Webマーケティング業界のキャリアアップにはどんな道があるのか?

Web通販やWeb広告は日常のものになり、今やほとんどの人が商品やサービスを購入の際、Web上の情報を参考にしています。もはやWeb上に情報のない商品・サービスはユーザーに気づかれないまま埋もれてしまう時代です。

そんな時代に欠かせないのが、「Webマーケティング」です。
Web広告の市場は現在も拡大し続けており、それに伴ってWebマーケティング業界全体は人材不足となっています。つまり今は、Webマーケティングのキャリアを開始する大きなチャンスなのです。

Webマーケティングのキャリアは、今後非常に高い価値を持つキャリアです。
この記事では、Webマーケティングの価値が高い理由やどんなキャリアパスが考えられるかを解説します。

Webマーケティングの仕事内容とは

Webマーケティングとは、Webを中心に行われるマーケティングのことです。

GoogleやYahoo!でキーワードを検索したときに表示されるリスティング広告や、Facebookのタイムラインに表示される広告、企業が情報発信をするためのオウンドメディアやメールマガジンなども、Webマーケティングの施策の一部です。

Webマーケティングとよく比較されるのはマスマーケティングで、これはTVコマーシャルや雑誌や新聞の広告など、不特定多数の相手に向けてメッセージを発信する従来の広告です。

Webマーケティングとこのような従来の広告の違いは、ターゲットを絞ってメッセージを発信し、またその結果も数字で管理できることです。

広告配信が数万円から開始できるなど、ハードルも低く、広告費の金額では大企業に勝てない中小企業でも成果が出せる方法として、急速に普及しました。

Webマーケティングの具体的な施策としては、以下のような種類があります。

  • リスティング広告
  • SNS広告
  • SEO(検索エンジン最適化)
  • アフィリエイト広告
  • アドネットワーク広告
  • メールマーケティング
  • ソーシャルメディア対策
  • LPO(ランディングページ最適化)
  • EFO(入力フォーム最適化)

Webマーケティング職の給与は高いって本当?

「Webマーケティング」と一口に言っても、業務範囲は多岐にわたります。さらに、大企業かベンチャー企業か、作業のみ担当するのか全体のディレクションまで行うのかなどでも差がでる、給与のばらつきが大きい職種です。

Webマーケティングを代行する広告代理店の場合、平均的な年収は以下の水準です。

新卒(未経験)で入社し3年目くらいまで
→平均年収 約350~400万円

3年目から5年目くらいまでの中堅社員
→平均年収 約500~700万円

マネージャー
→平均年収 約700万円~1,000万円

実際の業務内容によって左右されるとはいえ、民間企業で働くサラリーマン全体の平均年収が約432万円であること※、また業界的に年齢層が低い(若い人が多い)ことを考えると、実力をつけることで若いころから高い水準の給与を得られる職業といえます。

また上記は国内企業の例であり、外資系企業のWebマーケティング職の場合、気報酬が1,000万円を超える可能性もあります。ただしその場合には英語での業務遂行能力や、高いマーケティングスキルなどが必要になります。

国税庁 平成29年分民間給与実態統計調査結果について

Webマーケティングのキャリアを始める方法

①社内でWebマーケティングの担当者になる

社内でWebマーケティングの担当者としてキャリアを始めるパターンです。
中小企業の場合、Webマーケティングを始める際に専任のスタッフを採用することはあまりなく、他の業務と兼任したまま担当者として業務を開始するケースが多いです。

逆にまだ社内にWebマーケティングの担当者がいないのであれば、自分から申し出ることで担当者になれる可能性もあるでしょう。ただし、給与の水準は社内の規定に沿うために、通常の民間給与の水準となります。

問題点としては、社内に業務について質問や相談をできる人がいないことです。
また、Webマーケティングの世界ではさまざまな情報が日々更新・改善されていて、最新情報をどう入手するかも重要です。さまざまな代理店のメルマガに登録したり、セミナーに参加したりして自分から動いて情報を収集する姿勢が必要です。

②アフィリエイトなどで実績を作る

Webマーケティングのキャリアを開始する方法としては、自分自身でアフィリエイトサイトなどを運営し、Webマーケティングのスキルを身につけるとともに、自身の実績を作る方法もあります。

品質にはばらつきがありますが、Webマーケティングの情報自体はWeb上でたくさん見ることができるので、正しい情報を選んで自分で試しスキルを身につけていくことも可能です。

