【徹底解説】リスティング広告の費用を決める5つの方法と9つのコツ

リスティング広告,費用

「リスティング広告の費用っていくらから始めればいいのだろう?」

これからリスティング広告を始めるにあたって、このような疑問を持つ人はとても多いのではないでしょうか。

実際、私達は日々様々なクライアント様のリスティング広告を運用させて頂いていますが、「いくらから始めればいいの?」と質問される機会は非常に多いです。

そこで今回は、初めてリスティング広告を始める際に予算を決める5つの方法と費用を安く抑える7つのコツをまとめてみました。

リスティング広告は、ただお金を掛けるだけじゃなく、いかに効率よく運用するかがポイントです。広告費決定のポイントと合わせて、費用を安く抑えるポイントもマスターしてしまいましょう。

リスティング バナー

そもそもリスティング広告とは

本題に入る前に、リスティング広告の概要について、お話ししていきます。

リスティング広告とは?

リスティング広告とは、グーグルやヤフーの検索画面に表示される広告や、サイトに表示されるバナー(画像)広告の事であり、顕在層(見込み客)向けの広告になります。

検索結果に表示される広告はユーザーがその商品を必要としている可能性が高い為、効果の高い広告の1つとして有名です。

リスティング広告とは

リスティング広告の課金方式とは?

そもそもリスティング広告は、広告がクリックされる度に広告費が発生する「クリック課金方式」を採用しています。

ですので、リスティング広告を出しても、広告が一切クリックされなければ、費用は1円もかかりません

「クリック課金方式」

リスティング広告の費用の相場はいくら?

リスティング広告を始める際の費用の相場は、1ヶ月30万円~50万円前後になります。

業種や業界、商品によって相場は変わってくるのですが、弊社が初回契約の際に運用させて頂く相場が、大体30~50万円くらいになります。

予算を決める5つの方法

リスティング広告を初めて導入する場合は、「まずは月予算5万円で行こう」など、どんぶり勘定で決める事も出来ますが、いくつか基準となる考え方があります。

今回はその中でも、非常に有効な5つの方法をご紹介します。

予算を決める5つの方法

方法1.売り上げ目標をベースに決める

単純に、リスティング広告で売り上げたい金額をベースに予算を決める方法があります。

クリック単価とコンバージョン率(成約率)を仮定し、売り上げたい金額を決める事で、予算を算出します。

例えば、月100万円の売り上げをリスティング広告で上げたい場合、単価が2万円の商品だと、50個販売する必要があります。

売り上げ目標 例

この時、コンバージョン率(商品購入率)が1%で、クリック単価が100円だった場合、広告費として50万円必要になるので、50万円を予算とします。
※コンバーション率1%、クリック単価100円は良く使われる指標になります

必要なクリック数 予算計算式

方法2.キーワード単価をベースに決める

メインとなるキーワードの平均クリック単価を出し、予算を決める方法があります。
※平均クリック単価の出し方は次の記事を参考にしてみて下さい

リスティング広告のクリック単価の調べ方と相場・目安を一挙公開!

クリック単価を相場のクリック単価、コンバージョン率を1%と仮定し、販売本数を決める事で、予算を算出します。

例えば、平均クリック単価が150円だった場合、コンバージョン率を1%に仮定します。

リスティング広告で商材を10個販売する場合、15万円の予算が必要になります。

キーワード単価 必要なクリック数 キーワード単価 予算計算式

方法3.損益分岐点をベースに決める

これまでより、少し複雑ですが、損益分岐点をベースに予算を決める事も出来ます。

損益分岐点とは、「黒字と赤字の境目の事」になります。

CPA(販売コスト)が損益分岐点を超えないように設定し、予算を算出します。

例えば、1万円の商品1つの製造~販売コストが4,000円だとすると、商品が1つ売れれば6,000円の利益が発生します。

商品を1つ売るのに掛かる広告費が、この6,000円を超えると赤字になってしまいます。

損益分岐点

ですので、目標CPAを6,000円以下(今回は5,000円と仮定)に設定し、販売したい商材が50個だとすると、予算は25万円必要になります。

損益分岐点 予算計算式

方法4.LTVをベースに決める

先程の損益分岐点の考え方の応用版として、LTV(ライフタイムバリュー)を使って予算を決める事も出来ます。

LTVとは、「最終的にお客さんがもたらしてくれる利益」の事で、簡単に言うと「何回リピートしてくれるか」という事になります。

例えば、先程の1万円の商品(利益6,000円)を、1年間で3回購入してもらえる場合、1年間の利益は18,000円になるので、CPAが18,000円を超えなければ、1年間のトータルで見た時赤字になりません。

