リスティング広告を導入すると殆どの方がつまずく問題。それは広告が表示されないという問題です。
せっかく手間をかけて作った広告が表示されないとなると「作成方法を間違えたのか」、「予算が足りていないのか」、「なにかポリシー違反をしてしまったのか」と色んな不安が頭を巡ってしまい、どうすれば良いのか分からなくなりますよね。
ですので今回は、「広告が表示されなくなってしまう理由」を細かに説明した上で、その「対処方法」を紹介します。
これさえ読めば、広告が表示されないとあたふたすることはなくなります。
※確認用参考画像は主にGoogle AdWordsでの管理画面となりますが、操作自体にYahoo!プロモーションとの大きな差異はありません
目次
1.広告が表示されていない=配信されていないではない
設定した検索キーワードで実際に検索しているのも関わらず、自分の作った広告が検索結果に出てこない。
こういった時に「もしかして広告が配信されていない?」と不安になりがちですが、殆どの場合「配信はしているが思ったように表示が出来ていない」という状況が殆どです。
この章では、その「広告が思ったように表示出来ない理由」を説明させて頂きます。
1-1.なぜ広告が表示されないのか
広告が表示されない理由はいくつかありますが、根底にある理由をざっくりと言うと「利用ユーザーにとって有益ではない広告と判断されている」からです。
自分が検索をしている時を思い浮かべて頂きたいのですが、カレーが美味しいお店を検索して調べたときに、カレーの美味しい作り方を紹介されても困りますよね?
検索ワードと検索結果が求めている内容ではない
検索ワードと検索結果が一致している
こういった欲しい情報と違うサイトやコンテンツに誘導される事態を防ぐ為に、Yahoo!やGoogleは独自の評価システムを使って、広告一つ一つをリアルタイムで評価しています。
その為、広告が表示される/されないといった状況が起きるのです。
ですが「ちょっと待ってよ。そんな検索結果と逸脱するような広告を構築してないよ」という方が殆どでしょう。
ですので次は、もう少し具体的に「どんな理由で広告が表示されないか」をご説明します。
1-2.広告の表示がされない主な理由9つ
広告が表示されない理由を一覧にまとめました。
今広告が表示されないと悩んでいて、この理由一覧を見た時何か思い当たる節があるのではないでしょうか?
ここで思い当たった場合も思い当たらない場合も安心して下さい。
次の章からは、各理由を解説した上で対処方法を紹介しますので、広告が表示されるまでもうひと踏ん張りです。
2.広告が承認されていない
広告が表示される/表示されないの前に、そもそも「広告が配信出来る状態か」という理由です。
広告には「ポリシー」という広告のルールがあり、Yahoo!やGoogle、広告媒体ごとに微妙に差があるものの、ユーザーに有害と判断されるものは配信出来ないようになっています。
また、広告は作成をするとポリシー違反がないかという「審査」を行う必要があり、初めての人は「審査中」である為、配信されていない事に気付いていないこともあります。
2-1.確認方法
確認方法は至って簡単で、リスティング広告の管理画面上で広告のページに飛んで、Yahoo!では「配信状況」、Googleでは「ステータス」の項目を確認することです。
その欄が「審査中」であればまだ審査をしている途中、「不承認」であればなんらかの理由により、審査を落ちてしまった事を表します。
2-2.対処方法
「審査中」であればそのまま審査の結果が出るのを待ちましょう。
ディスプレイ広告の場合は少し長く、3日以上かかる時もあります。
審査が無事通れば、そのまま配信が開始されます。
次に、「不承認」だった場合ですが、これは理由がいくつかありますが主な理由としては、
以上の3つとなります。
①の場合は不適切な文言、例えば「暴力的、性的、飲酒、差別的、政治的、金融、医薬品、賭博」などに関わる発言、または過度な文言、「絶対に治ります。」等の過剰な保証をする文言を修正することで審査が通ります。
②の場合も①と同じ理由で「暴力的、性的、飲酒、差別的、政治的、金融、医薬品、賭博」など、過剰な効果訴求をLPで行うと審査を落ちるので、文言や表現の修正を行なう事で審査が通ります。