アフィリエイトで月に数百万円を稼ぐ人もいますが、ほとんどの人は月の報酬が5,000円に満たない状態です。最初から利益を追求するよりも、Webマーケティングを学ぶ気持ちで始めるほうが、挫折することなく続けられるでしょう。

③広告代理店に就職する

Webマーケティングのキャリアを始める方法として最も多いのは、Webマーケティングを行っている広告代理店に就職する方法です。

代理店にもよりますが、多くの場合研修制度やセミナー参加の補助などスキルアップのための社内制度があり、未経験から始めても本人の努力次第で早く成長をすることができます。

最も大きなメリットは、社内に相談できる先輩や同僚がいるということです。
Webマーケティングでは自分で施策を行って結果を分析することも大事ですが、すでにデータがあるのに同じことをしていては時間の無駄です。

また最新情報や事例についても社内で共有されるなど、1人で情報収集するよりは少ない労力でキャッチアップすることが可能です。

Webマーケティング業界のキャリアパス

Webマーケティング業界でキャリアを歩もうとした時、一体どんな道が考えられるのでしょうか。ここでは、最も多いパターンである広告代理店に就職した場合のキャリアパスを紹介します。

①コンサルタント・マーケターとして集客支援

広告代理店に就職した場合、まずは基本的なスキルを身につけながら、クライアントの集客支援にあたります。

Webマーケティングと言ってもさまざまな分野があるので、まずはリスティング広告の担当とか、Facebook広告の担当など基本的な広告手法を中心に施策を担当していきます。

しかし、実際には売上をアップのためには1つの広告手法だけでなく、複数の広告に通じ、効果を最大化させる複合的な施策を提案する必要があります。

そこで自分が担当する分野にこだわることなく、他の集客施策についてもスキル身につけていくことになります。

②リーダー・ディレクターとしてチームを動かす

コンサルタントやマーケターとして実績を出せた場合には、社内で昇進して自分自身でチームを持つことになります。

この場合、 Web マーケティングの施策における分析能力や立案能力、問題解決能力という能力に加え、チームメンバーをマネジメントし、複合的な施策を行っていく視野の広さが求められます。

またクライアントのビジネスや市場の状況を理解し、社会状況なども踏まえて最適な施策を立案する能力が必要です。

広告代理店は比較的若いメンバーが多いため、20代でも実力を認められこの立場で活躍している人が多いです。チームメンバーの規模は2人程度から数十人と起業家チームが担当する業務によってばらつきがあります。

③CMOとしてマーケティングの総責任者となる

CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)は日本ではまだ馴染みのない役職ですが、社内のマーケティング施策を統括する立場として置かれることが増えてきました。
いわゆる社内のマーケティングの総責任者という立場です。

社外にも広がるWebマーケティングのキャリアパス

社内でのキャリアパスについて説明しましたが、Webマーケティングはビジネスの最重要課題である「集客」を解決するスキルであることから、市場でも評価されやすいスキルです。

社内でキャリアを歩んでいく他に、以下のようなキャリアパスを選ぶことも可能です。

①起業やフリーランスなどで独立する

Webマーケティングのスキルを身につけて、自分でビジネスを立ち上げる人も多いです。

身につけたWeb マーケティングスキルをサービスとして提供するコンサルタント・代理店としての独立だけでなく、自分の好きなことや趣味をビジネスにしたい場合にも、Webマーケティングスキルは役立ちます。

②事業会社にマーケティング担当者として転職

広告代理店のコンサルタントというキャリアを積んだ後、マーケティングの担当者として事業会社に転職しキャリアを継続するパターンもあります。

最初にお伝えした通り、Web マーケティングの知見はどの業界でも求められているにもかかわらず、需要に対して人材は不足している状態です。

またコンサルタントとして施策の策定やアドバイスをするだけでなく、もっと自分で手を動かして事業を動かしていきたいと考えて事業会社に転職する人もいます。

あらゆる業界で必要とされるWebマーケティング人材

Web マーケティングのキャリアは社内で積み上げることも可能ですし、市場価値が高いので他の業界でも有効なキャリアが積めます。

IT や Web マーケティングの業界では今後の需要の高まりに対してスキルを身につけた人材の不足が予測されています。Web マーケティングのキャリアは今後どのような変化があったとしても高く評価される価値あるキャリアだと言えるでしょう。