LTV

その為、18,000円を上回らないCPA(今回は15,000円)を目標に出来る為、同じ商品・同じ販売個数であっても、予算は75万円まで大きくなります。

LTV 予算計算式

方法5.現在の総売り上げをベースに決める

現在の総売り上げをベースに、広告費を決める事も出来ます。

一般的に、現在の総売り上げの5%~10%が広告費として使う一つの目安とされています。

例えば、月間300万円の売り上げを上げている場合、広告費として使える月の予算は15万円~30万円となります。

現在の総売り上げ 予算計算式

それでも迷うあなたへ

これまで紹介してきたような、さまざまな広告予算の決め方がありますが、それでも迷ってしまう場合は、とりあえず30万円~50万円を月の予算として決めてしまいましょう。

1日辺り50クリック以上集めることが出来れば、色々とデータも揃ってくるので、リスティング広告をうまく回していくことが出来ます。

ここまでは、予算を決める5つの方法をご紹介してきましたが、次からはリスティング広告の費用を抑える7つのコツをご紹介していきます。

リスティング広告の費用を抑える9つのコツ

リスティング広告で使う予算が決まったら、いよいよ広告を配信することになるかと思いますが、リスティング広告の費用を抑える方法をこれから紹介していきます。

これさえ知っておけば、広告を配信してからも無駄な広告費を使わずに、効率よく広告を配信していくことができますよ。

リスティング広告の費用を抑える9つのコツ

コツ1.キーワードの除外を行う

リスティング広告を行う場合は、必ずキーワードの除外設定を行いましょう。

キーワードの除外設定とは、「設定したキーワードでユーザーが検索した際に、広告を表示しない設定」の事になります。

例えば、「リスティング広告とは」というキーワードを除外登録しておくことで、「リスティング広告とは」で調べられた時に、広告は表示されません。

広告の配信し始めの時期は、思った以上に必要のないキーワードにも広告が表示されてしまうので、必要のないキーワードで広告が表示されないように、除外キーワードの登録を行っていきます。

例えば、弊社はリスティング広告の運用代行を行っているのですが、次のようなキーワードで広告が配信されても、意味がないですよね?

  • 「ランディングページ 作り方」
  • 「リスティング広告とは」
  • 「広告 種類」
    ・・・

こうしたキーワードは、どんどん除外登録していきましょう。

コツ2.品質スコアを上げる

リスティング広告には品質スコアがあり、このスコアが大きい程広告費はどんどん少なくなっていきます

品質スコアとは、「検索したキーワードと広告の関連性」を示したものであり、ざっくり言うと次の3つが影響しています。

  • 広告のクリック率
  • キーワードと広告の関連性
  • LPやHPの利便性
    ※広告をクリックした時に、表示されるページ

広告のクリック率が高かったり、検索したキーワードと広告が関係していたり、LPやHPが使いやすいと、ユーザーにとって質が高い広告となるので、品質スコアも高くなります。

品質スコア 違い

当然ですが、この場合は左の方が品質スコアは高いです。

品質スコアが高いと広告費が安くなるのはなんで?

リスティング広告は、入札制で表示順位が決まりますが、入札は「入札金額と品質スコアを掛け合わせた広告ランク」というものが使用されます。

品質スコアが高くなると入札金額を安く抑えることが出来るので、広告費を安く抑えることが出来ます。

品質スコア 広告費※入札額が最も多いA社ではなく、入札額は少ないが品質スコアの高いB社の方が上位表示される

また、クリック単価は実際に入札した金額ではなく、「競合の広告ランクを自社の品質スコアで割って1円を足した金額」になるので、品質スコアが高い方が同じ掲載順位でもクリック単価が安くなります。

クリック単価 品質スコア

自社の品質スコアが5だった場合、実際に支払うクリック単価は211円と倍近く多くなってしまいます。

コツ3.キーワードごとに予算配分を行う

リスティング広告をスタートする際、とりあえず全てのキーワードの入札単価を揃える事も少なくないのではないでしょうか。

最初のうちはそれで大丈夫なのですが、しばらく経ってくると、コンバージョン(成約)が見込めるのに表示されないキーワードや、そこまで見込めないのに上位表示されるキーワードが出てきます。