過度な煽りやポリシー違反となる文言
③の場合は判断が難しいのですが、①、②に当てはまらず、ポリシー違反が見当たらない場合、誤って審査が落ちてしまっている可能性がある為、その場合は、広告文を少し変えて再審査をかけることで広告が配信出来るようになります。
3.配信ステータスがオフになっている
当たり前ですが、そもそも広告の配信ステータスを「オフ」にしていると広告は配信されません。
「そんなの見落とすわけがないじゃないか」と思うかもしれませんが、意外と見落とされている場合があり、その見落とすポイントもありますのでご説明します。
3-1.確認方法
確認方法は、広告の管理画面で配信ステータスが「オン」になっているかを確かめるだけです。
ただここで見落とされてしまうのが、「配信ステータスの切り替えボタンは複数ある」ということです。
リスティング広告は[キャンペーン]-[広告グループ]-[キーワード]-[広告文]の4つの箱で構成されていますが、その一つ一つに配信ステータスの切り替えスイッチがあります。
ですので、ありがちなのが「キャンペーンは配信ステータスオンでも、広告グループ以下が配信ステータスオフ」という状況です。
確認する場合は、キャンペーンから広告文まで下りて行いましょう。
3-2.対処方法
対処方法は各配信ステータスボタンをオンに切り替えるだけですが、そもそもの方法として最初の広告制作時にキャンペーンの配信ステータスボタン以外は触らない、というのをオススメします。
広告グループやキーワード、広告文の切り替えボタンは、配信後に成果が悪いものから切る為に使いましょう。
4.配信先設定が限定されている
簡単に言うと、確認した時に広告の配信先ターゲットに自分が当てはまっていない場合です。
例えば、自分が関東に住んでいる人間で、広告の配信先ターゲットが関西だった場合、自分で確認をする為に指定したキーワードで検索を行なっても表示はされません。
また、地域だけでなく「時間帯、曜日、デバイス」にも条件を指定して配信することが出来るので、その条件に当てはまらないターゲットには広告は配信されません。
4-1.確認方法
Yahoo!であれば各キャンペーンのキャンペーン設定を、Googleであれば同じように対象のキャンペーンを選び、設定タブから配信先設定を確認しましょう。
または対象の「地域、時間帯、曜日、デバイス」から確認を行なう事で、実際に表示がされているかを確認出来ます。
4-2.対処方法
この場合は、配信先ターゲットに配信がされれば良いので、設定に間違えがなければそのままにし、表示回数がカウントされているかの様子を見ましょう。
5.入札単価が少ない
広告の表示はオークション式ですので、KWに対してかける予算により表示される順位が変わります。
その為、1ページ目ではなく、2ページ目に表示されていることもあるので見落としがちです。
他にも、品質スコア/品質インデックスの概念もありますが、これについては次の章で説明します。
5-1.確認方法
広告を配信すると、管理画面のキーワードページで「推奨入札単価」を確認することが出来るようになります。
Yahoo!では「1ページ目上部掲載に必要な入札価格」、Googleでは「First Page Bid の見積もり」、「ページ上部表示の推定入札単価」がそれに当たります。
5-2.対処方法
推奨入札価格欄に表示されている単価で入札を行う事で、1ページ目、はたまた1ページ目のトップに表示させることが出来ます。
ですが、この入札価格は高くすれば高くするほど一番の広告枠に表示されるという訳ではありません。最初に言ったように「利用ユーザーにとって有益」かどうかが重要だからです。
このユーザー側からの評価については次の章で説明します。
6.品質スコア/品質インデックスが低い
配信する広告がユーザーにとって有益か否かを評価する一つの指標が、この「品質スコア/品質インデックス」です。
この評価システムは、設定しているキーワードに対して付けられます。
10段階での評価システムで、ユーザーがどれだけその広告をクリックしたか、広告がどれだけ検索ワードに関連しているか、そしてLPはユーザーにとって使いやすいかという、「クリック率、関連度、利便性」の3つの要素から決定されます。
