ファシリテーターとは?基本的な役割と初めて行う時の3つの心得

会議では参加者が活発に意見を交わすことが重要です。しかし全員が自由に意見を交わすだけでは目的に対して有意義な会議にならないことも確かです。

そこで最近「ファシリテーター」という存在が注目されています。
この記事では存在感を増しているファシリテーターについて、その基本的な意味と、初心者がファシリテーターを務める際の基本の心得について解説します。

ファシリテーターとは

ファシリテーターとは、会議などにおいて議事の円滑な進行をする役割の人を指します。

会議の場では、参加者がそれぞれの立場から意見やアイデアを最大限出し、その後話し合いを行いながら考えや案をまとめ、ブラッシュアップしていくことが重要です。

しかし、実際の会議では、

  • 1人の人が話し続けてしまう
  • アイデアを持っているのに出さない人がいる
  • 話しづらい雰囲気になってしまう
  • 全員が発言しないまま時間切れになる

という状況がよく起こります。
これでは会議の目的を達成しにくくなってしまいます。

そこで議事の進行を担当するファシリテーターが、有益な議論を行い会議の目的を達成するために参加者に発言を働きかけたり、発言にかける時間の配分を行ったりするのです。

他にもファシリテーターには以下のような役割が求められます。

  • 積極的でない参加者の意見を聞き出す
  • うまく話せない人・意見をまとめられない人の考えを整理してあげる
  • 参加者間の意見の調整を行う
  • 話が進まなくなった時には切り口を与える
  • 参加者が意見を出しやすい雰囲気を作る
  • 出てきた意見を整理する

ファシリテーターは会議のクオリティを左右する重要な役割なのです。

ファシリテーターをする時に注意すること

会議前に議題や目的を確認しておく

詳しくない分野や内容の会議について、その場で「やって」と言われてファシリテーターをすることは困難です。

会議の議題やその会議で決めるべきこと、議論に関連する情報や参加者などをあらかじめ頭に入れておく必要があるからです。
ファシリテーターはただ時間配分して議事を無理やり進める存在ではありません。

中立の立場で、自分の意見は言わない

参加者から多くの意見を引き出すのもファシリテーターの役割です。

ファシリテーターが自分の意見を主張すると、会議の方向性が決まってしまう可能性があるので、極力自分の意見は主張しないようにします。

またファシリテーター自身が議題や結論に対して先入観を持っていると、その方向に議論を誘導してしまう可能性があります。フラットな気持ちで臨むようにしましょう。

特に会議において立場が弱い人や消極的な人は、自分の意見があっても場の雰囲気によって意見を変えたり、主張しなくなってしまいます。
意見を言いやすい場の雰囲気を作るためにも、ファシリテーターは中立の立場を貫きます。

ただし議論が堂々巡りになった時など、議論を進めたり、視点を変えたりするためのきっかけなどを与えることは、ファシリテーターの役割として重要です。

最後に結論をまとめ、行動に落とし込む

会議では議論をすることだけでなく、結論を出すことが必要です。

アイデアを出すことが目的の会議なら良いのですが、それ以外の場合、出た意見に対して議論を重ね、内容を整理・選択し、時間内に結論にまとめます。

また結論が出たとしても、実際にその結論を受けて、それぞれの参加者が次にどのような行動を取るべきなのかまで具体的に落とし込まないと、「決まったものの実際には何も進まない」ということになります。

ファシリテーターは会議をより価値のあるものにするために、会議の最後には内容をまとめて参加者に周知し、それぞれがやるべき行動やその期限を理解した上で会議を終了できるようにしましょう。

ファシリテーターによって会議の質は大きく変わる

このように、ファシリテーターの役割は会議の結果に対して大きな影響を与えます。

特定の人がしゃべり続ける結論ありきの会議は、会議の意味をなしていません。
人が集まって意見を出し合いみんなで合意できる結論を導くためには、ファシリテーターの役割が重要なのです。

日本ではまだ会議において、ファシリテーターが役割としておかれることは多くありません。しかし、今後仕事の効率化などを進める際にさらに重要性を増してくる役割です。

貴重な時間を使っても結局何も決まらない、何も行動に移せないような会議にならないように、ファシリテーターの役割について理解しておきましょう。