出来るのかを確かめる為に出稿しました。
現在は、検索語句で獲得出来ていたキーワードをメインにキーワード登録しております。
3.設定方法
設定方法は簡単で、まずAdWordsで動的検索広告専用のキャンペーンを作成します。
そして、タイプを「検索ネットワークのみ – 動的検索広告」を選択します。
次に、動的検索広告を使用する際の元になるサイトを登録します。(ここの情報を分析して広告を配信していくことになります!)
そして、広告グループを一つ作成し、広告文設定で見出し以外の説明行1と2と表示URLを任意で設定していきます。
これで設定は完了です。
慣れれば5分で設定が出来ます。
4.注意点
サイト内の情報を読み込む為、ランディングページなどの1枚ペラページのようなものではGoogleにインデックスされているページが少ない為、うまく表示回数が増えない事があります。
その為、向いているサイトとしては、商品ごとのページが多様にあり、在庫の変動が激しいサイトなどは新商品が出る度にキーワードを設定しなければならない為、この機能を補完的に使うのも有効です。
※ページ内に「クオカードプレゼント!」などの直接自社商品とは異なるコンテンツがある場合、「クオカード」というクエリに自動反応してしまう事もありますので、広告出稿後のクエリチェックは欠かさず行ってください
まとめ
動的検索広告は「自動だから楽」という単純な事だけではなく、人的リソースではカバー出来ない細かいクエリをカバー出来るのが一番のメリットです!
その為、まずは主要なキーワードはしっかりと登録し、それ以外の4語や5語の掛けあわせなどは動的検索広告でカバーするという混合させた運用が理想的です。
AdWordsに全自動で任せるのはまだまだ精度が完璧ではない点もありますが、それでも機会損失を防ぐ有効な手段のひとつになりつつある為、これらの機能とうまく付き合っていくのがCV増加に繋がりますので、是非試してみてください。