失敗しない!フリーランスのライターとして月に30万円稼ぐ方法

雇用が不安定になるにつれ、会社に頼らず自分自身にスキルを身につけたいと考える人が増えています。特に副業あるいは本業として、フリーランスのライターになりたいと思う人が増加しているようです。

フリーランスのライターというと、自分で仕事量や内容が選べ、自宅やカフェなど働く場所も自由に選べるイメージがありますよね。子育て中や資格試験挑戦中など、個人の生活スタイルに合わせて仕事ができる点も大きな魅力です。

ただし、実際にはフリーランスのライターとして生計を立てられる人は多くありません。
特に未経験から何の準備もなくフリーランスライターになってしまうと「こんなはずじゃなかった」と高い確率で後悔するでしょう。

しかしちゃんとした事前準備や心構え、ある程度のスキルがあれば、未経験からでもフリーランスのライターとして安定した収入を得ることは可能なのです。

この記事では、安定した生活の目安を「月30万円の収入」とし、未経験からフリーランスのライターを目指す人が習得するべきスキル・仕事のしかた、また失敗しないために覚えておきたいポイントについて詳しく解説します。

月に30万稼ぐにはどれくらい働けばいいのか?

フリーランスのライターとして生活を成り立たせるためには、月に30万円の収入を確保したいものです。

フリーランスになると、社会保険料や税金の支払い方法も会社員時代とは変わりますし、取材などの経費についても一部自分が負担する場合があるからです。

では月に30万円の収入を得るためには、ライターとしてどれだけの記事を執筆する必要があるのでしょうか?

報酬は基本的に「文字単価」で計算される

ライターの仕事の報酬には大きく分けて「文字単価制」と「記事単価制」の2つの形態があります。報酬形態はクライアントによってまちまちで、基本的にライター側で指定することはできません。

文字単価制は、1文字あたりの金額で報酬を計算する方法です。
たとえば、文字単価1.0円で3,000文字の記事を書いた場合、原稿料は「1.0円×3,000文字=3,000円」となります。

記事単価制は、記事1本あたりで報酬が決まっている場合です。クラウドソーシングでは少なく、実績のあるライターがメディアから指名で仕事を受ける場合などに使われます。

ここではクラウドソーシングなどで実際に多い依頼内容として、

  • 1記事5,000文字
  • 文字単価制

で、月30万円を稼ぐシミュレーションをします。

スキル 文字単価 記事単価 月間本数
未経験 0.5円~ 2,500円~ 120本
初級者 1円~ 5,000円~ 60本
中級者 3円~ 15,000円~ 20本
上級者や著名人 10円~ 50,000円~ 6本

「未経験」はこれまで全くライター関係の仕事をしていなかった方です。
多くの方はここから出発します。もちろん、スキルを磨くことで文字単価は高くなっていきます。

初級者は、ある程度実績があり、クライアントの求めるライティングがすぐにできるライターです。

初級者の中でも、SEOの知識があったり取材や写真を取ることができるなど、プラスワンのスキルがあれば2円前後になっていきます。

中級者は人気の記事を書けたり、アクセス数の高い記事を書いた経験がある実績豊富なライターです。

フリーランスのライターとして月に30万円稼ぎたいのであれば、ここを目指したいところです。

上級者は著名人やインフルエンサーなど、執筆するだけで確実に宣伝になったり、注目されるような記事を書ける人です。場合によっては1本で数十万の報酬が発生することもあります。

以上のように、スキルや経験によって文字単価には幅があります。

「速く書けるかどうか」も重要な要素

Webライティングの依頼では1記事3,000文字~5,000文字程度が一般的な文字数です。

多くの人が「同じ文字数を書くなら、単価の高い方がいい」と思うかもしれませんが、実はそうとも言い切れません。

ライティングに慣れていない間や、専門知識でない記事を書く場合はリサーチも含めて5,000字で10時間以上かかる場合もあるからです。1文字1.0円で仕事を受けている場合、時間単価に直すと500円になってしまい効率的ではありません。

ある程度ライティングに慣れている場合や、自分の専門分野でリサーチがあまり必要でない場合は3~5時間ほどで書けることもあります。この場合は時間給は1,000~1,700円程度になります。

またタイピングのスピードも効率に大きく影響します。タイピングスピードが速く、ミスタイプも少なければ、時間単位の価値をさらに上げられます。

このように1時間に書ける文字数は案件の内容やライターのスキルによって異なります。初心者が月に30万円稼ぐなら、単純計算で文字単価1.0円の記事を1日に1万文字書く必要があります。