そうしたキーワードの特徴を基に、キーワード単位で予算配分をしていく事が重要です。

コツ4.ロングテールキーワード獲得する

あまり検索されないキーワード(ロングテールキーワード)でも、コンバージョンを獲得出来る事も少なくありません。

ロングテールキーワードとは、「検索ボリュームが少なくあまり検索されないキーワード」の事であり、簡単に言うと「普段検索されないけど、検索されると高い確率でCVが生まれる」キーワードの事になります。

ロングテールキーワードは、クリック単価も安い傾向があるので、そこでコンバージョンを獲得できると、全体的な費用を下げることが出来ます。

例えば、下記のようなキーワードであれば、下に行くほど検索ボリュームが少なく、ロングテールキーワードと言えます。

  • 「東京 プライベートジム」
  • 「東京 プライベートジム おすすめ」
  • 「東京 プライベートジム おすすめ 40代」

コツ5.配信先を限定する

リスティング広告では、広告の配信先を絞ることが出来るので、必要のない場所や時間の広告は、どんどん無くしていきましょう。

基本的なものとして、次の3つは必ず確認するようにしましょう。

  • 配信地域
  • 配信時間
  • 配信先デバイス(PCやスマホ)

例えば、東京限定のサービスで、平日しか営業していない場合、東京以外の地域や休日に広告を配信しても意味ないですよね?

コツ6.ターゲットを限定する

リスティング広告では、年齢や性別を絞って広告を配信することが出来るので、ターゲットもしっかり絞って配信するようにしましょう。

全体の8割くらいは性別・年齢が不明となってしまうので、効果そのものは高くありませんが、2割くらいはしっかり判別出来るので、やった方が確実に費用を抑えることが出来ます。

コツ7.コンバージョン率を上げる

リスティング広告では、コンバージョン率が非常に重要になってきます。

コンバージョン率が1%⇒2%になるだけで、CPAが半分になります。

ただ、コンバージョン率に関しては、リスティング広告で出来る部分もありますが、LP(ランディングページ)によって、大きく変わってきます

リスティング広告に真剣に取り組んでいる企業では、解析ツールを入れたり、キーワードのジャンル各にLPを変更したり、記事LPを使ったりと、この辺の改善を必ず行っています。

コツ8.リマーケティングを使用する

リスティング広告をするのであれば、リマーケティングは必ず行うようにしましょう

リマーケティング広告は、1度LP(サイト)に訪れたユーザーに対して広告を配信する為、安いクリック単価で、多くのコンバージョンを見込めます。

1度サイトに訪れたことのあるユーザーは、商品やサービスに対して興味や関心があることがほとんどで、サイトに訪れた際はタイミング的に購入しなかったという事も少なくありません。

タイミング的に購入しなかったユーザーに購入してもらう為に、リマーケティング広告を配信していきます。

たまに、検索広告しか行っていないからリマーケティングはしていないという人がいますが、特別な理由がない限りリマーケティングはやっておきましょう。

コツ9.Facebookと組み合わせる

Facebook広告が当たり前の広告手法になりつつありますが、Facebook広告とリスティング広告を組み合わせることで、リスティング広告の費用を下げることが出来ます

リスティング広告で最も安くコンバージョンを獲得出来るのは、固有名詞(商品名やサービス名・社名等)ですが、Facebook広告を活用すると固有名詞の検索回数が増え、リスティング広告のCPAを下げる事が出来ます。

ただ、この方法は当たり外れの大きい方法ですので、まずは少額でテストをしてみて、問題ないようであれば継続して行うようにしましょう。

5.まとめ

今回は、リスティング広告の予算の決め方や費用の抑え方についてまとめてみました。

予算に関しては、最初から適正なものは分からないので、とりあえず決めて配信してしまいましょう。

また、費用を抑える方法では、少し難しく感じてしまう部分もあったかもしれませんが、「自分がお客さんだったら?」という視点で見ると、簡単に費用を抑えることが出来ます。

予算を決める5つの方法

  • 方法1.売り上げ目標をベースに決める
  • 方法2.キーワード単価をベースに決める
  • 方法3.損益分岐点をベースに決める
  • 方法4.LTVをベースに決める
  • 方法5.現在の総売り上げをベースに決める

費用を抑える9つのコツ

  • コツ1.キーワードの除外を行う
  • コツ2.品質スコアを上げる
  • コツ3.キーワードごとに予算配分を行う
  • コツ4.ロングテールキーワード獲得する
  • コツ5.配信先を限定する
  • コツ6.ターゲットを限定する
  • コツ7.リマーケティングを使用する
  • コツ8.コンバージョン率を上げる
  • コツ9.他の媒体と組み合わせる