家にいながら世界中の芸術を鑑賞できる劇場や美術館の情報まとめました

コロナウィルスの影響で、自宅で過ごす時間が増えた人が増えています。
こんな時に自宅で何をするかというと、読書や映画やドラマシリーズを見て過ごすのが王道でしょう。

しかし実は今、コロナウィルス対策の自宅待機をサポートするために、国内外を問わずさまざまな団体が舞台芸術やコンサート、芸術作品などを無料で公開しています。

この記事ではその中でも特に、美術館や劇場などが無料で公開しているコンテンツを紹介します。

名作のレプリカが並ぶ大塚国際美術館から作品を紹介

大塚国際美術館は、徳島県鳴門市にある美術館です。2018年の紅白歌合戦では徳島県出身の米津玄師さんがここのシスティーナ・ホールから生中継で出演し話題になりました。

大塚国際美術も、現在コロナウィルスの影響で閉館中ですが、公式Twitterでは所蔵する作品の紹介が投稿されています。

OtsukaMuseum(大塚国際美術館公式アカウント)

大塚国際美術館の特長としては、ダビンチの『モナ・リザ』やフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』など、世界の美術館に所蔵されている名画がまとめて見られることです。

どうしてそんなことが可能なのかというと、これらは”陶板名画”と呼ばれるもので、陶器の板に名画を再現したものだからです。

色だけでなく筆づかいまで忠実に再現が可能であり、災害や光による色彩の退行にも強いということで、厳重に管理されている原画と違って至近距離で干渉したり手で触れたりすることが可能です。

Twitterでは【おうちで名画鑑賞】というタイトルで、たくさんの名画が展示されている姿とに説明を添えて投稿されています。

Twitterでは、大塚国際美術館以外にも、
#MuseumFromHome
というタグをつけて所蔵する作品を紹介している美術系アカウントもあるので探してみてください。

ニコニコ美術館は美術展の内容を無料放送

コロナウィルスの流行によって、政府から大人数が集まるイベントに対して自粛要請が出たため、現在日本中の多くの美術館・博物館が臨時閉館をしています。

当初予定していた展覧会が中止になってしまったり、開催を延期、中断した美術館・博物館も多くありました。

そこでニコニコ動画、ニコニコ生放送を運営するドワンゴが費用を負担の上、チャンネル「ニコニコ美術館」からネット配信するというサポートを行っています。

ニコニコ美術館トップページ

この動画を見るために、会員登録やログインなどは不要です。(動画にコメントをするためには無料の会員登録が必要です)

配信動画では学芸員や専門家の方が展示の内容を解説してくれ、深い知識が身につきます。

今後開催予定だったものだけでなく、古い放送も一部アーカイブで見ることができるので、興味があるテーマがあればぜひ見てみてください。

尾上菊之助も出演、人気の歌舞伎公演が無料で見られる

日本人にとって、歌舞伎はなかなか見る機会が少ないものです。
国立劇場は6日から、3月歌舞伎公演「義経千本桜」の収録映像を公式YouTubeチャンネルで公開することにしました。

  この公演は、物語の中心となる場面、原作のニ、三、四段目を三つのプログラムに分け、それぞれAプロで「鳥居前・渡海屋・大物浦」を、Bプロで「椎の木・小金吾討死・鮓屋」を、Cプロで「道行初音旅・河連法眼館」を上演する予定でしたので、プログラムごとにご覧いただきます。
Aプロでは、源義経の都落ちとともに、義経の家臣・佐藤忠信に化身した源九郎狐の活躍や、義経に復讐を挑む平家の武将・知盛の姿が描かれます。Bプロでは、平家の公達・維盛一家を巡り、無頼漢・いがみの権太とその家族の人間ドラマがスリリングに繰り広げられます。Cプロでは、桜花爛漫の吉野山を旅する静御前と狐忠信の様子や、親を慕う狐の情愛が綴られ、〈初音の鼓〉に隠された秘密が明らかになります。

引用:【期間限定】3月歌舞伎公演『義経千本桜』、収録動画を無料公開!