まずブログでもなんでもよいので、自分のライティングのスピードを確認するためにモ1時間に何文字書けるか試してみましょう。

経験・実績を積み単価を上げることが最重要

表を見てもわかるように、1記事当たりの単価が上がるほど、効率的に収入を得ることができます。

しかし最初からなかなか高単価の仕事は得られません。徐々にスキルや経験を上げていくこと単価の高い仕事を得られるようになります。

現実的には、1日で執筆できる記事の量は1本ほどです。
自分の専門や得意分野での仕事を受けることができれば3~5時間ほどで1本の記事を書きああげられる場合もありますが、執筆のためのリサーチを求められる場合が多いからです。

従って、フリーランスのライターとして30万円を稼ぐには、戦略的にスキルや実績を積んで、中級以上のライターとして文字単価3円以上の仕事を受けることが1つの目標になるでしょう。

フリーランスでライターになるメリット

先行きが不透明な時代にフリーランスライターが注目されているのは、その生き方・キャリアに、現代人が抱える不安や問題を解消できるメリットが含まれるからです。

ここではフリーランスライターになるメリットをお伝えします。

ライターとして活躍できる場が増えている

現代では、雑誌や書籍だけでなくWeb媒体も豊富になり、文字でのコミュニケーションがかつてなく増えています。

  • 雑誌・書籍
  • 企業のPR資料作成
  • メディア記事の執筆
  • 広告のライティング・制作
  • SNSの運用代行
  • 動画の校正やスクリプト作成

このように言葉を使うライターの活躍できるフィールドは、拡大し続けているのです。

収入を自分で上げていける

フリーランスライターとして働く場合、自力で自分の価値(報酬)を上げていくことができるのも大きな魅力です。

会社員として働いていると、自分自身がどんなに頑張っても、その業界が先細りであったり会社の業績が悪かったりすれば収入アップは難しいでしょう。

しかしフリーランスライターなら、自分自身でスキルを磨き、実績を積むことで市場価値を高めることができます。

数をこなして制作スピードを上げれば時間単位の収入を増やせますし、クライアントに喜んでもらえる記事を作成できれば報酬アップや、継続案件の獲得も可能です。

自分自身の頑張りが反映されやすいことも、フリーランスライターの大きなメリットです。

自分のペースで仕事ができる

フリーランスライターになれば、仕事の量を自分でコントロールできるため、自分のペースで仕事ができます。

会社員の場合は体調が悪かったり、事情があっても休みづらい時もあります。
しかしフリーランスライターの場合は、全体のスケジュール管理をして納期に間に合わせられれば基本的に自分の好きな時間に好きなペースで仕事ができます。

夜型の方は夜仕事をし、好きな時間に寝ることができますし、締め切りが迫っていなければ気が向いた時に出かけるなど、自由が効くのもフリーランスライターのメリットです。

稼げるライターが持っている能力

誰でもフリーランスライターになって稼げるか?と言えば、そうではありません。

現在、ライターは稼げるライターと稼げないライターに「二極化している」と言われます。ここからは、稼げるライターはどんな能力を持っているのかについて見ていきましょう。

正しい日本語で、わかりやすく伝える力(文章力)

ライターとして当然ですが、正しい日本語を使い、人にわかりやすく伝える基本的な文章力が必要です。

当然と思われがちですが、実はライターとして活動している人の中にも、誤字脱字が多かったり、主語と述語がねじれていたりと基本的な文章力に問題がある人はかなりいます。

このような場合、クライアントが修正を指示したり自分で修正したりする必要があるので、手間を考えるとなかなか単価を上げることができません。

稼げる人はこのような修正の必要がないため、依頼する側も高い単価を提示することができるのです。

また基本的な文法を理解しているだけではなく、

  • 複雑な内容をシンプルに表現できる
  • 読者に理解しやすい言葉や表現ができる

これらもライターにとっては必要な能力です。

また基本的な文章力がある人は、クライアントとのメールのやりとりもスムーズです。コミュニケーションで正しい日本語を使えない場合、仕事をきちんとこなすことが難しいだけでなく大きなトラブルにもなりかねません。

この点でも稼げるライターは基本的な日本語力を身につけていると言えるでしょう。

記事制作に役立つ専門知識やスキル

基本的な文章力に加えて、他分野の専門知識やスキルがあると一気に仕事の幅は広がります。

  • 記事をGoogle検索上位に表示させるSEOスキル
  • Webデザインスキル
  • インタビュー構成と写真撮影

以上は一例です。

これらのスキルは文字単価に直結するだけではなく、競合ライターとの差別化にも役立ちます。

ライティングのスキルは、経験を積んでいけばある程度自然と身についていきます。しかし、それ以外のスキルは自分から積極的に学ぶ姿勢がないとなかなか身につきません。

ライティング以外の能力を磨くことは、高単価の仕事を得るためにも非常に重要なのです。

高いコミュニケーション能力

コミュニケーションスキルも、稼げるライターには欠かせない能力です。

まず、クライアントの要望を正しく汲み取れることが重要です。
このスキルがなければ、いつまで経ってもクライアントを喜ばれる仕事ができません。

すると継続案件や紹介を獲得できず、常に仕事を探している状態になり、執筆に割く時間が少なくなってライターとしてもスキルアップできない…そんな悪循環におちいります。

コミュニケーションでは、クライアントが求めているものを文字通り把握するだけでなく、潜在的に何を求めているかを見極められたらベストです。
多くの場合、クライアント自身が自分の要望を理解しているとは限らないからです。