ですが、10段階での評価された結果スコアは確認出来るものの、その詳細な内訳は広告主側では確認出来ない為、改善する場合は細かな調整を必要とします。
6-1.確認方法
キーワードタブ内にある項目「品質スコア/品質インデックス」から確認出来ます。
6-2.対処方法
広告文内に登録しているキーワードを入れたり、検索しているキーワードへの答えを入れたり、除外を行ない、関係のないキーワードへの広告配信を抑えていくことで、クリック率を向上させ、品質スコアを上昇させる事が出来ます。
ですが、クリック率は単純なクリック率ではなく、登録しているキーワードに完全一致した場合など、本当に関連度が高い場合でのみ評価が行われているので、管理画面上では確認出来ない要素も含まれ、根気のいる調整となります。
7.検索ボリュームが少ない
広告の配信を開始してみると、一日経っても全然広告が表示されておらず、表示回数が100回もいかないということもあります。
これは、競合他社との表示争いで負けている可能性もありますが、そもそもターゲットとしているユーザー層が少ない為、広告が配信出来ていない場合があります。
7-1.確認方法
キーワードタブの各キーワードのステータスに「検索ボリュームが少ない」と表示されている。
7-2.対処方法
登録しているキーワードが「完全一致」「絞り込み一致」の場合は「部分一致」に変更し、キーワードの窓口を広げてあげることで、配信先人口数を拡大することが出来ます。
ですが、もちろん曖昧さを含む為、意図しないユーザーにも配信がされてしまう注意点があります。
また、もしくはキーワードプランナーやキーワードアドバイスツールを使い、キーワードのボリュームを調べることが出来るので、配信前にもある程度の予測が立てられます。
8.広告予算の残高がない
広告予算がアカウント内になければ広告は配信することが出来ません。
基本的に、広告予算は配信を行なう前にアカウント内に入金しておかなければなりません。
8-1.確認方法
広告管理画面トップに「アカウントの残高が無くなったため、広告は掲載されません。」といったエラーメッセージが出ている。
8-2.対処方法
広告予算を入金することで広告が配信されます。
また、入金には主に「自動入金、手動入金」の2つの方法があります。
※後払いもありますが条件付きのため省略させて頂きます
もし配信期間を忘れてしまい「気付いたら残高が無くなり広告配信が停止していた」という事態が頻発するようでしたら、自動入金で登録されると滞る事なく配信が行えるようになります。
9.一日の広告予算上限に達している
こちらは全体の広告予算とは別で、一日の配信出来る予算の超過した場合です。
一日に使用する予算上限をキャンペーン毎に設定することが出来ます。
そして、設定している上限予算に配信費用が達すると、対象キャンペーンのその日の広告配信はそれまでとなります。
9-1.確認方法
キャンペーンの配信ステータスに「予算による制限」というメッセージが表示されているかを確認。
9-2.対処方法
広告費を増額、もしくは反応が悪いキャンペーンを停止し、反応が良いキャンペーンに割り振るなど、一日の広告予算上限を引き上げることで対処出来ます。
また、広告グループの設定画面から、広告の配信ペースをピーク時に多く出すことや、一日を通して等分して配信することも可能なので、一日を通して広告配信を行いたい場合は「標準」設定にすることをおすすめします。
10.配信期間を過ぎている
広告はキャンペーン設定画面で「4月1日から4月18日まで配信をする」というように、広告の運用期間を指定して配信することが出来ます。
この配信期間を過ぎてしまっている為に、広告の配信自体にロックがかかっている状態です。
一度配信を終えた広告を再開する時に見落としがちな理由です。
10-1.確認方法
キャンペーンのステータス欄に「終了」というメッセージが出ている。
10-2.対処方法
キャンペーンタブの設定ページ内にある詳細設定で、配信スケジュールの変更を行なうことで対処出来ます。
11.まとめ
広告が表示されていない場合、再審査や再構築を行なう前にまずは何が原因なのか突き止めることが重要になります。
思った通りに広告を配信出来るよう、一つ一つ原因の特定と対処を行なうようにしましょう。