公開期限は4月30日までですので、興味がある人は見逃さないように注意しましょう。

Aプロの動画はこちらから↓

【期間限定】国立劇場 歌舞伎『義経千本桜』Aプロ 鳥居前・渡海屋・大物浦  KABUKI “Yoshitsune Senbon Zakura” Program A

『トゥーランドット』など新国立劇場のオペラ公演が無料で見られる

新国立劇場では、おうちでまったり!「巣ごもりシアター」と題して、オペラ3作品を1週間ごとに配信しています。

おうちでまったり!「巣ごもりシアター」のご案内

 4月10日(金)15:00~17日(金)14:00
モーツァルト『魔笛』
<2018年10月3日公演> ドイツ語上演/日本語字幕付

4月17日(金)15:00~4月24日(金)14:00
プッチーニ『トゥーランドット』
<2019年7月20日公演> イタリア語上演/日本語字幕付

4月24日(金)15:00~5月1日(金)14:00
チャイコフスキー『エウゲニ・オネーギン』
<2019年10月1日公演> ロシア語上演/日本語字幕付

オペラになじみがある人は少ないと思いますが、ラインナップにある『トゥーランドット』は、荒川静香さんがトリノオリンピックで金メダルを取った時に『誰も寝てはならぬ』を使っていましたし、『魔笛』は女性が超高音で歌う『夜の女王のアリア』などが有名です。

オペラは特にチケットが高く、海外劇場の引っ越し公演ともなるとチケットが10万円以上することもあります。なかなか、気軽に見に行けるものではないので、ぜひこの機会にオペラ試してみてください。
今後、追加配信についても計画されているということです。

30日間無料でベルリン・フィルの演奏が楽しめる

ベルリン・フィル(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)は世界一のオーケストラとも呼ばれる名門オーケストラですが、そんな名門オーケストラの演奏が無料で楽しめます。

デジタル・コンサートホール

ベルリン・フィルの映像アーカイブやライブ演奏は、通常は有料でオンライン公開されていますが、現在はされでも30日無料で楽しめるクーポンが配布されています。

利用方法は、上のページの無料登録のボタンからまずは利用者の登録をします。この時、クレジットカードの登録などは不要です。

確認のためにメールが送られて来るので、メッセージ中のリンクをクリックすると会員登録済みのページとなります。

通常はここで視聴用の契約、もしくはチケットを購入するのですが、現在はコードを入力する欄に無料クーポンの「BERLINPHIL」を入力するだけで30日の無料視聴を開始できます。

パリ市内の14の美術館が所蔵する作品が無料でダウンロード可能

こちらはコロナの影響で始まったわけではないのですが、2020年の1月からパリ市内にある14の美術館が所蔵する作品の高解像度写真10万点以上が、管理団体Paris Muséesのサイト上にて無料で公開されており、画像の閲覧やダウンロードが可能になっています。

Les collections en ligne des musees de la Ville de Paris

この検索窓に作品タイトルや作者の名前を入れることで検索が可能です。
(表記は英語かフランス語表記に直しましょう)

所蔵している美術館や作者名だけでなく、色調などでも検索することが可能です。

公開されている作品には、レンブラント、ギュスターヴ・クールベ、ウジェーヌ・ドラクロワ、アンソニー・ヴァン・ダイク、ポール・セザンヌなど巨匠の絵画が含まれます。

これらの作品はクリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)表記となっており、クレジット不要で無料で使用することが可能です。

Open content : plus de 150 000 œuvres des collections des musées de la Ville de Paris en libre accès

メトロポリタン美術館が37万5,000点以上の作品を公開

ニューヨークにあり世界最大級の美術館である「メトロポリタン美術館」も、保有する37万5000点以上の著名な美術作品の写真をCC0表記で公開しています。

The Met Collection

検索やダウンロードはこちらのページから行えます。

気に入った作品は本物を見に行こう

紹介したもの以外にも、現在Web上では普通なら有料でしか触れられないコンテンツがたくさん無料公開されています。
自宅で過ごす時間が増え、外出しない分暇な時間が増えるかもしれませんが、生活に変化を持たせるためにも興味が持てそうなものには気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

自由に外に出られるようになった後に、実際に劇場や美術館に足を運ぶ楽しみにもなるでしょう。