リスティング広告の自動化と成果につなげる方法

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近年、Web業界ではAI(人工知能)がホットなトレンドのひとつとなっています。

AIは、決して遠い未来のぼんやりとした話などではなく、すでに私たちの生活のあらゆる分野において、導入が進められています。

そんな中、リスティング広告の世界においても、「自動化」という形でAIの波が押し寄せてきています。

今回は、リスティング広告の自動化の概要や、ますます進む自動化への向き合い方などについて見ていきたいと思います。

1.リスティング広告の自動化とは

これまで、リスティング広告の運用というのは基本的には全て、運用担当者が手動で行うものでした。

しかし、GoogleやYahoo!による自動化オプションや、サードパーティの自動化ツールが登場してきたことで、自動化ツールに任せられる領域が急速に拡大しています。

キーワードの選定や、予算に合わせた配信の最適化、コンバージョン単価の最適化など、自動化が可能な作業は多岐にわたり、今や運用をほぼ完全自動化することも十分に可能です。

2.自動運用と手動運用、どちらが良いのか

結論をまず言ってしまうと、「自動化する作業と手動で行う作業を上手に分ける」というのが答えになるかと思います。

自動運用と手動運用には、それぞれ向いている分野と向いていない分野があります。

全てを自動で運用するのは必ずしも最善とは言えませんし、かと言って全て手動で運用するのは時間的なリソースがかかり、無駄が多くなります。

ここでは、自動化することでメリットがある分野と、手動での運用が適している分野の例を、いくつか見ていきましょう。

自動化することのベネフィットが多い分野

一言でまとめてしまえば、自動化は「クリエイティビティの必要ない、ルール化された作業」に最も適していると言えます。

その代表例が、レポーティングになります。

リスティング広告において、指標や効果を定期的に計測してレポートを作成することはとても重要な作業になります。

しかし、いちいち手動でエクセルを操作してレポートを作っていたのでは、時間が無駄になってしまいます。

運用担当者は、レポートから得られた情報を基に、その先の運用方法を考える事に注力していく必要があります。

また、すでに運用のルールやフローが固まっているキーワード群の配信も、自動化ツールに行わせることで無駄を省くことが可能となります。

手動での作業・業務が必要不可欠な分野

逆に自動化が難しく、手動での作業が必要な分野の代表例が、「広告の訴求ポイントの設定」になります。

商材を「どういった切り口から売り出していくのか」を考えるのは、今の機械には出来ない部分になります。

女性向けにスキンケア用品の場合、そのスキンケア用品を「お肌が若返るアンチエイジング効果あり」とアピールするのか、「冬の乾燥にも負けないしっとり肌に」とアピールするのかは、ターゲット層やマーケットのニーズと運用状況から判断する必要があります。

こうしたクリエイティビティや高度な分析が必要とされる領域は、まさに人間の得意分野だと言えるでしょう。

また、新商品のキーワード出しなども、自動化が向かない分野です。

すでにある程度出回っている商品・サービスのキーワード選定ならば、データも揃っている為、自動化ツールに任せても良いかもしれません。

しかし全く新しい商材を売り出す時には、AIの判断材料となるデータが出揃っていない為、人間が手動でキーワード出しをした方が大抵良い結果が生まれるはずです。

3.リスティング広告を自動運用する際に気をつけたいポイント

リスティング広告の運用は、きっちりと自動化する部分と手動作業の部分を分けて、両方のメリットを取り込みつつ行っていくのがベストになります。

しかし、人的リソース不足などにより、完全な自動運用に頼ってしまうケースもあるかと思います。

そのような場合は、すべてを自動化ツールに任せてほったらかすのではなく、定期的にちょっとした設定の微調整を行うようにしてみましょう

例えば、完全に自動化ツールに任せていると、どう見てもターゲットがズレているキーワードにまで広告が出てしまうことがよくあります。

そこで、2週間に1回などと決めて定期的に検索クエリをチェックし、そうした不要なキーワードを除外指定するようにすると、無駄な配信が減り、予算を最適化することが出来ます。

このように、ほんの少しの手間をかけるだけでも良いので、「100%の自動運用にはしない」のが、効果的なリスティング広告運用のコツです。

4.まとめ

リスティング広告の運用においては、一概に「自動運用のほうが良い」「手動運用の方が良い」ということは言えません。

自動化が向いている分野では自動化した方が効率的ですし、手動作業が向いている分野では手動運用を行ったほうが良い効果が出ます。

大切なのは、「自動化だけに頼りすぎない」「手動作業だけに頼りすぎない」というバランス感覚と、両方の「良いとこ取り」を実現するための賢い戦略立てです。

リスティング広告の運用担当者の方は、ぜひ今回ご紹介した内容を、今後の「自動化との向き合い方」に役立ててみてください!