クライアント自身も気づいていないような要望を汲み取り、より良い提案や的確なライティングができることが、継続的に仕事をしたいと思われる売れっ子ライターの条件なのです。

市場価値のある専門性

以上とプラスして、自分の専門といえる分野があればベストです。

例えば、以下ジャンルの専門知識があると、クラウドソーシングで高単価の依頼を獲得するのに有利です。

  • 美容
  • 不動産
  • 医療
  • 金融

これに関しては、現在の仕事や趣味で専門性を磨くのも1つの方法です。
例えば銀行員なら金融関係の知識が豊富ですし、旅行が趣味なら旅行に関する専門知識を伸ばすなどです。

自信を持てるジャンルがあれば、執筆の際にもリサーチがスムーズにできるなど効率的な仕事ができます。

目に見える実績・信用

これらのスキルを磨きながら仕事をしていくと、クラウドソーシングサイトの評価や、仕事で関係した人たちのクチコミなどとして実績や信用が蓄積されていきます。

過去の執筆数や既存記事のPVといった実績はもちろん、確実に納期を守るスケジュール調整能力も、クライアントからの信頼を高めて新たな仕事に繋がります。

実績や信用は一朝一夕では得られるものではありません。粘り強く時間をかけて積み上げていきましょう。

SNSでの拡散力

新しい要素として、現代ではライターにSNSの拡散力が求められるようになっています。

フォロワーが多いライターは拡散力の高さや一定のPV数、プロモーション効果が期待できるため、メディアも高単価で仕事を依頼するのです。

フォロワー数やブログの読者数の多さも、ライターにとっては大きなアピールポイントです。

また現代ではライターでなくてもSNS経由での仕事のつながりが増えています。
一定数のフォロワーを得るためには、ある程度時間がかかります。ライターとしてこつこつ情報発信を行うなど、フォロワーを増やす地道な施策が重要です。

ライティングスキルを身につける方法

ここからは、ライティングスキルを身に着ける具体的な方法を紹介します。

出版社や編集プロダクションで働く

出版業界などで働きたい場合、出版社や編集プロダクションでアルバイトとして働く方法が一般的です。出版業界に正社員として入社することは簡単ではありませんが、アルバイトは比較的頻繁に募集しています。

この方法ならライティングスキルを磨きながら、人脈や得意分野のセルフブランディングといった土台も築けます。

またライターとしてだけでなく、編集者としてのスキルも得られる点が魅力です。ある程度経験を積めば、フリーランスを目指すこともできます。

ライターの養成スクールや講座に通う

ライターの養成スクールに通うのも1つの方法です。

ライター養成スクールは数多くあります。受講期間は数日~6か月以上と幅広いく、価格は10~30万円代が一般的です。

養成スクールや講座では、ライターに必要な知識やスキルを基礎から体系立てて学べるのが大きなメリットです。成績が優秀な人には修了後の仕事のあっせんをしてくれるスクールもあります。

通学制と通信制でも受講料が変わってくるので、いろいろと調べて自分のライフスタイルに合ったスクールを選ぶといいでしょう。

本で独学する

スクールなどに通わず、本を読んで独学する方も非常に多いです。

最近は活躍しているライターがブログやSNSなどでライティングのノウハウを発信したり、ライティング関係の本も充実しているため、お金をかけなくてもある程度独学で学ぶ事はできます。

この場合、編集プロダクションやスクールでスキルを磨く場合と違い、第三者のフィードバックを得られにくいというのが大きなネックです。

クラウドソーシングサイトで未経験でもできる仕事を始めながら、依頼主のフィードバックを受け徐々にスキルを上げていく方法が効果的です。

ブログやSNSを頑張る

自分でブログ運営やSNS運営をして情報発信をするのもおすすめです。

ブログ運営はライターとしてSEOなどのスキルを磨くのに適していますし、SNSについても運用スキルがあれば仕事の選択肢が広がります。

成果によってはブログ自体を収益化することもできますし、ブログやSNSを通じて仕事のオファーが来ることもあります。

クラウドソーシングサイトで実績を積む

クラウドソーシングサイトにはライティングの仕事が数多くあります。
勉強してから…スキルが身についてから…と先送りするのではなく、まずはチャレンジしてみましょう。

もちろん未経験の場合は低単価の仕事が主になりますが、小さな案件でも期日を守って納品すれば信頼につながりますし、徐々にスキルアップして高単価の仕事を狙うことができます。

ただし単価0.3円を下回ると案件の質が下がり、スキルアップに繋がらないので、初心者でも0.3円以上の案件から探すようにしましょう。

クライアントからのフィードバックを受けられるのは、非常に大きなメリットです。お金を払って覚えるようなライティングスキルを、報酬を得ながら学べるのでおすすめの方法です。

後悔しないために知っておきたいリスク

ここまではフリーライターとして活動する方法やメリットを紹介してきました。しかし、フリーライターとして働くことには当然デメリットもあります。

ここからは、フリーライターとした活動するリスクについて解説します。

最初から良い仕事は取れない

何度か書いているように、最初から高単価の仕事を得ることは未経験にはかなり難しいのが現実です。

ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトでは、文字単価で1円以下の仕事も多くみられます。

上の表にもあるように、文字単価1.0円で1本5,000円で記事を書く場合、月に30万円の収入を得るためには60本の記事を納品する必要があり、これは初心者のライターにはかなり厳しい数字です。

そのうえ、未経験の場合は0.3円~0.5円などの低単価の仕事も少なくありません。未経験の段階でフリーランスになるのは、リスクが高いといえます。

生活が不安定になる

フリーランスライターとして働く場合、生活が不安定になります。

月によって収入の増減が多く、場合によっては全く収入を得られないということもあります。

フリーランスライターは個人事業主ですので、社員として働く場合と違い有給休暇はありません。体調不良で働けない期間は何の保障も得られないことを覚悟しましょう。

時間を問わず対応を要求される可能性がある

時間を問わず、クライアントから修正対応を要求される可能性があります。

例えば、一度執筆した記事を大幅に変更するよう指示されたり、短い期間(「明日の朝までに」等)での対応を強いられるケースも少なくありません。

フリーランスは基本的には自分のペースで仕事をできる場合が多く、それが大きなメリットです。しかしクライアントとの関係によっては、このようなまったく逆の状況にもなり得ます。

失敗しないでフリーランスのライターになる方法

フリーランスで働く場合、このようなリスクが考えられますが、いくつかの対策を取ることである程度安心して仕事をすることができます。

ここからは、なるべくリスクを取らないようにフリーランスライターになる方法を紹介していきます。

まずは副業から始める

失敗のリスクを考慮せず、いきなり独立するのはおすすめできません。初めは本業を続けながらの「兼業ライター」として活動しましょう。

クラウドソーシングの案件の中には、締め切りまでに時間的余裕があるものも多く見つけられます。

仕事の後や休みの日などに、そのような案件から少しずつ仕事を増やしていき、スキルアップすることが成功への近道です。

最低でも兼業状態を1年は続けてください。
そうすれば自然と単価が上がり、クライアントとの人脈もできてくるはずです。本格的な独立を考えるのは、その時になってからでも遅くはありません。

本業を辞めるのは、副業である程度安定して生計を立てられそうな目安ができてからで十分です。

自分でSNSやブログを始める

SNSやブログは文章力を高めるのに役立ちます。

自分でブログを運営することでライティングスキルも身にきますし、SEOなどの仕組みやスキルを身をもって勉強することができます。
読者の反応を確認しながら記事の内容や方向性を考える機会にもなるでしょう。

またSNSのフォロワー数を増やしておけば、将来的にライターになった時に「拡散力のあるライター」と認められ、文字単価が上がる可能性があります。

ブログやSNS運営は時間がかかる施策なので、ぜひ今日から始めてみてください。

契約書をかわして仕事をする

ライティングの仕事は基本的に対面契約ではないので、原稿料を確実に得るためにも、事前に契約書を交わすようにしてください。

ランサーズやクラウドワークスなどのクライドソーシングサイトであれば、クライアントと直接契約書のやり取りをする必要がなく安全に取引ができます。

慣れるまではクラウドソーシングサイトで経験を積むのが、手軽で安全です。

まとめ

フリーランスライターになること自体は、難しくはありません。
しかし未経験からフリーランスライターとして安定した収入を得たいのであれば、

  • 文字単価3円以上の仕事が受けられるよう戦略的にスキルや実績を積み上げる
  • 稼げるライターが持っている能力・スキルを意識して磨く
  • 副業から始める・契約書をかわすなどリスクマネジメントをする

などの具体的な準備・行動が必要になります。

また上記を意識して行動できたとしても、実際に収入を安定させるには数か月~数年単位での時間がかかるでしょう。

未経験なら、まずはライターの仕事を初めてみて、徐々にスキルアップしていくことが大切です。後悔しないためにも、まずは副業から始めて実績とスキルと積み上げながら文字単価を上げていきましょう。